第一話 魔法
崩壊した異世界に転生した菊池圭太は、崩壊の要因となった人物ペイモンと同居することになった!?
ペイモンを殺したい圭太は異世界で奮闘する!!
ペイモンが家に来て数日、二人の仲は少し深まっていた。その上で圭太はあることに気がついていた。
そう、ペイモンは何をやらせても天才なのである!
料理を作れば三ツ星級、勉強をすれば数分で覚えてしまう。家の周辺の大量の瓦礫を撤去する際にも、おおよそをペイモンがやった。
(…この状況で攻撃しにくい!!)
ペイモンの所業は異世界から来たため、完全に理解しているつもりだが、ここまで色々やって貰っていると、攻撃しようにもしづらい。圭太は完全に悩んでいた。
(どうすれば…)
「少し家の中が汚れてしまっていますね。片付けましょうか?」
「え?あ、はい。ありがとうございます。」
「いえ、ご遠慮なく。…あ、朝作った目玉焼きがあります。机の上にあるので是非。」
「あ、何かすいません…」
気を抜いてご飯を食べている時にだけ高級レストランでくつろいでいる気分になった。
また、これは先日知った話だが、国家転覆が起こった時に【ドリアウイルス】という、不治の病が流行っていたらしい。その後数年の間にも、大震災や、宗教や領地などの奪い合いによる戦争、その事により、他国も戦争が絶えず、外に出るのも危険な日々だった。
そして、この異世界での情報の中で一番衝撃を受けたものがある。そう、それは『魔法』である。
杖を振れば炎や雷が飛び交い、手からは物理法則を無視した攻撃が出来るのだ!
男のロマンが詰まりすぎて、興奮していた。
ちなみに、このような事を聞いている間にペイモンには転生者だとバレた。ご飯を食べ終わり、片付けている際、圭太はあることを思った。
「そういえば…俺が魔法使うにはどうすればいいんですか?」
「魔法を使うには、まず魔力への慣れが必要です。魔法とは魔力を具現化したもの。身体中に流れる魔力を検知し、操作しなければ行けません。」
うん。わからん。
何となく言ってる意味は理解出来たが、どうすればいいのかが何も伝わって来なかった。ペイモンは説明を続けた。
「…この世界で言う『魔法』とは、『漢術』のことを指します。人それぞれに与えられた『漢字』。これが能力となって使用出来るのです。」
「例えば?」
「そうですね…かの有名な革命期の軍人、『ナポレタン』の漢術は『革』だったと言います。ピンチになればなるほど強くなる、『革命』のような能力だったとか。」
「えと…ペイモンさんは?」
情報は探れるだけ探った方がいいだろう。聞いた後に殺されるかもと思い後悔した。だが、以外と躊躇無く話してくれた。
「私の漢術は…『召』。使い魔を召喚することが出来ます。」
「へ〜、俺も使いたいです〜。」
「…!おっと、そういえば用事がありました。数日家を空けるかもしれません。」
「?いいですよ。お気をつけて。」
「ありがとうございます。」
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