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episode25〜蔓薔薇〜

初連載の二部幕、開始しました!

お初にお目にかかってくださる方も、心の奥底で待っていてくれた方も、緩く読んで頂けると嬉しいです。


初めての方は、一部から読んで頂けると、話が繋がり読みやすいかと思います。

一部とは少し異なり、冒険感のある二部となっております。

毎日の更新を心掛けております。


少し進むと、そこには木の根のような物が、空間一面に張り巡らされていた。


「どうしてこんなものが… 」


ウィルは驚き、口を開く。


それは、洞窟には到底あるようなものではなかった。

しかし今、彼らの目の前にはそれが壁一面に現実としてある。


シレーヌ族と思われるその者の身体を、捉えるように絡まっていたのだ。


「まるで、磔にされているよう… 」


ノゥリアが震える声で、呟いた。


「これは… 薔薇の茎に近いですね… 蔓薔薇でしょうか?」


カブラが冷静に観察して言う。


「酷い… 今、助けますから!」


ノゥリアはその光景に、居ても立っても居られなかった。


磔にされた男の身体からは、締め付けられたその蔓の棘によって、血が滴り落ちていた。


どのくらいの間、その状態であったのだろうか?

男の足元には、出血による血溜まりが出来ていた。


ノゥリアが身を乗り出そうとしたその時だ。


それを止めたのは、この場所へと連れてきたシレーヌ族の者だった。


ノゥリアの腕を掴み、何かを訴えている。


「え? … じゃあどうしたら… 」


「どうした?」


ウィルがノゥリアに聞く。


「この蔓は、少し特殊で、剣などで切ると、激しく攻撃してくるようです。更には、絡められているこの方を締めつける力も強まるとか… 」


「下手に手出しができないと言うことか… 」


(しかし、何か手段はあるはず… )


ウィルはその短い時間で考えた。


(… ん? ’あなた様なら’ ? ノゥリアなら?)


ウィルは先程のシレーヌ族の言葉を思い出した。


「ノゥリアならできる事… 何だ? 考えろ… 」


「… ? ウィル様? どうされました?」


「……… 」


一瞬ウィルは独り言として、言葉に出てしまったが、すぐに頭の中へと考えを戻した。


しかし、その言葉をノゥリアもしっかりと耳に入れていた。


(私にしかできないこと… ? 確かにさっきそう言われた… 私にしか… あっ!)


「ウィル様! 私に一任の許可を下さいませんか!?」


「何か策があるのか?」


「これが効くのかはわかりませんが… うぅ… 自信はありません! でも、やらせて下さい!」


その真っ直ぐな言葉と瞳に、ウィルは深く頷き承諾した。


すると、ノゥリアはカブラの方を向いて言った。


「灯りを消して下さい」


その言葉通り、カブラはその手に持つ灯りを消した。


そして、ノゥリアは目を閉じて考えた。


(私の強み… それは暗闇の中! そして、弓の正確さには自信がある! あとは… 蔓薔薇の特性を活かして… えぇと、確かあれを持ってきたはず… )


そして、ノゥリアは矢の先にある物をくくりつけ、蔓の根元の方へと放った。


暗闇の中でもわかるその音は、まるで動物が動くかの如く、蠢いていた。


しかし、一時が過ぎ、音が止まった。


それを確認したノゥリアは、再びカブラの方へと声をかけた。


「灯りをつけて頂いて構いません」


カブラがランタンの灯りをつける。


すると、そこには目にも鮮やかな光景が浮かんでいた。


先程まで蔓だけのはずだったその薔薇は、一面に花を咲かせていたのだ。


(美しい… しかし… )


「これは… 一体何をしたんだ?」


ウィルは息をのみ、そしてノゥリアに聞いた。


「説明は後です! 今のうちに、彼を助け出しましょう」


ノゥリアのその足は、既に磔にされていた男の元へと進んでいた。


恐る恐るその棘のある蔓に小刀を刺す。


しかし、何も起こらない。

その蔓はぴくりともしないのだ。


それを見たカブラは急いで、ノゥリアの元へと駆け寄り、手を貸した。


すぐに彼を抱え、その場から離れる一行。


安全な場所へと運び出すと、傷だらけの男を寝かせた。


「酷い傷… 」


ノゥリアが心配そうに、その男を覗き込む。


「すぐに手当てを… 」 


カブラが持っていた道具で応急処置をする。


「脈が弱い… かなり血を流しておりますので… 間に合うかどうか… 」


カブラは、嫌な汗を流し始めた。


心配をしながらも、その間にウィルはノゥリアに説明を促した。


「説明が遅くなり申し訳ございません。先程の蔓薔薇は、攻撃性が強く、無闇に切りかかったところで、逆効果だとその者に教えてもらいました」


そう言いながら、シレーヌ族の方を見た。


「そして、私はウィル様の言葉を拾い、考えました。私にしかできないこと、強み… それは暗闇と弓です。更には、蔓薔薇の特性は何かと考えました。それは開花によって、蔓の動きを制御する事でした」


「それで、故意に開花させたって言うのか? あの短時間で?」


「はい… おじいちゃ… あ、祖父のタラゼドは、色々と趣味が多くて… 弓に使える色々な物を、今回も持たされていました。その中に、肥料があった事を思い出したんです。しかもこれは、祖父特製の配合した即効性を備えた肥料です。これを蔓薔薇の根元に放ったことで、花の開花を促しました。蔓薔薇は開花していない時だけ、その蔓を動かします。つまり、逆に開花している時は動かない。そこを狙いました」


「なるほど… それでか。見事な策略だった。更には美しい物を見させてもらった。礼を言う」


「ありがたきお言葉… 」


ノゥリアは少し照れたように、頭を下げた。


「それにしても… この方… 大丈夫なのでしょうか… 」

「心配ない… カブラが診ているからな。きっとすぐに良くなる… 」


カブラはまだ、治療を施していた。


そして、ウィルの言うように、その者の回復は早かった。

そう想像以上に。




最後まで読んで頂きありがとうございます。

またまた突っ走って書きたいように書いてしまっているので、文章が乱れていることもあるかと思います。

何かお気づきの点があれば、いつでもメッセージお待ちしております。


また、心ばかりの評価などして頂けると、励みになります。何卒よろしくお願いします。

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