episode1〜その男〜
初連載の二部幕、開始しました!
お初にお目にかかってくださる方も、心の奥底で待っていてくれた方も、緩く読んで頂けると嬉しいです。
初めての方は、一部から読んで頂けると、話が繋がり読みやすいかと思います。
一部とは少し異なり、冒険感のある二部となっております。
毎日の更新を心掛けております。
ここは七角形の特徴を持つ、グランシャリオという名の都市を中心とした国、アルデリア。
そこに、とある力を持った令嬢がいた。
その令嬢カヌアの叔父であるクーロスが、あの事件の一連に関与していた事が発覚してから、約二ヶ月ほどの月日が経っていた。
そして今、カヌア達はある種族を探して、地下街へと赴いていた。
(何だかものすごい事に巻き込まれた気がする… それに… この男… まさか ‘こちら側‘ だったとは… )
そう、それは一ヶ月ほど前に遡る。
カヌアが厨房にてお得意のピザを作っている最中に、王座の間へと呼び出された時のことだ。
ある男が王座の間に現れ、陛下へと挨拶した。
そしてウィルへと、婚約のお祝いの言葉を述べたのだ。
その男に、カヌアは何とも言えぬ胸騒ぎがした。
温かい風が王座の間へと流れ込む。
それと共に男の髪の毛がなびく。
その顔があらわになった…
カヌアはその顔を見て、驚きのあまりに声が出ない。
しかし、意外な事にウィルはその男に対して、まるで知り合いかのように会話を交わした。
「あぁ、ヴァスカか、久しいな。最近姿を見かけなかったが一体… 」
その言葉と共に、突然カヌアが声を上げた。
「えぇぇぇぇっ!? アザの男!!! えっ!? ちょっ!? ウィル様!? お知り合いですか!? 」
大きく喉が開いたカヌア。
その場にいた全員の心臓に、爆弾が落とされたかの様な衝撃が走った。
「え!? カヌアが見たアザの男とは、ヴァスカのことだったのか!? 」
(…… 確かに、私しか目撃してなかった気が… )
「そうですっ! ん? あれ? でも私、ちゃんと人相書き渡しましたよね? 」
((人相書きっ…! ))
ウィルとカブラは同時に思った。
「でもカヌア?ヴァスカには、花ような模様のアザなんてないぞ?」
そう言うウィルに対し、そんなはずはないと思いながらも、カヌアは確信が持てないでいた。
「ん? んん? でも確かにこの方かと… 」
すると、ヴァスカはニコッと笑って言う。
「それはおそらく… この帽子のせいですね。深く被っているので、中々現れないのですよ」
「それってどういう… 」
ヴァスカがゆっくりと歩み出した。
そして陽が溢れる場所へと移動すると、その大きな帽子を外した。
ヴァスカの顔に、太陽の光が当たる。
その瞬間、口元の左下に花の模様が浮き出てきた。
それはまさに、カヌアが見たものと同じものだった。
その場にいた全ての者達は、目を見張った。
(やはり… そういえば、キルラも身体のアザを、お湯で温めると浮き出てくるって言ってたな… )
カヌアは以前の出来事を思い出していた。
すると、陛下が微笑みながら口を開いた。
「ヴァスカには、トラストル家の調査や、カヌアーリの護衛などをさせていた。まぁあまり必要なかったみたいだがな? ふふ」
その言葉に、カヌアは少し恥ずかしそうにした。
「ところで例の件はどうであった?」
そう言う陛下の言葉に、ヴァスカは慎重に応えを述べた。
「はい… 例の旧王都の地下街が開いたことにより、多くのことがわかりました。ある種族の生存者が… 見つかりました事、ここにご報告致します」
「そうか… やはりおったのか… その者は其方と同じ種か?」
「いえ… 」
(え? 何? 何の話? 種? 生存者?)
カヌアは困惑しながら、ウィルを見た。
ウィルも何も知らされていないような表情をしている。
「そこで申し上げにくいのですが、少々お願い申したいことが… 」
とヴァスカは、チラっとカヌアを見て言った。
(何だ? 私の前じゃ言いにくいことか?)
「陛下… そちらのお話、わたくしが聞いても問題ございませんか…?」
恐る恐る尋ねたカヌア。
陛下が頷くと、ヴァスカがそれに応えた。
「問題ございません。むしろウィルテンダー殿下と、カヌアーリ様にも関係がございます。このまま聞いて頂きたいのです」
(ん? あれ? 私、てっきり… )
カヌアが顔をあげると、陛下は促して言った。
「何だ? 申してみよ」
「恐れながら、その種族達を捜索するにあたり、お二人にご助力を願い申し上げたいのです」
(え? どういうこと? )
カヌアは何が何だかわからず質問したかったが、その場の雰囲気を察し様子を見ていた。
「それはどういうことだ? この二人は婚約したばかりの身… あまり危険な目には合わせたくはないのだが… 」
「陛下… 何か訳がありそうです。話を聞きましょう」
とウィルが言う。
「このお二人が持つ力… 以前はこの国の創設者である、プレヌリュヌ女王もお持ちでした。私含め、ウィル様とカヌア様はその力を持ち合わせております。もはや三人でひとつとも言えるでしょう。その力を使えば、滅びた… いえ滅びゆく種族を見つけられるかと… そして ‘取り戻す‘ ことができるのではないかと… 」
そうヴァスカが言うと、陛下は真剣な眼差しで尋ねた。
「して? その力とは?」
「真意を見抜く力です。この世の全てを見通す力… しましては、この力が悪用に至れば、それは世界の破滅にも繋がります」
「なん… だと!? 世界をも破滅させる力となっ!? 何と言うことだ… そのような力がこの世に、本当に存在するとは… しかもそれが、我が息子にも宿っていたなんて…… ふむ、プレヌリュヌ王女か… 彼女は身内でもわからないことが多い… 」
「これは紛れもない真実。しかし、この三者に留まったことは何よりの幸いでしょう。この力は、誰かが亡くなれば不定期に他の者に移ります。今が好機かと。この力を存分に利用し、その種族達を見つけ出すのが最優先ではないでしょうか」
「そうか… して、どうする? 息子よ」
陛下の言葉に、真っ直ぐな気持ちを述べるウィル。
「はい… とても重要な事項だと言うことは理解致しました。しかし… この話、一旦持ち帰ってもよろしいでしょうか? 未だ、話が飲み込めずにいます。今一度、ヴァスカから重々話を聞いた上で決断したいと… 」
「そうか、相分かった… カヌアーリ… 其方もあまり無理はするな… 」
(ウィル様と同じようなこと言ってる… それにしても… 何だか大ごとになったな)
そしてカヌア達は、王座の間を後にした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
またまた突っ走って書きたいように書いてしまっているので、文章が乱れていることもあるかと思います。
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