episode27〜寸劇〜
初連載の二部幕、開始しました!
お初にお目にかかってくださる方も、心の奥底で待っていてくれた方も、緩く読んで頂けると嬉しいです。
初めての方は、一部から読んで頂けると、話が繋がり読みやすいかと思います。
一部とは少し異なり、冒険感のある二部となっております。
毎日の更新を心掛けております。
シレーヌの入江が、このような洞窟にある理由を知ったウィル。
ノゥリアとオロンの再会も束の間、ウィルは他種族達を探している経緯を全て話した。
その折に、シレーヌ族にもアルデリアへと、足を運んで欲しいということを頼んだ。
しかし、それは今は叶わなかった。
「すまない。手を貸したいのは山々なんだが、まずはここの者達を海へと解放したい。現在は通常へと戻っているとノゥリアから聞いた。だから… 」
「あぁ、もちろんだ。事が済んでからでいい。海と陸では生き方が違う。色々と準備も必要だろう。それに来れる者達だけでも大丈夫だ。他の種族達と話し合いがしたいと思っている」
「わかった。できるだけ… いや、必ず赴こう! 約束だ」
二人は再び会うことを誓い合った。
最初に出会った半魚人のような姿のシレーヌ族に、オロンが話し掛ける。
その者の名はテティスと言い、王族に仕える従者だという。
シレーヌ語なので、ノゥリアがその様子を通訳してくれた。
そして、彼女がここで謎の演技力を開花し始めた。
『テティス、そういえばルテュは? 先程から姿が見えないのだが… はっ、まさかついに!?』
(ノゥリア… 何だか通訳に拍車がかかってないか?)
(表情までつけて… 無駄に上達している… )
ウィルとカブラは、その演技力に称賛の意を込めながら、見入っていた。
まるで、寸劇を見るかのように。
『あ… あっ! そ、それがルテュ様が急に飛び出して、でもあの足じゃ… 』
『ルテュ… まだ辿りついていない可能性があるな… 』
「ん? ルテュ様って誰かしら? 足を患ってるのかしら?」
((あ、一瞬ノゥリアが出てきた… ))
観客その一とその二は、温かい目で見守っていた。
ノゥリアは続ける。
『心配ですね! すぐに探しに行って参ります!』
『待てっ… もし見つけたらその時は… 』
と言いながら、オロン役のノゥリアはコクっと頷いた。
『え… いやでもオロン様… それは御法度では… 』
『客がいる… 待たせてはいけない… 俺が、ゆ、許そう』
『… 御意』
そうしてノゥリア劇場が幕を閉じ、ウィル達は心からの拍手を送った。
先程の蔓薔薇への道へと駆け出す、テティスを見ながらウィルは聞いた。
「オロン、ルテュというものは?」
「あぁ、説明が遅れてすまない。ルテュは、従者の一人で祖父の時代から仕えている者だ。… 少し手荒だが、テティスにすぐに連れてくるようにと命じた」
「大丈夫なのか? その… 」
「あぁ、機嫌を損ねるとは思うがな… 致し方ない… ルテュは、何十年前かに愛する人がいなくなってから、よく殻に籠るようになって… 」
(ん? 何十年か前? 話を聞く限り、相当の歳を召しているはずだが… )
何歳になっても恋はするものだ。
年齢は不問である。
そうしているうちに、オロンの言った通り、従者テティスがルテュらしき者を連れて… いや、抱えてきた。
しかし顔が見えない。
手も足もだ。
それは楕円状の球体のような姿をしていた。
近づいて言うオロン… の演技をしたノゥリア。
『ルテュすまない、機嫌を損ねないでほしい』
『…… 』
『ルテュ?』
『… ご無事で何よりですオロン様… でもこの屈辱は一生忘れません』
『あぁ、心配させて悪かったな… ノゥリアが… サーハが助けてくれたのだ』
すると、その球体から、突然頭と手足が伸びた。
(((亀か!!)))
「サーハ様!!」
「えっ!? 喋った! 亀さんが喋っ… 」
それはそれは、ゆっくりと進むルテュ。
「ご無事で… いらしたのですね… このルテュ… どれほど首を長くして… 待ち望んでおりましたことか… あぁ、お顔をお見せ下さい」
(亀… 殻に籠ると言うことはこう言うことか… いや、甲羅か… しかし… だから、歩みが遅かったのか… 足を患ってたわけでなくて良かったが… )
ノゥリアはそっと、その御老体に触れる。
(か、可愛い… 亀さん)
「初めまして、ルテュ様。ふふ、でも何だかホッとします」
「そ、そんな! ルテュとお呼び下さいませ!」
そう言われ、ノゥリアはルテュの身体をそっと撫でた。
それを見ていたウィルは、微笑むと口を開いた。
「オロン、従者はこれで全てなのか? 他のシレーヌの者は?」
「シレーヌ族は、私とノゥリア、テティスとルテュ… あともう一人いる。他の者はシレーヌではないが、海で暮らす民達が数百程いる」
(ん? ルテュは姿がほぼ亀だが… シレーヌなのか?)
「その者達は今どこに?」
「塞がれた入り江の方だ。紹介したい。案内する」
そう言われ、ウィル達はその場所へと向かった。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
またまた突っ走って書きたいように書いてしまっているので、文章が乱れていることもあるかと思います。
何かお気づきの点があれば、いつでもメッセージお待ちしております。
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