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4話 ブラコン



レビュー・評価、よろしくお願いします。




「なあ、デートってどういう場所行くんだ?」


週の中頃、教室で爆弾発言をした悠馬。

それを聞いていた美桜と蓮は時間が止まったように静止していた。

何気ない一言だったが、日向の事は秘密にしている為、失言だった。


「「デート?」」


「おいおい。まさかだけど彼女ができたんじゃないだろうな。」


蓮は俺の前の椅子(自分のではない)に座っていたが、悠馬の爆弾発言により体を前に出してきた。


「まぁ、落ち着け!家で漫画を読んでたらデートってどこ行くんだろうな…て。」


無理矢理感が否めない。でもしょうがない。

2人は半信半疑だったが、納得してくれたのか考え始めてくれた。


「私はその人との関係値によるかな。初めてなら映画館とかいいんじゃない?無理に喋る必要もないし、映画終わりには感想を言って話盛り上がるし。」


「蓮は?」


「俺だったら、もう家呼んでヤるしかないね!」


美桜と俺は『こいつ最低だな』と同じ事を考えていた。蓮の意見は完全に無視で、美桜の意見を採用しようか。

3人で会話をしていたところ、学年で一番可愛いとされる加藤芽実が悠馬の方へ近づいて来た。


「佐藤君。少しいいかしら?」


加藤さんはロングヘアーでキリッとした美しい顔だ。成績優秀で周りにも厳しいが自分にも厳しい。

そんな彼女が何のようなんだろうか。

悠馬は加藤さんに着いて行くと、教室を出て今の時間誰もいない図書室へ入っていた。


まさか告白じゃないだろうな。日向の件でもうお腹いっぱいだぞ。


加藤さんはクルッと体を回転させ、コチラを見ると俺を指差す。


「佐藤君、ひーちゃんと仲良くするのはやめなさい!」


…!?

ひーちゃん?誰の事だ?『ひ』から始まる人物なんて日向しか…あ。

加藤芽実、加藤日向と言うことは兄弟ってことか!?


「ひーちゃんって、もしかして日向の事か?

てか加藤さんって、日向のお姉ちゃんか?」


「そうよ!ひーちゃんに悪い虫が付かないように見張ってたのに、先日ひーちゃんと一緒に帰っていたわね。」


ストーカーブラコン野郎じゃねーか!

日向にお姉ちゃんがいるとは聞いてたけど、同級生とは聞いてないぞ。


「見てたのか。」


「最近日向の様子がおかしかったのよ。スマホの画面を気にしてるようだったし、何か良い事があった様子の時もあったわ。見張ってて大正解!あなたと言う悪い虫が着いていたわ!」


捲し立てるように言ってくるブラコンもとい、加藤さん。あんな健気な日向にこんな姉が潜んでいたとは。


「待ってくれ!わけを話すから落ち着いてくれ。」


俺は加藤さんを宥めると、日向から告白してきた事から一緒に帰ったところまで全部言った。


「ある程度までは分かったわ。じゃあ日向には申し訳ないけど、その告白は断りなさい。」


この人、姉として最低なこと言ってるけど分かってるのかな??

そもそも日向はこういうのが嫌だから黙ってたんじゃないのか?


てか弟である日向が、男性に告白したことに関しては何も言わないんだな。そこら辺は良いお姉ちゃんなのかもしれないな。


 「その告白を断るか受けるかは俺が決めるよ。」


その一言を聞いて加藤さんは俺を睨む。

この人は弟思いなのかそうじゃないのか。


「ふん!いいわ。勝手にしなさい。でも貴方が告白を受けた瞬間、日向に有る事無い事吹き込むわ。」


やめなさいよ。そんな事。

これ弟思いじゃないな。


加藤さんは俺に言う事を言ったのか図書室を出て行った。

俺も図書室を出て教室に戻ると、美桜と蓮に心配された。


「芽実ちゃんに何言われたの?」


「うーん。挑戦状…的な?」


「なにそれ」と美桜が言い蓮と向き合う。今はそれしか説明できない。

そして俺は今週日向と遊ぶ予定がある事を思い出して、億劫になっていた。遊ぶのが嫌なんじゃない。加藤さんにバレるのがめんどくさいのだ。

それにお姉ちゃんに文句言われた事を、日向に言わない方が良いだろう。



学校が終わり、日向は自分の家に帰宅した。

日向の家は高級住宅街の中にある一軒家に住んでいる。お父さんは、とある大企業の重役でよく留守にしており、その代わりお母さんは専業主婦でいつも家にいてくれる。


「ただいま。」


「おかえり!日向」


お母さんの顔がすごく整っており、昔は女優をしていたと聞いており、その容姿を芽実と日向は継いでいるのだろう。


2階からドタドタと慌ただしく降りてくるのはお姉ちゃんだ。


「もう!芽実、静かに降りて来なさい。」


「はーい。それよりひーちゃん、今週の日曜日買い物に行きましょう?」


お姉ちゃんはボクのことをひーちゃんと呼ぶんだけど、僕はやめてと言っているけどやめてくれない。

そんな事より、日曜日…。せっかく悠馬先輩から誘ってもらったんだから、お姉ちゃんに邪魔されたくない!


「ごめんね、お姉ちゃん。に、日曜日は友達と遊ぶ約束があるの。」


お姉ちゃんは目を細めて、ボクに疑いの目をかける。ボクは『ウッ』と言って目を逸らしてしまった。その様子を見てお姉ちゃんは、ニコニコしながら近づいて来た。

お母さんはいつもの事だと思い台所に戻って行く。


「ひーちゃん…嘘はダメだよ?」


ちなみにボクは嘘はついてない。悠馬先輩とはまだ友達だから、嘘ついてない。


「嘘ついてないよ!もうボク部屋に戻るね!」


逃げるように自室に行くボクを横目にお姉ちゃんはニコニコ笑っている。


「お母さん、日曜日遊びに行ってくるね。」


「芽実、日向の事大好きだねぇ。ほどほどにね。」


日曜日は悠馬と日向、そしてブラコンストーカーの3人で遊ぶことになりそうなのであった。



姉弟愛すばらしいね

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