第二十話 『召』
ちなみにサタンの魔法はルシファーと同じく『堕天の炎』です。
すっかりサタンに追い詰められてしまった。サタンのあまりの速さに追いついていけない。
体は万全の状態だが、魔力はもうカラカラだった。それに精神状態がもう満身創痍だった。あまりの痛みで叫びたいが、そんなことをしている暇はない。
どうにかして、サタンを弱体化させようと試みているが、どうやっても無理だ。まず弱体化させる手段はないし、あっても実行出来ないだろう。
そんなことを考えている間に、サタンが突撃してきた。流石にもろに食らったらまずい。
「『焔』!!!」
サタンに向けて、手にできたかすり傷から炎を発射した。だが、魔力不足のせいで、手から出てきたのは黒い煙が少し出ただけ。目くらましにもならずに、そのままサタンに腹を殴られて吹き飛ばされた。
「まずい。」そんなことを考えている暇もなかった。
あばら骨の折れる音を耳で聞き取ったのを最後に、呼吸が出来なくなった。そして口からはダラダラと血が溢れ出続けた。
肺を潰された。呼吸困難になり、地面に両手を着いて倒れる。
【こんな最期とは。呆気ないな。】
そう言って、サタンはこちらに殴りかかろうとしてきた。ここで死ぬ訳にはいかない。口から無理やり「ああぁあぁぁぁぁああぁ!!!」という叫び声を上げて、全身から『再生の炎』を吹き出させた。
全ての魔力を消費し、半径三百メートル全てを吹き飛ばすほどの勢いで炎を放つと、サタンももろに食らったらしく、視界から消える所まで吹き飛んでいった。
「はぁ……はぁ……」
体の傷は全て再生したものの、魔力が完全にゼロになった。
考えたことがなかった。魔力がゼロになったらどうなるのか。全身から力が抜け、その場で完全に倒れた。そして視界がだんだん暗くなっていった。
目が覚めると、そこは一面真っ白の世界だった。目が覚めたのか分からない。果たしてここは現実なのだろうか。
辺りを見渡しても一面白、白、白……そう思った途端、視界にはペイモンが映った。
「なんで……!?」
「ここは圭太さんの頭の中……というか、魔力によって作られた世界です。」
「俺の魔力の中に……ペイモンさんが……?」
「お恥ずかしい話、会ったばかりの時、いつでも内部から魔力を操作して殺せるように、食事に魔力を込めておいたんです。」
「ってことは……」
「まだ圭太さんの中には魔力が残っています。」
瞬間、圭太は目を開いた。視界には青い空、そしてサタンの驚いた顔が見えた。
魔力が無くなれば、普通は死ぬ。そのはずなのになぜ圭太は復活したのか。
圭太は思考するよりも早く、起き上がって魔法を放った。
「『召』!!!」
瞬間、雲の上からは数百の悪魔を引き連れたルシファーとペイモンが降りてきた。
「再戦の時だ!!!サタン!!!」
一応、『召』の魔法で呼び出せるのが殺した相手だけなのはペイモンだけで、圭太とか、他の人物がその魔法を使う時は特に制約みたいなものはありません。




