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episode15〜発見!発見!〜

初連載の二部幕、開始しました!

お初にお目にかかってくださる方も、心の奥底で待っていてくれた方も、緩く読んで頂けると嬉しいです。


初めての方は、一部から読んで頂けると、話が繋がり読みやすいかと思います。

一部とは少し異なり、冒険感のある二部となっております。

毎日の更新を心掛けております。



それから、カヌアとヴァスカは何日か山の中を進んだ。


すると、大きく開けた場所に出た。


「崖… ?」


二人はその下を覗き込んだ。


「ものすごい深くね? これじゃ真っ暗で何も見えないわね… ん? これ本当に崖… ? じゃない! これは… 谷だっ!」


カヌアは思わず声を張り上げた。

谷と思われるその漆黒の闇に、カヌアの声が轟く。


ついに辿り着いたのだ。


「やった!! 着いた!! ヴァスカっ! やったよ!」


そう言うと、カヌアはヴァスカの腕に抱きついた。


ヴァスカは少し動揺したが、その身をすぐに引き剥がし冷静を装った。


「そのようですね、えぇと… 何日も湯浴みをしていませんので… 臭いが… 」


「あ、うん、そうね、少し臭うかもね… ん? 少し? いや! 臭っ! てか私もだよっ! くっさ! どっかで水浴びでもしよう!」


「あぁ… ハイ… ソウデスネ。とりあえず谷の方へと進みましょう」


(冗談で言ったんだけど、そんなに臭ったか… ?)



その漆黒の谷に降りる道を探しべく、更に奥へと進んだカヌア達。


しかし、どうにも谷へ行けそうな道が見つからない。


(おかしい… もう二日も探しているのに… )


この場所に辿り着いてから、二日が過ぎ去ろうとしていた。


ヴァスカは、テントの前で見張りをしながら、考えに耽っていた。


消えるか消えないかくらいの小さな火を、遠目で見ながら。


(… 谷へ行く為の特別な手段が何かあるのか? それとも実は、下には何も居ないのか?)


その夜、カヌアも同じように眠れずに、テントの中で考えを巡らせていた。


(まるで大陸が真っ二つに割れているみたいに、かなり深い谷… )


「うーむ、何か飛べる物に乗れればなー無理か… あとは、壁を這う物? あれ? 何だろ? この当てはまる生き物…飛ぶ、這う… トゥバン? いや、でもトゥバンは… 」


するとテントの外から声がした。


「トゥバン? あ、失礼… 大きな独り言でしたか… カヌア様? 眠れませんか?」


ヴァスカのその声に、カヌアもテントから顔を出した。


「あぁ… うん。疲れてはいるんだけど、どうにも谷のことが気になって… 」


「トゥバンという名が聞こえましたが… 」


「あー、いや、谷をね、降りるには何か飛ぶモノか、這うモノがいたらいいなぁーって思ってたら、あれ、どっかで聞いたなーと思って… ハルスの事が書いてある文献にね、書いてあったような気がしたから」


「ありましたね、書いてありました。ん? それがトゥバンなんですか?」


「え? 違うの? 私としては、何となく当てはまるなーって思っただけで確証はないのよ、本当」


(適当だな… いやでも、あながち間違ってはないのかもしれない… )


「トゥバンか… しかし奴がどこにいるかも、未だに行方がわかっておりません… でもそうか… 何かの生物に乗る… 」


二人は考えを駆使したが、明確な答えには至らなかった。


「とりあえず、今夜はもうお休み下さい。また明日考えましょう」


「うん、そうね。それにしても、ヴァスカは眠らなくて大丈夫? 少し代わろうか?」


「いえ、大丈夫です。元々あまり睡眠は取りませんし、それに夜の方が得意なので」


(そう言えば、以前、睡眠に関して何か言ってたなぁ… ん? 夜の方が得意?)


「そう? それならいいんだけど… じゃあお言葉に甘えて、休むね」


ヴァスカは頷くと、ゆっくり空を見上げた。


満点の星空、真っ二つに欠けた月が光る。


(月が満ちるまで… あと数日)


そう思いながら、消え入りそうな火に、ほんの少しだけ薪を焚べた。



そして翌朝、谷へ下りるための手段を、改めて考える事にした。


しかし、ここまでの疲労とロキ達のいない不安で、カヌアの思考がうまく回らなくなっていた。


「あぁ… わからない、水浴びたい、身体洗いたい」


欲望がそのまま口に出る。


カヌアのその言葉を、ヴァスカは汲み取って言った。


「そうですね、少しその辺りを探しましょうか?」


そんなすぐには見つからないだろうと思っていた希望の場所が、意外にも早く見つかった。


「何だろ… この音… はっ!! もしかして… 」


その音がする方へと、自然と足が速くなるカヌア達。

その足取りはとても軽い。


「滝だっ!!」


そう、その音はまさに、高い位置から一気に流れ落ちる滝の音であった。

気持ち良さそうな水飛沫が、キラキラと太陽に照らされ、舞い上がる。


「っうっひゃぁぁあー! ヴァスカ!! これで水浴びできる!! できるぞ!」


「はい、良かっ… えっ!? あっ、カ、カヌア様!? は、早くないですか!? ちょ、お待ちをっ!」


ヴァスカが焦るのも無理はない。

カヌアはその滝に近づきながら、既に身包みを脱ぎ始めていたのだ。


「大丈夫大丈夫! 交代ね! 先にごめんだけど、その木陰にでも休んでて! じゃ!」


と言いながら、ヴァスカの気も知らずに無視して、滝のある水へと飛び込んだ。


やはり主人公は成長していなかった。


休めと言われても休めない。

それが護衛としての性である。


(何でこんなことに… )


ヴァスカは恐ろしい想像をしてしまい、身震いした。


そして、カヌアは思う存分水浴びを堪能した後、木陰でその身を涼ませていた。


水の中へ入ろうとせず、布で身体を拭くヴァスカに、カヌアは声をかけた。


「ヴァスカ、入らないの? まさか、水が怖い?」


「あ、いえ。水の中に入ってしまうと、カヌア様の姿を見失ってしまいそうなので…」


(行動が奇天烈過ぎて、目を離したら何を仕出かすか…)


ヴァスカは神経の数が、足りなくなってきていた。


(あぁ… 目を離すな… てことか)


「大丈夫よ? それより水中に、手掛かりか何かあるかもしれないから、水浴びがてら、探索して来てくれない?」


「いや、しかし… 」


「少しなら平気だよ。大丈夫! 私強いし」


(確かに、強めの腕力だ)


「わかりました。では少しだけ。その代わり、何かございましたら、すぐお呼び下さい… 」


「おっけー」


ヴァスカは水面に入る前にチラッと振り返り、もう一度念を押した。


「何?」


「ちゃんと、大人しくしていて下さいね」


「御意」


「…… 」


そして程なくして、ヴァスカが水の中を潜っていると、あるモノを見つけた。


(何だ?)


報告も兼ねて、カヌアの様子を見に行こうと、水面の方へと身体を浮き上がらせたヴァスカ。


そして水場から上がろうとした時、カヌアは上の方を見ながら、令嬢ならぬ大口を開けていた。


(?)


「カヌア様… 一体… 」


(あれ? やけに静かだな? 何だ?)


ヴァスカは、カヌアが見る方へと目をやった。


すると、そこには先ほどまであったはずの滝がなかったのだ。


「これは… 」


水の流れが途切れ、そこには真っ黒な一本の筋があった。


「滝が止まった… ヴァスカ、あれって… 洞窟? いや、もしかして…谷…とか?」


「えぇ私にも谷… のように見えます。まるで、大地が… 二つに割れたかのような… いやでも、おかしい… 俺たちが沿うように追っていた谷は、もっと下にあったはず… これは更に上に… 」


そう言いながら、再度その場所を見上げるヴァスカ。


「どういう事? でも… こっちが本物の狼の谷で、下にあるのが違うのかも… もしくは、ここが入り口で下に繋がっているとか?」


ヴァスカは考え込むように、少し黙り始めた。


「どちらにせよ、この中に入る必要がありそうですね。今まで入口という手が掛かりがなかった以上… それにしても何故突然、滝の流れが止まったんですかね?」


「… ね? 何でですかね?」


「… ? 私が水の中にいる間、何か変わったことは?」


「あぁ… うぅん… そうね… えぇと」


「あったんですね? 何があったんですか?」


カヌアはチラッと、自身の後方を目で追った。


「ん? そちらに何かあるん… 」


その方へ進みながら、ヴァスカはある物を見つけた。

いや、先程まで形を成していたであろうモノを見つけた。


そこには、かつて大きな岩だったモノの横に、小さな突起のような岩が、無惨にも横たわっていた。


殿下の婚約者には、到底向けないような目を、ジトっと向けるヴァスカ。


「これが原因では?」


それに対して、カヌアは慌てて弁明する。


「ちっちっ違うのっ! 少し押しただけよ? ついでに捻ったりもしたけど… そしたら、コロリコロリと… スン」


(ん? 何で髪の匂いを嗅いでるんだ?)


「コロリコロリで、こんな事にはならんでしょうよ? 岩を捻るってどんな感覚ですか!? どうせ、何かなー? これ何かなー? って思いながら、触ったもののビクともしないから、つい力を込め過ぎてこうなったのでは? ん? 違いますか?」


ヴァスカはカヌアに詰め寄りながら、流暢に言い放った。


(ゔ… 一ミリも間違ってなさ過ぎてコワイ… 逆にコワイ… )


「… はぁ、まぁおかげで道が開けたので、今回は… 目を瞑りますが… 言いましたよね? 私、ちゃんと大人しくしていて下さいと言いましたよね?」


「ハイ… 」


カヌアは反省するかのように、少し俯いて返事をした。


「… はぁ、では、行きますか?」


ヴァスカの少し気にかけるような優しい声に、カヌアはパッと顔を上げた。


狸 ‘寝入り‘ ならぬ、狸 ‘滅入る’ である。


悪い女だ。


「よし! 行こう!」


カヌアは元気良く歩き出した。


(この人は、本当に反省しているのか?)


そして、二人は突如現れた、滝の奥の暗い道を進むことにしたのだ。




最後まで読んで頂きありがとうございます。

またまた突っ走って書きたいように書いてしまっているので、文章が乱れていることもあるかと思います。

何かお気づきの点があれば、いつでもメッセージお待ちしております。


また、心ばかりの評価などして頂けると、励みになります。何卒よろしくお願いします。

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