第二十四話 『最期の戦』参
半年間もこの作品に付き合っていただき、ありがとうございました!!!!
「お前……一体誰なんだ?」
そんなことを土曜日の主が聞いているのを小耳に挟みながらここから脱出する方法を考えていた。『磁石』の能力で主全員がくっつけられている。どうすればいいのか。
☾︎言うなれば、貴様らに対して送った使いを全て吸収した姿というのが良いか……ふっ、どうせ暇だ。いいことを教えてやろうか?☽︎
思わず脱出するために絶え間なく動かしていた手を止めてしまった。「いいことを教える」?いいことな訳が無い。訝しみながらもサンの言うことを聞いた。
☾︎私が送った使いは各曜日の世界に長く居続けた影響でその世界との結び付きが深くなっている。その為、時間が経てば経つ程どんどん曜日の支配は楽になっていく。☽︎
怒りで暴れそうになったが、暴れられなかった。そんな時金曜日の主が磁石から離れて刀を握り、サンに向かって突撃していった。どうして能力を解除出来たのだろう。そんなことを考えている間に金曜日の主はサンの体を刀で貫こうとしていた。だが、サンは地面を蹴るようにして軽く飛び上がって避けてしまった。
☾︎身体能力も並大抵のものではない。☽︎
そうサンが言った時には、金曜日の主は蹴り飛ばされて、近くまで吹き飛んでいた。
「大丈夫か!?」
「あぁ……」
魔力は底を尽きていて、殆どゼロに近いが、残った魔力で少しだけ『再生の炎』を使用し、金曜日の主を回復させた。そんな時、サンが横から首を突っ込むように話してきた。
☾︎磁石でくっつけられていたのは愛野 蒼……金曜日の主以外だ。金曜日の主はわざと能力の効果を弱めてあった。つまり何が言いたいか分かるか?見せしめだ!!!☽︎
「やらせるか!!!」
月曜日の主はそう叫ぶと、自身の魔法で大量の物を生成した。とにかくなんでも作れるものを作っていた。武器ですらないものまでサンに投げているので、殆どが弾いて攻撃になっていなかった。
そんな時、月曜日の主の手のひらからは氷の槍が他のものに紛れて飛んでいった。気づかないサンは他のものと同じように弾こうとした。次の瞬間、腕に少しかすっただけにも関わらず、サンの腕には深い傷がついた。
「そんな単純なことか!!」
そんなことを口々に叫ぶ。今のは『氷』だが、恐らくサンの弱点は炎ということもあって『水』なのだろう。
月曜日の主はそう気づいた瞬間、手のひらから大量の水を噴射した。だが、サンから一定の距離まで近づくと、その水は蒸発してサンに触れなかった。
「あれは多分魔力を全身から放出してるんだ。サンの魔力は水を蒸発させるくらいの熱が……」
なんて魔力だ。魔力が物体に影響を及ぼすなんて聞いたことがない。あれだけの水を蒸発させるほどの熱なんて触れてしまったら……
「じゃあ魔力が無くなるまで……」
「魔力量は僕たちの総量の倍以上ある。魔力を無くすのは絶望的だ。」
なら水をぶちまける隙をどうにかして作るしかない。だがまずは磁石から離れなければいけない。そう思ったが、気がついた時にはもう『磁石』の効果は殆ど無くなっていた。先程の氷の槍だけでも相当ダメージがあったのだろう。一斉に主は磁石の繋がりを離れてサンに攻撃しに行った。
「ある程度距離を取れば磁石の能力ら効果がない!距離をとるんだ!」
土曜日の主の呼び掛けに、全員は等間隔で広がってサンに向かっていった。そんな中、月曜日の主は背中から黒い翼を広げてサンにグングン近づいた。瞬間、月曜日の主はサンの顎を蹴り上げて攻撃をした……と思ったが、気づいた時にはサンは居なかった。どこへ消えた?月曜日の主も同じ気持ちで周りを見渡していた。
「どこだ……!?」
「動かないでくれ!」
そう叫びながら水曜日の主が月曜日の主に突っ込んでいった。すると、月曜日の主の体内に自身の魔法『侵入』で入っていった。俺たちが近づくと、月曜日の主が説明を始めた。
「多分今俺の体の中で……水曜日の主?がサンと戦ってる。」
そう話していた時、『侵入』の能力が解除され、水曜日の主はサンを掴んで体内から引っ張り出てきた。
☾︎余計なことを……!!!☽︎
怒り狂ったサンは水曜日の主の腕を引きちぎりそうな勢いで掴んだ。次の瞬間、突然の出来事だった。サンは手のひらから炎を放出し、水曜日の主の腕は黒い棒のように燃やされてしまった。
「ぁぁあああぁっ!!!!」
完全に無くなる前に金曜日の主が背中から刀を突き刺して、腹まで完全に貫通させた。
そこに腕の痛みを我慢して水曜日の主が乗っかった。
「全員で押さえるんだ!!!!」
パニックな状況で、サンのことを全員が押さえつけていた。サンが暴れて抵抗するが、全員は絶対に話さないように必死に押しつけている。これが最後のチャンス。
☾︎やめろ!こんなことで私を殺せると……☽︎
「バイバイ、神様。」
月曜日の主は笑顔で最後に一言だけ言って、水の塊をサンにぶつけた。すると、サンの体はトマトよりも真っ赤な、紅蓮の炎に包まれた。
☾︎まだ……私の野望は……☽︎
サンは虚しくそう叫びながら、サンの肉体はボロボロと崩れていった。そして完全に消滅するのを確認すると、水曜日の主が口を開いた。
「やった……やったのか……?」
全員は顔を見合わせて、一気に爆発するような興奮に包まれた。ルシファー、ペイモン、全ての悪魔の死、そしてサタン。全てがサンによって仕組まれていた、言い方を変えれば呪われていたのだ。
その呪縛全てから解放されたのだ。全員は喜びに包まれた。
だが突然我に返って思い出した。どうやって日曜日の世界から脱出するんだ?それに、サンに支配されていた木曜日の世界は無事で居られているのか?
そんなことを考えていた瞬間、太陽がある訳でもないのに、天から一本の光が差してきたのだった……
『最期の戦』参 終
残りラスト一話です(多分)。あともうちょい僕の作品に付き合ってください!




