シーナの手紙
ラガス様へ
降りしきる魔虫の声に暑さを感じる頃になりました。
ラガス様におかれましては、冒険者としてますますご盛栄のことと存じます。
ラガス様と別れた後ついてのご報告と、命を救っていただいたことへの感謝を込めて、今、手紙をしたためています。
賢者様のおかげで、私は救われました。
リル様とセラフィリア様が私を暗闇から引っ張り出してくれて、自分が生きる意味を見つけることができました。
ずっと自分自身の価値が分からない。
自分という存在に、自信が持てませんでした。
それでも、自分に何の価値もなくても、自分が生きたいように生きればいいのだと、あなたは私に教えてくれましたね。
それもこれも、ヴァイ・セヴァルトの洞窟にて、ラガス様が私を庇っていただいたおかげです。
あの時のラガス様の背中の大きさは、今でもこの目に焼きついております。
あの時のラガス様の言葉が、私が存在してもいいのだという救いになっています。
その後の怪我の具合はいかがでございますか。
一刻も早くご全快されますことを心よりお祈り申し上げます。
また、私が連れ去られた後、ミゲルという冒険者とその仲間達が、屋敷の近くまで賢者様達を送ってくれたと聞き及んでいます。
その方達にも感謝をお伝えください。
今後もお変わりなく、冒険者業を続けてくだされば、嬉しく思います。
さて、こちらの近況の報告ですが。
賢者様が、賢者様として台頭することを決め、アストラ家もそれに合わせて動き出し始めました。
それに伴い、アイス様の意向で、アストラ家とアイス様のかねての仲間、「ラウェルナ」が協力関係を結ぶことになりました。
そして、今まさに最初の集会、アストラ家と「ラウェルナ」の最初の顔合わせが始まろうとしているのですが。
とても居心地が悪く、すぐにでも逃げ出したいです。
読んでくださりありがとうございます。
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