episode24〜入江の洞窟〜
初連載の二部幕、開始しました!
お初にお目にかかってくださる方も、心の奥底で待っていてくれた方も、緩く読んで頂けると嬉しいです。
初めての方は、一部から読んで頂けると、話が繋がり読みやすいかと思います。
一部とは少し異なり、冒険感のある二部となっております。
毎日の更新を心掛けております。
一方、シレーヌ族がいるという洞窟へと来ていたウィル達。
(ん? それにしても… なぜ海にいるはずの人魚が洞窟なんだ?)
時は遡る事、一ヶ月半程前。
カヌア達と別れてから、数日が経っていた。
ここは、東西に連なるケーフ山脈の北東に位置する。
そこには、大きく広がった洞窟のような入り口が広がっていた。
天井から滴り落ちる雫を感じながら、ウィル達はその洞窟内を進んでいた。
中は暗闇と微かな水の音のみで、方向がわかりにくい。
しかし、ここには暗闇に特化した強い味方がいた。
ノゥリアである。
人魚であるシレーヌ族の末裔と言われている、彼女の仲間を探して、今ここを訪れているのだ。
すると、突然の殺気を感じたウィル達。
全員がその場から身を飛ばした。
何者かが刃物の様な物で、切り掛かってきたのだ。
ノゥリアがすかさず、持っていた弓で仕留める。
その者は、痛みを堪えてるかのような呻き声を上げた。
咄嗟にカブラがその身を拘束した。
「何奴!? 我々は怪しい者ではない。その剣を納めろ!」
しかし甲高い声を上げたまま、身体を捩らせ、もがくだけだった。
「あなたは… ?」
ノゥリアが近づき、話しかける。
彼女にははっきりと見えていたのだ。
その見たこともないような、不思議な容姿が。
持っていた灯りを、その者に照らすウィル。
その者の耳は、上方に角張っていた。
手には水掻きのようなものがついており、目が大きく艶を帯びていた。
「ウィル様… この者は… シレーヌ族? … ですか?」
カブラが、そう疑問に思うのも無理はない。
とても人魚のようには見えなかった。
「人魚というより半魚人に近いな… ? いや、これがシレーヌ族の姿の可能性もある」
そして、その者はノゥリアの姿を見た瞬間、声を更に高くして早口で何かを言い始めた。
この世の言葉ではないのか、この種族の言葉なのか、何を言っているのか、ウィル達にはわからなかった。
しかし、ノゥリアだけはその言葉を理解しているようだった。
「ウィルテンダー様、私、この方の言葉わかるようです」
(やはり… 誠だった。ノゥリアは、この種族の… )
「通訳を頼めるか?」
ウィルの言葉にノゥリアは頷き、口を開いた。
『永年… お待ちしておりました… サーハ様。お守りできなくて申し訳ございませんでした… ここに、再開したこと、大変嬉しく思います… その者達は、あなた様にとって脅威が無いと捉えてよろしいのでしょうか?』
ノゥリアは何て言葉を発していいのか分からずに、その者に対し、何度も頷いた。
「サーハ? ノゥリアの本当の名か?」
ウィルがノゥリアに聞く。
しかし、ノゥリアは困ったように、口を開いた。
「ウィル様… 申し訳ございませんが、私にはこの方に尋ねる術がありません。聞き取ることはできる様ですが… そして、‘サーハ‘ という呼び名にも、聞き覚えがございません… お役に立てず… 一体どうしたら」
ノゥリアもこれ以上、どうしたらいいのか困っていた。
「そう… か。仕方ない。むしろ、ノゥリアがこの者の言葉を、聞き分けられるだけでも凄いことだ」
「いえ、滅相もございません… 」
「我々が敵では無いことは、わかってくれた様だな? カブラ、拘束を解いてやれ」
「御意」
身体の自由を取り戻したその者は、更に高い声を発し、何かを訴えるように先の方を指さした。
「何か慌ててるようです… えぇと、」
『サーハ様! どうか、オロン様をお助け下さい! あなた様ならきっと… ! オロン様はあと少しで… 』
「えっ!?」
「どうした!? オロンいう者は一体… 」
「ウィル様! この方の言葉は、水の中だとユマン族にもわかる様です! しかし、時間が惜しいようで… あっ!」
話の途中で切羽詰まっているのか、シレーヌ族の者が突如走り始めた。
「とりあえず追いましょう! こっちです!」
そう言い、ノゥリアはそのシレーヌ族の者の後を追うように、ウィル達を誘導した。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
またまた突っ走って書きたいように書いてしまっているので、文章が乱れていることもあるかと思います。
何かお気づきの点があれば、いつでもメッセージお待ちしております。
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