最終話 『悪魔理論』
今回が最終です!!!ここまで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました!!!
天から突然、光の筋が差してきた。サンは倒したはず。なのに何故この世界に光があるんだ?太陽がある訳でもないのに。
木曜日の主が全員を自身の能力で治癒しているのを横目に見つつ、光の筋を注視していた。すると、光の筋を通ってくるように、一人の男が現れた。
皆が困惑して周りを見渡す。そんな時男は口を開いて話し始めた。
〖僕は……この世界の次なる主です。〗
近くで音が聞こえるのに、どこか遠いような、不思議な聞こえ方だった。その男は、こちらのことなど意に介さず、淡々と話し始めた。
〖今世界は曜日ごとに七つに分れています。そしてここは日曜日の世界。そしてこの世界は貴方がたの世界に悪い影響を及ぼしています。〗
何を話すのか、そう思いつつもとりあえず頷いた。すると、男はまた口を開いた。
〖そこで、この日曜日の世界だけを周りの世界から切り離します。〗
主たちの中でザワッと困惑が走る。切り離す、そんなことが可能なのか。
〖これ以上放置する時間はありません。今すぐに切り離させていただきます。〗
困惑に包まれる中、突然この世界全体と言った方が正しいのだろう。【ゴオオオオォン!!!】という轟音が鳴り響いた。途端、視界が突然崩れていくように黒に染まっていった。そしてそのまま俺は意識を失っていた。
目を開くと、目の前にはペイモンさんとルシファーさん、そしてその背後にはずらーっと悪魔たち全員が立っていた。
「圭太さん……!サンを倒したんですね!」
そう言われて初めて気がついた。ここは、木曜日の世界。ようやく戻ってこれたのだ。
だが、冷静になって考えると、疑問が生まれた。
「なんでサンの事を知ってるんですか?」
「それがですね……なんというか、夢みたいな感じでサンと圭太さんが戦ってるのを見ていたんです。」
原理はよく分からないが、日曜日での出来事を見ていたらしい。そう思うと恥ずかしくなってくる気もするが、まぁ、一旦いいだろう。
「とにかくこれで平和になったんですねぇ……」
でかいため息をついて、周りを見渡した。悪魔達全員が平和に対する歓喜が抑えきれない、という表情をしている。だが、俺は気がかりな物があった。
少し歩いて回ると、やはり居た。
「サタン……」
サタンは名前の通り、『魔王』なので、悪魔ではない。そのため、遺体はその場に倒れて、消滅することはなく今もそこにある。
『魔王』などと、大層なことを言ってはいるものの、実際には魔王などではなく、ただの人間だ。ルシファーさんと融合してしまったことで、ルシファーさんの力の大部分がサタンにあるだけ。
サタンと会話できるわけでもないが、自分の中で引っかかることがあったので話したくなったのだ。
「……なぁ、サタン。お前……【悪魔理論】なんて言ってたけど、あの理論の中には間違いがあった。俺は死ぬことはなかった。……だけどお前は分かっていたんじゃないか?」
遺体となってしまったサタンは当たり前だがうんともすんとも言わない。それでも聞こえるのかもしれないと思って話し続けた。
「あの理論じゃお前は悪役だった……そんなの自分で最終的に負けるって言ってるようなものじゃないか。」
思わず眉を寄せてそう言ってしまった。何故か俺自身に後悔が残ってしまった。でも、サタンはこれを望んでいたのだ。自分で悪魔理論を立て、世間に公表した。その時からサタンは全てを見据えていたのではないか。
その様子に気がついたのか、背後からルシファーさんが俺を担いで文字通り肩車をされた。肩を軸にして縦に五十回程回転させられてから、ようやく止めてもらった。
「ぁぁぁ……死ぬぅ……」
「これで全て吹っ飛んだだろう!!!」
そう言ってからルシファーさんは大声で笑い声を上げた。ムカつくがこれで頭の中にあったものが全て吹き飛ばされた気がする。
でも、こんなことで終わらせていいことでは無い。だから俺はこれからもサタンの事を覚えて生きていくのだ。頭で覚えるのではない。心で感じるのだ。
数年が経った。世界には今では数千の悪魔が人間と混ざりあって生活をしており、それは世間の常識となりつつある。
昔まではペイモンさん達によって起こされた革命で、世界全体がほとんど滅んでいたが、今ではあの荒地はいい意味で見る影もなく、完全な巨大都市となっている。
その全ての都市を統制するのは、一人の王。ペイモンさんだった。昔国家転覆を行った時に天王と交わした約束を今果たしたのだ。
そして世界は平和になったのだ。ようやく訪れた平和。それでも腑に落ちない感じがまだ残っていた。
ここまで平和になったのだ。これ以上自分は何を望んでいるんだ?最早自分でも何を考えているのか分からなくなってしまっていた。
そんな時、高層ビルからルシファーさんが翼を広げながら、飛び降りて横に来た。
「久しぶりだな。圭太よ、元気か?」
「ルシファーさん、一応公然の場で悪魔の能力を使うのは犯罪ですよ……」
笑いつつも、一応そう言っておいた。ルシファーさんは今まで悪魔の能力を数え切れないほど使用して、五十七回逮捕されている。まぁ、裏のコネですぐ出てくるのだが。
そんな事を考えていると、ルシファーさんが思い出したかのような表情で口を開いた。
「それとな、圭太。聞いた話だが、どこぞの研究者がなんか予言したとかで、話題になってるんだが、知っているか?」
一瞬、思考が止まった。いやいや、まだ全然分からない。ちゃんと最後まで聞かないと。
「知らないです。」
「内容はなぁ、その研究者が死んだ時に、国家転覆が起きるとか何とか。」
思わず笑みを浮かべてしまった。なんてデジャブ……
「なんて『悪魔理論』ですか……」
そう言ってルシファーさんと思わず笑い声を上げた。平和な日々はこれからも続いていくのだ……多分。
『崩壊した異世界に転生したので世界最強の元凶を頑張って倒します』 完
前書きにも書きましたが、ここまで皆さん本当にありがとうございました!!世界観もすぐ変わっちゃって、分かりにくい作品でしたが、ここまで読んでくださった皆さんには、本当に感謝してもしきれないです!!次回作も制作中ですので、そちらも是非よろしくお願いします!




