episode19〜突然のプレゼント〜
初連載の二部幕、開始しました!
お初にお目にかかってくださる方も、心の奥底で待っていてくれた方も、緩く読んで頂けると嬉しいです。
初めての方は、一部から読んで頂けると、話が繋がり読みやすいかと思います。
一部とは少し異なり、冒険感のある二部となっております。
毎日の更新を心掛けております。
こうして、カヌアとヴァスカの二人はゾルに連れられ、ルー族を待つ者の元へと足を進めた。
その道中、ふとヴァスカのお尻を見るカヌア。
ヴァスカは、微かにその視線に気が付いていた。
(なんか、嫌な視線だな… )
「まさか… 光ったりし… 」
「しませんっ! カヌア様は、私をアンセクト族とお疑いで?」
「え? 違うんか? ウィルともそう話してたんだけど… 」
(ウィル様もか… )
「あーでも自分だと見えないのかもっ! ちょっとお尻を見せっ… 」
そう言いながら、カヌアはヴァスカの臀部に触れようとした。
いや、ちょっと触れた。
「ちょっ! 何するんすかっ! やめいっ!」
ヴァスカは、手刀をくらわした。
「なーんだ、違うのか!」
「いや、まず姿形が違うでしょうに… 」
「あーそうだったそうだった! へへっ」
(何なんだ? 揶揄われただけなのか?)
そんな二人を尻目に、ゾルは思った。
(こいつら、緊張感ってもんがないのか? これから奴の所へと行くというのに… )
しかし今度は、ゾルが緊張感を奪われる事となる。
「ねぇ、ゾル? あなたは飛ぶより歩く方が得意なの?」
「あ? … あぁ、まぁな。というか… 」
「そうなんだっ! だってさっきのあの身のこなし、本当に凄かった! カッコいいね!」
「え? あ、そ、そうか? ま、まぁな! あのくらい大した事ない。もっと凄いことだってできるぞ?」
「え? 本当? 見せて見せて!」
すると、少し得意気にその身を軽々とバク転宙返りと、次々に技を見せた。
そのままどこかへ行く。
(あれ? 見えなくなっちゃった… )
するとカヌアの左の耳元から声がした。
「おい、どこを見てる? ここだ」
「っ!? いつの間にっ!」
ゾルはカヌアの肩から、クルッとその身を捩らせ、地に着いた。
「まぁ軽くこんなもんだな」
「凄い凄いー可愛い可愛いー!」
「かっ… チッ、またそれか… 先を急ぐぞ!」
「はぁーい」
カヌアはニコニコとしながら、ゾルの後をついて行った。
そして、その道の途中、カヌアはヴァスカに近づき、こそりと聞いた。
「ねぇ、ヴァスカ… この谷に来てからずっと、気になってたことがあるんだけど… 」
「はい、何でしょう?」
「アンセクト族のコクシネル達には、フラフィーがいないの? 全然視えないんだけど… でも他種族であるロキのフラフィーは視えるし… 」
「カヌア様、先ほども申しましたが、様々な種族がいる分、その形態も考えも違います。ということは、性質も違うということです。フラフィーが視えない種族もいるでしょう。それが今回コクシネルに当てはまった。ただそれだけかと」
「なる… ほど? わかっ… た? ような、わからないような?」
カヌアは首を傾げた。
「それに、あの数のコクシネルに、それぞれのフラフィーが視えていたら、場が混乱… いや、カヌア様の頭の中が、大混乱になるのは目に見えてます。良かったですね」
「あ、うん、そうね、良かっ… え? 今、馬鹿にした? 馬鹿にしたっしょ!?」
ヴァスカはスンとした表情で、歩くスピードをやや速めた。
「ねぇってば! 馬鹿にしたわよね? こめかみかしなさい! こら! 無視するな!」
(うるさいな… 全く… )
騒がしい同行者達に慣れないゾルは、対応に困りながらも何故か嬉しく思っていた。
道中、ヴァスカはカヌアのある変化にふと気が付いた。
「あれ? カヌア様? その耳飾り、どうされたのですか? そのような物、付けておりましたっけ?」
「え?」
カヌアはその言葉に身に覚えがなく、両耳を触った。
(あれ? 左耳に何かある… )
それを、外して手に取って見るカヌア。
「綺麗… 」
それは暗くとも分かるほど、美しく輝く透明な耳飾りだった。
「中に何か散りばめられてる… 金粉? でもこんなのいつ… あ… もしかしてあの時か?」
そう、それは先程、ゾルがアクロバットを見せた時出会った。
その際にカヌアの肩に乗ったゾルが、さりげなくその耳飾りをつけていたのだ。
カヌアがゾルに駆け寄り、話しかける。
「ゾル!? これ… 」
「へへっ! 良いだろ?」
「え? うん、とても! でも何で?」
「…… 礼だ」
「ん? 何のお礼?」
「うるせぇ! い、良いから付けてろ!」
(キャー! 何!? 可愛い! めっちゃ照れてる〜可愛い!! ツンデレ可愛い!)
突然のプレゼントほど嬉しいものはない。
カヌアはそのイケメン過ぎるゾルの行動に、心の中で発狂していた。
そして力一杯抱き締めるカヌア。
「… っ! か! 離せ! それはな、蓄光石と言って、光を集めて溜め、そして暗い所で光るんだ」
「知ってる! 蓄光石!」
「へへ、そうか、しかもだな、それはただの蓄光石じゃ無い! 先端の部分を押すと、突風が出る。更にだななんと、位置がわかるようにもなる」
「え? 位置が?」
(GPS的なもんかな? てか、突風って… いつ使うんだろ? 何でこんなメカ的な機能が、たくさんついてるんだろ?)
カヌアは疑問に思ったが、これ以上考えたくないので、その情報を頭の隅に置いた。
そして何も考えずに、有り難く頂戴することにした。
しかし、その情報はちゃんと頭の切れる従者がインプットしているので、心配ご無用である。
「そうだ。あとは… そうだな、あとは使ってからのお楽しみだ。大事にしろよ!」
「うん! 大切にするね! ありがとう!」
カヌアは嬉しそうに、それを左の耳に付け直した。
「ねぇ、もしかして、アルデリアの地下道に張り巡らされている蓄光石と、何か関係がある?」
「あぁ、あれか? これとは違うが、あれはかつてのアンセクト族が、ある方に頼まれて造った物だと聞いたことがあるな」
「ある方?」
「えぇっと、何てったっけか? あのプル、プリュ、ヌレ? 何ちゃらって言う… 」
「もしかしてプレヌリュヌ女王?」
「あぁ! それだそれ! そのお方の頼みによって、造ったと聞いた」
(プレヌリュヌ女王が… ? でも確かに… あの長い地下道のあの量… アクセント族の身軽さなら、可能ね)
そうこう話しているうちに、先程よりも大きく開けた場所に出た。
上空も広いのか、外の光が入り込み、少しだけ明るい。
「ほら、着いたぞ… あそこにいるのが… ん?」
(あれ? 一人しかいない)
「ルー族を待つ者… そして、ロキ達を攫った、狼の面の男!」
カヌアは強い殺気を放った。
そこにいたのは狼を模した面をつけた男。
男は大きな岩に座って、静かにこちらを向いていた。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
またまた突っ走って書きたいように書いてしまっているので、文章が乱れていることもあるかと思います。
何かお気づきの点があれば、いつでもメッセージお待ちしております。
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