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2話 お誘い



レビュー・感想お願いします。

みんなは男の娘すきぃ?




告白を受けたその夜、俺はお風呂から上がり自分の部屋のベッドに寝転んで今日の事を思い出していた。


「ずっと前から好きでした!付き合ってください!」


「え…?えぇ…」


目の前の男の子?はモジモジとしながらも、手を突き出して『よろしくお願いします』と言わんばかりのポーズを取っていた。


「ちょっと待ってくれ!説明して欲しい事が山ほどあるんだが!」


「あ、そうですよね。自己紹介とかしてないですし。」


自己…!?それよりもまず性別だろ!


「ボクは一年生の加藤 日向…です。趣味はゲームで、好きなものは可愛いものです。」


「えっと、自己紹介よりも加藤くんは男…だよね?」


そう言うと、加藤くんは気恥ずかしそうにうなづいた。


確かに今の時代、同性愛とかトランスジェンダーとか色々あるらしいけど、まさか俺が男に告白されるなんて思っても見なかった。

でもこの子は勇気を振り絞って、手紙を出してここまで来てくれたんだよな。


「お友達からって事で…ダメかな?」


それまで心配そうな顔をしていた加藤くんは、その言葉を聞いて笑顔になった。


「もちろんです!お願いします!ボクのことは日向って呼んでください!」


「えっと、じゃあ日向、俺の事は悠馬でいいぞ。」


「分かりました。悠馬先輩!」


こうして波乱の告白イベントは幕を閉じたのだ。

その後連絡先を交換したが、これは俺から送った方がいいのか?


スマホと睨めっこしながら、ベッドの上で頭を抱える。数分した頃にピロンとメールが来た音が聞こえる。


蓮『告白の件、どうだったんだ!』


お前からからよ!!


そう思った矢先、これは言って良いのか?と思った。

やっぱり「男から告白された」なんて周りに言いふらすと、日向に迷惑が掛かる可能性がある。


「ここは誤魔化しておくか」


『相手は来なかった』とだけ送ってスマホを投げる。自室から出ると、妹の麻里と鉢合わせる。


「げっ!麻里…」


「「げっ!」って何よ!」


俺の言葉に腹を立てた麻里は、俺のケツに蹴りを入れると足音を立てて一階に降りていった。


麻里は中学2年生で思春期真っ盛りだ。下手に近づくと暴力を振るわれるので出来るだけ近づかないようにしているが、麻里はいつも蹴りに近付いてくる。


「全く。可愛い妹が欲しいよ。」


本来の用事であったトイレを済ませると、自室に戻りスマホを見る。すると新着メッセージがあった。


日向『明日一緒に帰りませんか?』


「えぇ!!!」


「うるさい!!」


思わず大きな声が出てしまった。ちょうど二階へ上がってきた麻里に扉を蹴られながら怒られた。妹の蹴り癖はどうにかしないとやばいな。

そんなことより…だ。日向から来たメッセージ。これは断る理由がないな。こちらからも歩み寄らないと意味ないしな。


『いいね。明日の放課後、校門で待ってる。』


これで送信と。

時計の針は23時を刺していた。俺は電気を消して、眠りについた。

この先、悠馬の人生は波乱の幕開けとなる事をまだ知らなかった。



次の日の朝、俺は教室に入ると蓮と美桜が何かを話し合っていた。


「どうかしたのか?」


「どうかしたのかって、悠馬…大丈夫だったのかよ。昨日の噓告は。」


「そうよ!どうして私に相談しなかったのよ。噓告した相手探し出してやる!」


蓮と美桜の心配する声で俺は昨日の件は噓告だった程にしたことに気がつく。

心配してくれるのは嬉しいのだが、嘘をついている事に心が痛くなる。


「いやいや、俺は気にしてないから!」


そう言って2人を鎮める。


「でも、もし本当に女の子が来てたらどうしてたのよ。」


美桜がどこか不機嫌そうな顔で尋ねてくる。

このどうしてたのよってのは、付き合ってたのか振っていたのかって事なんだろうな。


「うーん。人によるかな。」


「人によったら付き合うのかよ!」


蓮がツッコミを入れる。

そこでちょうどチャイムが鳴って、蓮は席に戻っていった。


「今度からは隠し事、無しだからね。」


昨日の「本当に?何かあったらさ…私に言ってよ?」と言うことに関して、隠していたのを根に持っていたんだろう。

まだ嘘を隠しているが、ここは申し訳ないが誤魔化しておく。


「はい。美桜には隠し事なしでいきます。」


その後の授業も問題なく終わり、放課後がやってくる。帰る準備をしてた頃に蓮がやってくる。


「めんどくさい授業も終わったし、今日カラオケ行かね?」


「お!はいはい!私も行く!」


蓮からの提案を美桜は了承するが、俺は日向との約束があるので、カバンを持って立ち上がる。


「ごめん!俺今日用事あるから、また今度な!」


急いで階段を降りで、靴を交換し校門へ向かう。日向はすでに待っており、少し遠くの俺に気付いたのか小さく手を振っている。

周囲はチラチラと俺の方を見て気恥ずかしくなり、少し駆け足で日向のところまで行く。


「お疲れ様です、悠馬先輩。じゃあ、帰りましょうか。」


日向も気恥ずかしいのか、この場を立ち去るように2人は校門を後にした。




ワイも可愛い子と一緒に帰りたかったお




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