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悪魔でも腹は減る(β)  作者: monaka
◆終わり良ければな話
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第百話:人魚泡海の場合。


「先輩ッ!あそこに仕掛けたアレのアレを回収してきたでありますッ!」



「声が大きいのよ馬鹿っ!」



 いばらの後頭部に思い切り回し蹴りを入れる。



 三回転ほど宙を舞い、地面を二回転がってからしゅたっと勢い良くいばらが立ち上がる。



「ありがとう御座いますっ!」



 いばらはその後日本美少女連合に所属し、泡海の側近として活動を繰り広げている。



 そもそも泡海のしている行動は連合の規則からは外れたものなのだが、それはそれ、いばらは泡海と一緒に居られればそれでいいし、泡海は自分の欲望には従順だった。



 学内の少女達は勿論の事、北に可愛い子あれば迅速に駆けつけ、東に美少女有りと聞けばカメラ片手に忍び寄る。



 そういう生活を繰り広げていた。



 要はいばらが増えただけで以前と変わらない日々である。



 例のカードも取り戻して彼女を縛り付ける物は何も無くなった。



 ただし、ポリシーとしてむやみやたらと生徒に手を出したりはしないのだ。



 噂というのはどこから広まるか解らない物であるし、そうなってしまった場合自分と、さらにその相手が被害を受ける事になる。



 悲しい美少女をこの世に生んではいけない。



 だからこそ彼女は、規則は破っても自分のポリシーは曲げない。



 人魚泡海は星月乙姫に感謝している。




 勿論こんな面倒な事になったのも彼と出会ってしまった事による部分が大きいのだが、結果的に追い詰められていた自分の現状を打破できたのも、あの厄介な組織から抜けることが出来たのも彼のおかげであると言わざるをえない。





 不本意ながらその点については感謝しているし、まぁそんな事よりも舞華との繋がりを作ってくれた事、そしてアルタと知り合えた事などその他もろもろの方が泡海にとっては喜ばしい出来事であった。



 今となっては従順な手足も出来たしこれ以上無い結果と言えよう。






 ちなみに彼に約束したデータの一部であるが、ランダムで適当に抜粋してくれてやった。



 どの画像を渡したかは確認もしていない。



 それを知ってしまうと惜しくなるからだ。




 泡海は独占欲が強い。自分のコレクションを他人に分け与えるなど、ましてそれが男になどと到底考えられない。



 今回礼として仕方なく一部を進呈したわけだが、一体どの子のどんな画像があの男の手に渡ってしまったのか。それは考えるだけでも虫唾が走るが、忘れた方がいいのだろう。



 それよりも大事なのはこれからである。




 彼にはまだまだ働いてもらわなければいけないのだから。




「一時的な偽の恋人役も悪くはなかったわね」



「先輩?今何か言ったでありますか?」




「別に」





 だって、その方が舞華ともアルタとも接近しやすかったのだから。



 そういう意味では、あくまでもそういう意味ではであるが




「別れるべきではなかったかもしれないわね」




 その呟きを、いばらがきっちり聞き取って真っ青な顔になった事を泡海は知らない。



 そしてその後いばらが乙姫を激しく憎悪しつけ狙う事になるのだが、それはまた別の話。


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