episode12〜白い襲撃〜
初連載の二部幕、開始しました!
お初にお目にかかってくださる方も、心の奥底で待っていてくれた方も、緩く読んで頂けると嬉しいです。
初めての方は、一部から読んで頂けると、話が繋がり読みやすいかと思います。
一部とは少し異なり、冒険感のある二部となっております。
毎日の更新を心掛けております。
山道を進んでいたカヌア達。
その足を進めるごとに、段々とその周りも険しくなっていく。
「カヌア様? 大丈夫ですか? 少し休憩致します?」
「えっ!? あ、いや、私は大丈…… そうね、というか、少し早いけど今日はもうこの辺で、寝床を探しましょ? 山の中で野宿するの初めてだけど、この辺は大丈夫なの?」
カヌアは隣にいるロキを見て、そう言った。
さすがにまだ少年の身体。
緊張と慣れない環境で、少し疲れが見え始めていた。
そして、カヌアは山の中の野宿に、どう手順を踏んだらいいのか少し不安に思っていた。
しかし、ここには場慣れしている、ワイムとヴァスカがいた。
少し辺りを探すと、すぐに良さそうな場所を見つけたワイム。
手際よくテントを張る。
ワイムとロキが手っ取り早く、夕飯の準備をしてくれている。
(さすがはロキ、いつも家事をこなしているだけのことはあるわね。意外なのはワイム… 手際が良すぎる… )
そう思いながら、周りを観察するご令嬢育ちのカヌア。
しかし、本人はやる事が無くソワソワしていた。
(ヴァスカは… ん? あれ? 何であんな離れた所に居るんだろ?)
ヴァスカは、焚き火から離れた場所で、何やら立っていた。
気になったカヌアは、近づいて聞く。
「ヴァスカ? そんな所で何してるの? あっちへ… ん?」
(顔色… )
「あ、いえ、少し疲れてしまいまして… 申し訳ございません。すぐに戻り… 」
「具合い悪いの? 無理しなくていいんだよ?」
カヌアはそう言いながら、ヴァスカの前髪をサラッと掻き分けながら、顔を覗いた。
ヴァスカはすぐに顔を背けると、慌てて否定した。
「いえっ… 大丈夫ですので!」
そう言うと、そのまま二人の方へと走ってしまった。
(何なんだ… )
ヴァスカはカヌアと言う人物が、未だ掴めずに居た。
当の本人は、すぐに思考を切り替え、ウィル達の事を考えていた。
(てか、ウィルの方は大丈夫かしら? 私が言える立場じゃないけど、貴族生まれに王族生まれ… 心配だ)
そして就寝時、カヌアとロキはテントの中で休んだ。
ワイムとヴァスカは、交互に辺りの護衛にあたっている。
夜が深くなった時、テントの前の灯りが小さくなったのに気が付き、カヌアは目が覚めた。
テントから顔を覗かせると、そこには少し離れた所に、ヴァスカが居た。
(やはり… 火が苦手なのかな… ?)
テントから出ると、ヴァスカに近づいてカヌアは声を掛けた。
「護衛お疲れ様。ワイムと交代したんだね」
カヌアは木の幹に寄りかかって、仮眠をとるワイムをチラッと見て言った。
「あ、カヌア様。起こしてしまいましたか?」
ヴァスカの口元のアザが、薄らと浮き上がっているのが目に入る。
「ううん、そうじゃなくて… えと、ちょっと気になったんだけど、ヴァスカ、もしかしてあなた… 」
その瞬間、何かを感じ取ったヴァスカが立ち上がった。
仮眠をとっていたはずのワイムも、辺りを見渡すように警戒をしていた。
(何!?)
カヌアにも緊張が走る。
「カヌア様… テントの中へ… 」
ワイムの言葉の通り、彼女はテントの中へと…
入らなかった。
「嫌よ、この目で確かめる」
その言葉に、ワイムが大きめのため息を放つ。
「はぁぁあっ! …… あなたって人は、ご自分のお立場をわかっておられるのですか!?」
「立場!? 立場が何!? あんたも自分の立場がわかってる!?」
「ああ言えばこう言う! その性格、見直した方がよろしいのでは!?」
「んなっ! そのこめかみ、こっちへよこしなさ… っ」
「しっ… 何か来ます… 」
ヴァスカのその言葉に、声を止めるカヌア達。
(チッ、ワイムめ… 後で、絶対こめかみグリグリしてやる)
その何かが、こちらへと来るのを感じながら、その場にいた全員の緊張が張る。
(何だろ… この違和感… ’何か‘ が居るっていうのは、感じるんだけど… 足音も… 気配もしない… 何?)
次の瞬間、その方向からある物が放り投げられた。
そして、一瞬にして辺りが真っ白になる。
「ゴホッゴホッホッ… なっ… ゴホッ… 」
(何!?)
その場にいた全員が、咽せる。
そして、すぐに誰かに布で口を抑えられ、その場から身体を移動させられた。
(誰!? 息が… 目、目も… )
しかし、すぐにその口から息を吸うのを許された。
「カヌア様、ゴホッ… 大丈夫ですか!?」
「ヴァス、カッ!? ゴホッゴホッ… 何とか… 」
咄嗟にカヌアの口を覆って、安全な場所まで移動させてくれたのは、ヴァスカであった。
「わかりません… 何者かが… 」
「… ハッ! ロキッ! ロキは!?」
「恐らくワイムが保護しているかと… ゴホッ… 」
「ロキは鼻が効くから、この煙… 結構危険なんじゃ… 心配! 早くロキ達の所へ… ケホッ」
「カヌア様、コホッ… 煙が引くまでは、あちら側へは行かない方がよろしいかと… 」
「でもっ… 」
「大丈夫です。ワイムならすぐにロキを連れて、安全な場所へ移動してるはずです」
カヌアは、その声に逸る気持ちを押し殺し、その場で待機した。
しかし、煙が引き始め、辺りが薄く見える様になった時には、既にロキとワイムの姿はそこには無かった。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
またまた突っ走って書きたいように書いてしまっているので、文章が乱れていることもあるかと思います。
何かお気づきの点があれば、いつでもメッセージお待ちしております。
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