第二話 火焔
崩壊した異世界に転生した菊池圭太は、崩壊の要因となった人物ペイモンと同居することになった!?
ペイモンを殺したい圭太は異世界で奮闘する!!
ペイモンが出かけてから、俺はずっと魔法について試行錯誤していた。その間にバイトなどもしてみたりして、少し金も稼げるようになった。
魔法のコツは身体中に流れる魔力の検知が重要とは言っていたものの、どうすればいいか分からず、手から色々なものを出すイメージで練習していた。
進展はあった!まず、手から灰が少しパラパラと出た。この能力から察するに、恐らく炎系統の魔法なのだろう。その後の練習じゃ何も出なかったが、コツを覚えられたので、灰程度ならいつでも出すことが出来そうだ。
「炎魔法とかありきたり過ぎて逆に珍しいだろ!!」
一人で叫んでいると、上司のおばちゃんに頭を叩かれた。
「アンタうっさいわねぇ!クビにするわよ!?全く…数年前に国家転覆が起きてからというもの、ろくな仕事もないんだから、感謝しなさいよ!?」
「ァ、ハイッスイマセンッ」
また、品出しのバイトに戻った。先程ババァ…ンンッ、上司が言った通り、ペイモンの国家転覆からは誰もが自分の家にこもり、買い物何かには行かなくなってしまったので、一日に一回買ってくれるのが関の山だ。
こんな国の状況でも、以外と経済は安定していた。その為、金の価値は今までと変わらず、良いものなのだ。
テーン、ポーン
店の扉が開く音がした。
「いらっしゃいませー。」
上司が挨拶をした際に扉をみると、気絶するほど驚いた。
店に入ってきたのは思考放棄者だった。クリミナルズとは、国家転覆により、思考を放棄した犯罪集団のことである。見境なく視界内の人間を殺していく集団だ。
「死ねええええ!!」
「ッキャァァァァ!!」
上司に釘バットで襲いかかるクリミナルの前に反射的に立ち塞がった。
「やめろおおお!!」
殴りかかると、当たり所が悪かったのか、クリミナルは倒れた
という想像をしていた。実際には頭部にバットが直撃し、吹き飛ばされた。頭蓋骨の形は変わり、血塗れの服を見ていて死を悟った。
「また…死ぬのか…」
痛みはなかった。それに意識もハッキリしていた。二度目だから?短期間の内だから?いや、
ハッキリと生きていた───
頭から橙色と水色が混ざった炎が渦巻いていた。
そして頭の中にひとつの文字が浮かんできた。
「『焔』…!!」
本能的に頭の炎をクリミナルの身体にぶつけた。
「ぐわあああ!!」
叫ぶクリミナルの頭を殴ろうとして、棚に拳をぶつけてしまった。その瞬間、手からも炎が出た。
この漢術の能力、それは『傷口から炎を出す』というものだと、頭の中で理解した。
「燃えてきた!!」
俺は“ハイ”になっていた。
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