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結局スパダリと元腐女子ですか(2)

「ジュード。そこに書かれている内容は、本当なのか?」


 クラレンスは眉根を寄せた。いかにも、ジュードの報告書の内容を疑っています、という声色だ。クラレンスがそれを疑いたくなるのも、わからなくはない。何しろ、ジーニア本人も疑っているのだから。


「ああ。そんな嘘をついて、オレに何のメリットがある?」


「いや……」

 クラレンスは口元を右手で覆った。

 なんともいえない気まずい空気が漂う。それもこれも、ジュードの報告書が原因だ。


「ジーニア嬢、婚約者は?」

 尋ねてきたのはジュード。この微妙な雰囲気をなんとかしようとしてくれているのかもしれない。


「え、と。残念ながら、おりません……」


「それは、困ったな」


 ジュードに言われるまでもなく、ジーニアも困っている。何しろジーニアにかけられた呪詛の解呪方法は、ジーニア一人でできるものではなく、協力者が必要だから。

 ジーニアの呪いを解くことに協力してくれる人、と募ったら、恐らくヘレナは名乗りをあげてくれるだろう。だが、彼女では協力者の条件に当てはまらないのだ。理由は、ヘレナが女性だから。この解呪に必要なのは、男性であると思われる。


 また、気まずい空気が流れる。


「どうする? この中から選ぶか?」

 これまたジュードがおかしなことを口にする。

「ジーニア嬢の呪いを解く協力者を、だ」


「選ばない、と言ったら。自力で探すしかありませんよね……」

 ジーニアは、ふぅ、と息を吐いた。

 呪詛を解く方法が見つかった。わーい、わーいと心の中で喜んだ。だが、ジュードが突き付けた呪詛を解く方法。それがまさかの『破瓜の血を流す』。


 ――破瓜の血を流す、つまり性交渉をしろってことよね……。いや、もしかして自分一人でやるという手段もありなのかしら。


「あの、ジュード様」


「なんだ」


「その、私にかけられた呪いを解く方法なのですが。その、相手というのは必ず必要なのでしょうか?」


「どういう意味だ?」

 腕を組んでいたジュードは、ぴくりと左眉をあげた。


「いやぁ。そこに破瓜の血を流すって書いてあるから、もう、いっそのこと自分で、と思ったのですが……」


 ジーニアの発言に、男六人の視線が彼女に集まった。こうなったら、開き直るしかない。


「道具を使って、とか……」

 とジーニアが口にすれば、グレアムが吹いた。グレアムの気持ちもわからないではないが、相手がいない以上、自力でなんとかするしかないというのがジーニアの思いなのに。


「ジーニア」

 ジェレミーが妹の名を呼んだ。「ジーン」ではなく「ジーニア」と呼んだところが、彼の怒り度が高くなっていることを示す。


「いや、だって。お兄さま。考えてみてください。婚約者もいない私にどうしろと? こうなったら、もう、プロに頼むしかないとか。そこまで考えちゃったじゃないですか」

 プロと言ったところでミックが吹いた。


自棄(やけ)になるな、ジーニア嬢。そもそも解呪の方法として、破瓜を破るというのはわりと一般的な方法だ。男であるなら、破瓜の血を浴びる、だな」

 ジュードが腕を組みながら言葉を発するが、ジーニアはそれすらジロリと睨みつける。


「はぁ? なんなんですか、それ。男の人にばっか美味しい話じゃないですか。そりゃ、自棄にもなるっつうもんですよ。ようするに、この呪い。とにかく呪いを解くために、誰かとヤッちゃえってことですよね?」

 そこでシリルも吹いた。だが、ジーニアはいたって真面目に叫んでいる。心からの叫び。このようなことを言われた乙女の気持ちが、ここにいる男どもにわかってたまるものか、と。


「好きでもない男の人にヤられるくらいなら、自分でヤったほうがマシです。むしろ、ヘレナに協力してもらいます」

 と言ったところで、ジェレミーが赤面する。

「お兄さま。一体、何を考えているんですか? それでも、私の兄ですか」


「すまん、ジーン。だからって、ヘレナ嬢もそのようなことを頼まれても、困ると思うぞ?」


「だから、自分でヤるって言ってるんです。ジュード様、責任を持って道具を準備してください」


「わかった」

 と、言ったのはクラレンスだった。

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