序章 ―結婚どころか種無しの烙印を押される―
初めて小説を書きます。
前書きとあとがきもよくわかってません。
宜しくお願い致します。
序章
生まれてから23年。青葉 枢<アオバ カナメ>は今絶望のどん底にいる。
つい先日まで俺は有頂天だった。長年付き合っていた彼女とようやく結婚する事が決まって、住む場所や家財道具も買いそろえていざ入籍しようというときに、いきなり彼女がブライダルチェックをしようと言い始めた。
ブライダルチェックというのは子供を作れるかどうかを検査するものだが、それを結婚する前に行うというのだ。
もちろん俺はOKした。俺もやはり自分の子供が欲しかったからだ。
これが悲劇の始まりだった。
ブライダルチェックを行ったところ、言い渡されたのは俺の精子量:0というなんとも残念な結果だった。
もちろん残念な結果どころでは済まない。
「種無し」と言い渡されたのだ。
その結果を知った彼女は慰めてくれるどころかあっさり俺との婚約を破棄し、俺から離れていった。
俺はその日どうやって家に帰ったか覚えていない。
そして目が覚めて今絶望のどん底にいる。というわけだ。
会社に出社する気には当然なれなかった。
会社へ体調が悪いと連絡をいれ、電話に出た上司に嫌味を言われながらも電話を切った。
再びベッドにもぐりこむ。頭の中はごちゃごちゃしていた。
いろいろな考えが頭の中によぎっては消えていった。
そんな状況でとても2度寝などできなかった。
それから2時間ほどベッドの中で目を瞑っていたが一向に眠れなかった。しかし流石に昨日の夜から何も食べていなかったので腹がさすがに空いてきた。
しかし家に食材の類は一切ない。あるのは調味料だけだ。
というのも新婚生活をするのだからと、余計な食材を家に買い貯めしておいていなかったからだ。
まだ疲れが抜けきっていない体に鞭を打ってベッドから起き上がる。
洋服は昨日着ていたものだが、着の身着のまま財布だけ持って家から出た。
コンビニは家から歩いて5分ほどのところにある。
アパートが立ち並ぶ住宅街を抜けて、大きな道路を挟んだ反対側だ。
足取りは重かったが、空腹であれば仕方がない。
住宅街を抜けて、丁度大きな道路の横断歩道を歩いていた時である。
体の右側から強烈な衝撃が走った。
何かがぶつかったのだと思った。何かといえば、横断歩道を歩いていてぶつかるとしたら車しかないと思う。
不思議と意識はハッキリとしていた。痛みも感じ俺は車に轢かれたのだと思った。不思議と意識はハッキリとしていた。
ただただ、熱を感じていただけだ。
轢いた車のドライバーだろうか、駆け寄ってきているのが見える。が、おかしい。視界がかすんできている。
次に強い痛みを感じた。
ああ、死ぬのだ。と思った。
不思議と恐怖は無かった。それもそうだ。絶望していたのだから。
そして俺は痛みに身を任せて目を閉じた。
ある程度の話数を書き溜めてありますので、ある程度定期的に更新したいと思います。
宜しくお願い致します。