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彼女は天使で、僕は悪魔。

作者: 真北 冬叶





まずこの物語は私の経験に基づいて執筆しています。フィクション部分もありますので、ご了承ください。


ちょくちょく書いていきます。ゆっくりですが、温かい目で見て下さい。


ではでは、あとがきでまたお会いしましょう。










 この世界には、白と黒。あるいは・・・光と影が存在する。

僕は本来【私】であるが、ある時から【私】という言葉に違和感を感じた。だから僕は自己認識では陽から陰へと変えた。でも、外から見た自分は変わらない。骨格は華奢で頬にはぷっくり肉が乗っており、胸には脂肪がある。一ヶ月に一回は体から赤い液が仰山出る。しかもお腹は痛いし頭痛は激しいし、更にはイライラが止まらない。こんな状況、喉に何かがつっかえているような感覚だ。

それでも僕は今を生きている。

 そんな人生の中で、僕が出会った3人かの友人について話したいと思う。彼女たちは事あるごとに僕に厄介ごとを押し付けてくる。それが楽しいこともあれば、欠伸をしてしまうものもある。

まあ、軽い退屈しのぎだと思って読んでくれたら嬉しい。



  目次

1.腐れ縁からの自立

2.同性への独占欲

3.束縛と花火







  

1.腐れ縁からの自立


 彼女とは、幼稚園の頃からの仲だった。所謂、幼馴染というやつだ。

幼稚園のことはよく覚えていない。ジャングルジムを頭から落ちて大きいたんこぶができてしまったことくらいしか記憶にはない。

だからそれ以降の記憶について語らせてもらう。

 彼女とは小学2年生の冬まで同じ小学校で過ごした。でも、特に一緒にいるとかはなくて時々下校を共にして遊ぶくらいだ。

転校すると聞いた時は驚いたが、最後にお別れをすることもなく彼女は去った。

 4年生になった春。朝礼台の上にいた彼女を見た時は容姿があまりにも変わっていたので、最初は気付かなかった。

もともと彼女は細身で肌が白かった。ところが戻ってきた彼女は僕よりもふくよかになっていて、お世辞には似合ってるとも言えないメガネをかけていた。

愛らしかった彼女はどこにいったのやら・・・。

 そこから僕と彼女は定期的に遊ぶようになった。以前の家よりも遠くなってしまったので僕たちは学校から近い公園でよく遊ぶようになった。

 ある夏の日。確か7月上旬。夏休み前のよく晴れた日のことだった。

彼女が家に来た。暑いので庭で水遊びをしようと計画していたので、僕はとても楽しみにしていた。学校から直接家に向かい、リビングルームでランドセルを置く。すぐに庭に出ようとしたが、キッチンから祖母が顔を出す。

「おやつあるわよ。」

やったと歓喜の声をあげた僕らはテーブルの前で待った。キラキラした目を並べて。

醤油煎餅を口に入れながら笑い合った。彼女の口に煎餅の海苔が付いていたので、僕は唇にそっと触れて海苔を取る。その仕草を彼女は見てまた大きく笑った。

その時ふと、あぁこの子は姿は変わったけど中身は何も変わっていないって。

 それからは庭に出てホースを目一杯振り回し彼女に水をかけたり、バケツの水を頭からかけられたりした。これも残念ながら記憶が薄れている。覚えているのは、庭に微かに香っていた蚊取り線香。彼女の髪の毛にたっぷり纏わりついた水が太陽光に反射してまるで宝石みたいな輝きを見せていることとか。

お酒で意識が飛んでしまったような感覚と類似していた。

びしょ濡れになった後、一緒に温かいお風呂に入った。風呂釜は大して大きくないから二人いっぺんに入るなんてとんでもないと今は思うものの、当時の僕らは仲良く笑いながら一緒にお湯に浸かっていた。


 そういえば、今頃彼女は何をしているのだろう。

僕は大人いや、まだ大人とも言えないが…タバコの煙に好感をもつような年の現在、彼女とは会っていない。

一つの出来事が僕の中の何かを破壊してしまったからだ。



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