表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/47

episode16〜光るモノの正体〜

初連載の二部幕、開始しました!

お初にお目にかかってくださる方も、心の奥底で待っていてくれた方も、緩く読んで頂けると嬉しいです。


初めての方は、一部から読んで頂けると、話が繋がり読みやすいかと思います。

一部とは少し異なり、冒険感のある二部となっております。

毎日の更新を心掛けております。

カヌアの奇行によって、滝の流れが止まり、そこから現れた先の見えない谷。


二人は今、その入り口に立っていた。


「あぁ… 近くに来るとバカでかいわね… これ、こんな暗くてちゃんと進めるの? 大丈夫? 怖… くは無いけど… スン… 」


(ん?)


「やっぱり灯りがないと… ね、ほら、ね、スンスン」


(また髪の匂い嗅いでる)


「あ、そういえばカヌア様、先ほど、水中で気になる物を発見しました。これです… 」


そう言い、ヴァスカはカヌアにソレを見せた。


しかし、カヌアはソレを観た瞬間、身体中の細胞までもが絶叫していた。


飛び出たかもしれない眼球を引っ込めて言う。


「ギャアッ!! 何これ? 何!? 何何!?」


「…… えと、何かの身代わりの類? とか… ?」


「いやいやいや! これ! 人形でしょ!? どう見ても! 何でこんなドロドロなの? ずっと水の中にあったの? それにしても… 」


「そうですね、少し藻が付着してますね。一応拭き取ったのですが… 」


ヴァスカは優しい手つきで、その人形らしき物を撫でた。


「え? これ、どうするの?」


「えと… 一緒に連れ… 」


「元の場所に返して来なさい」


カヌアは子犬を拾った子供に、諭すように言う。


「あ、いや、でもあんな所にあるのは不自然です。何かの手掛かりかと… それに… 」


「… はぁ、確かにまた薄暗い水の底に戻すのは… 可哀想ね」


「え? あ、はい!」


「ヴァスカが… 面倒見なさいね、ちゃんと」


カヌアの謎の親心が垣間見えた。


ヴァスカは嬉しそうに頷くと、その人形らしき物をじっと見つめた。


(可愛い… )


ヴァスカの可愛いの概念は少し… いや、だいぶ他の者より広かった。


(ふふ、意外だな、ヴァスカ)


そしてカヌアは気を取り直して、再度先の見えない谷の方へと向いて言った。


「じゃぁ! 入るわよ! 入るっ… わよ?」


「えぇ、参りましょう! あ、不安でしたら手でも繋いで差し上げましょうか?」


「いっいらない!」


「そうですか?」


ヴァスカのその揶揄うような発言を、突っぱねたカヌア。


二人は意を決して、その谷へと足を踏み入れた。


ヴァスカのランタンの灯りを頼りに、暗い谷を進む。


後ろを振り返ると、入り口の細い光は、既に針のように小さくなっていた。


どのくらい進んだであろうか。


何の手掛かりも、距離感もわからない。

真っ暗な闇を進むその足は、進んでいるのかも、わからない感覚に陥っていた。


(あれ? この感じ… 何だか… あの時の… )


カヌアは、少しふらついた。


そう、あの時の現実のような夢を見た時だ。

王宮地下からの帰り道に見たあの光景。

気配のない王宮。

クロノスの塔で、蛇から地下への鍵の一部を受け取った後、辺りが一気に暗闇へと化した時だ。


その時の光景を今、急に思い出したのだ。


「カヌア様!? 体調がよろしくないのですか!?」


咄嗟に、カヌアの肩を支えたヴァスカ。


「あ… ううん、大丈夫、ちょっと思い出した事があって… 大丈夫! 大丈夫よ! この場にいる方が不安だわ、進みましょう!」


「そうですか… しかし何かあれば、すぐに仰って下さい」


しかし、それから幾許か進むと、少し開けた場所に出た。


(あれ? 何だろ? 風の流れが変わった? 少し広い… ような)


すると、足を止めたヴァスカは、少し驚いたような声色で呟いた。


「カヌア様… これは… 上… いや… 一面が… 」


カヌアはその声の言うように、ヴァスカの前方、上を見た。


「… っ! すごい… 何これ… まるで… 」


そう、そこには四方八方と、空間一面に無数の光の粒が散りばめられていた。


(星空の中にいるみたい… あぁ、なんて素敵なの… )


カヌアが思わず、ヴァスカより前に出る。


それはまるで、星空の中を歩いているかのようだった。


しかし、その歩こうとしているその部分の光達が、道を作るかのように捌けた。


「え? 動いた? これって、王宮地下道の時に見たやつと同じじゃない?」


声を顰めてカヌアは言う。


「そうですね… まさかここに ’居た’ なんて」


「え? 居た? ヴァスカ、これが何か知ってるの? … これは蓄光石に似てるけど、生き物? 蛍… とか?」


(でも、何故こんな所に蛍? それも無数の… )


「ホタル? いや、この者たちはおそらく… アンセクト族かと」


「えぇっ!? … あ… 」


カヌアが驚いたあまり、大きな声を上げてしまった。


そのせいで、周りの光達は一斉に蠢き始める。


(昆虫族? まさかここで会えるなんて!)


カヌアはゆっくりと近づきながら、腰を低くした。


「ご、ごめん… 驚かしちゃったよね… えと… 」


(何て声をかけたらいいの? 私達の言葉通じるのかしら?)


すると、カヌアの耳元から小さな声が聞こえた。


「そう、僕達はコクシネル、ようこそルーの幽谷へ、ラジェット」


「え… 」


カヌアはその声がする、自身の左肩を見た。


すると、そこには背中と臀部が光るてんとう虫がいた。


(かっ! 可愛い!!)


「あ、えと、こんにちは! 驚かせてごめんなさい! 私達、今… ん? えっ!? 今! ラジェットって言った!? えっ!?」


「うん! だってそうでしょ? そして、そこに居るのがスラーだね? ふふ、二人が揃うなんて珍しいね。また姿を変えて… でも僕達にはわかる… あれ? ハルス様のお姿が見えないけど?」


(ぇぇええ!? え? どゆこと!? 何で知ってるの!?)


カヌアの頭が混乱の渦に陥っていると、ヴァスカが口を開いた。


「カヌア様… 彼らユマン族以外の種族は、かなり敏感です。それに歴史も深い。私達のことなど承知の上かと… 」


「そうなの? お見通しなの?」


ヴァスカは軽く頷くと、そのてんとう虫の方へと話しかける。


「… アンセクト族の、コクシネルに属する者達とお見受けする」


「うん、そうだよ。名前はライ。君達の今の名は?」


「こちらがカヌアーリ様で、私がヴァスカだ」


(ヴァスカ? あれ? 以前もそのような名前だったような… )


そう思いながらも、ライは二人を見る。


「カヌアでいいわよ? ライ… 素敵な輝きね。色々聞きたいことがあるんだけど… 」


ライはニコッと笑うと、その身体を光らせ合図を送った。



最後まで読んで頂きありがとうございます。

またまた突っ走って書きたいように書いてしまっているので、文章が乱れていることもあるかと思います。

何かお気づきの点があれば、いつでもメッセージお待ちしております。


また、心ばかりの評価などして頂けると、励みになります。何卒よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ