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カレーとカバンと、時々運命

作者: 名前募集中

久しぶりの短編小説!

お楽しみください!

結構ある??

カレーあるある。

第一章: 不運のスタート

あの日、僕、佐藤健太は完全に運命に見放されていた。いや、運命どころか、宇宙規模で見放されていた気がする。何が起きたかって?簡単さ。朝から順調に全てが狂ったんだ。


まず、目が覚めたのは、目覚ましが鳴り止んだ瞬間。昨日の夜、疲れすぎて「今日は絶対8時間寝るぞ!」と決めたにもかかわらず、結果的に寝坊。普通に30分遅れだ。やっべ、今日の重要な会議、遅れたらクビ確定じゃん?


慌てて飛び起きた僕は、速攻で歯を磨き、シャワーを浴びようとした。でも、浴槽の中に浮かんでいたのは、先週から放置されていた洗濯物と、どう考えても入浴には向かないチョコレートの包み紙。


「うわ、これ絶対洗濯機壊れてるじゃん…」


文句を言いながらも、シャワーは浴びるしかない。さっと体を洗って、髪を乾かす暇もなく服を着ると、そこに待っていたのは母からの一通のメッセージだった。


『健太、カレー作ったからお昼に食べてね。』


カレー?いや、それよりも今は遅刻をどうにかしなきゃいけないんだよ。カレーなんか後回しでいいじゃないか、と思いつつ、無視して外に飛び出した。その瞬間、思わぬ試練が待っていた。


第二章: カバンとカレーの逆襲

駅までダッシュしたところで、ふと気づく。カバンがない。


「やべ、カバン忘れた…」


家に戻る時間なんてないし、どうしようもないので、財布とスマホをポケットに突っ込んで、急いで再び駅へ向かう。カバンなんてもういい。会議に間に合えば、それだけで万々歳だ。


そして、なんとか駅に到着。ギリギリ間に合うと思って走っていると、突然、目の前に現れたのは、幼馴染の吉田亮。


「お、お前、カバン忘れてるぞ。」


「いや、カバンはもういいから!」


亮は真顔で、カバンがないことに気づいた僕を見て笑う。


「お前、今日は完全に運命に見放されたな。」


僕は無言で彼を見つめた。運命って、何だよ。そんなもんに左右される人生って、いったいどうなんだ?


「どうせ今日、会議で何かやらかすんだろ?」

「うるさい!やらかすも何も、会議が終わる前に僕が死ぬだろ!」

「そのうち、カレーが死ぬんじゃね?」

「カレー!?なんでカレーが死ぬんだよ!」


亮が真顔で答える。


「だってさ、カレー作ったんだろ?もしお前が会議に遅刻して、カレー冷めちゃったら…カレーが死ぬじゃん。」


カレーが死ぬ。カレーが死ぬ…そんな理論が成り立つ世界があるのか?しかし、その瞬間、僕は完全に冷静を失った。


「カレーは死なせない!絶対に!」


亮が爆笑しながら「ほら、行けよ」と言って、僕は駅の改札を駆け抜けた。もう何がなんだか分からない。でも、ひとつだけ確かなのは、カレーを守るために、なんとしてでも会議に間に合わなければならない、ということだ。


第三章: 会議室のカレー

なんとか会議には間に合った。汗だくで席に着いた僕は、ふとカバンを忘れていることに気づく。いや、今はそれどころじゃない。会議の内容が全く頭に入ってこない。


「佐藤さん、次はあなたのプレゼンですね。」


上司が僕の名前を呼ぶ。プレゼン資料は、カバンの中だ。さっきカバンを忘れたことを思い出し、心の中で絶望した。


「え、あ…資料…」

「どうしたんですか?」

「資料、忘れました。」


「まあ、しょうがないですね。今からでも内容を口頭で話してもらえますか?」


いや、それができれば苦労しない。口頭で説明するのに、何の準備もできていない僕は、完全にパニック状態。


「えっと…このプロジェクトの進行状況は、まあ…順調で…」

「具体的には?」

「え、ええっと…」


その瞬間、会議室のドアが開いて、会議のスタッフが運んできたのは…なぜかカレーの入った大きな鍋だった。


「お昼の時間になりましたので、皆さんにカレーをお召し上がりいただきます。」


「カレー!?」


会議の途中でカレー!?完全に意味が分からない。誰だ、こんなタイミングでカレーを出す奴は。


しかし、何が不思議かというと、そのカレーを見た瞬間、僕の脳内でスイッチが入った。もう、仕事なんてどうでもいい。カレーだ。カレーだよ、これが僕の命の源だ。


「皆さん、カレーを食べましょう!」

「…佐藤さん、仕事は?」

「仕事よりカレー!カレーの命を守るんだ!」


その瞬間、僕は完全にカレーを守る戦士となった。


終章: カレーは守られた

結局、会議はカレーで盛り上がり、何とか無事に終了。僕はカバンを忘れたことも、プレゼン資料を忘れたことも、カレーのおかげで無事に乗り越えることができた。


「佐藤さん、今日の会議、ちょっと変だったけど、良い意味で印象に残ったよ。」


そう、上司が言ってくれた。僕は心の中で、カレー万歳!と思った。まあ、次回はちゃんとカバンも忘れないようにしよう。


そして、帰り道、また吉田亮と会った。


「どうだった?カレーは死ななかったか?」

「カレーは死ななかったよ。」


と、僕は自信満々に言った。だが、その帰り道、家に着くと、母からの新しいメッセージが届いていた。


『今日、カレー作りすぎたから、明日もカレーだよ!』


明日もカレー!?カレーの運命、永遠に続くのか!?


〜完〜

どうだった?

評判がよかったらまた短編書きます。

ばっばぁーい

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