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異世界の魔法はJavaScriptで起動する  作者: あきらメル
第1章 Hello World!
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いつもの日常へ【魔導書視点】

「何があったの?」


母親が心配そうにエイダに聞くのを、遠くから聞き耳を立てる。エイダは正直にジャイアントスパイダーに追われていたと話してしまっている。「迷子になってた」とか「居眠りしてた」とかはぐらかせば良いのに。案の定、エイダは質問攻めに合い、状況がややこしくなっている。エイダらしいといえば、エイダらしいか。私の事、ぽろっと話してしまわないかな?まぁ、話してしまっても、別に問題というわけでもないのだが。どうなるかな?


「ははは、まあ何にせよ、無事で良かった。さぁ、帰ろうか?」


父親らしき声が聞こえる。なかなか渋く、ダンディーな声だ。口ごもっていたエイダに助け舟を出したのかな?


「まっ、待って」


エイダが駆け寄ってくる音がする。私を拾ってくれたようだ。良かった、忘れられていたかと思ったよ。


「森の中で、魔導書を見つけたの」


エイダの母に、魔導書わたしを持って帰っても良いかと交渉を始める。お母さん優しそうなのだが、エイダなんかビクビクしながら話してるぞ?なぜ?


「見せて?」


えっ?やばい。最後のページ、全くの白紙だ。ダミーの呪文か何か書いておけば良かった。間に合うか?


最速でタイプしていく。


---------- page0.html----------

<H1 ALIGN="center">ファイア</H1>

<HR>

<UL>

<LI>消費魔力:MP4

<LI>命令文コマンド:fire()

<LI>説明:火の魔法で相手を攻撃する。

</UL>

-------------------------------


こ、こんなのでダミーと言えるのか?無い方がいいかもしれない。どうしようと考えている間に……


「魔法石が壊れてるみたいね?それに中身が1ページだけ?それに何も書かれてない?」


ま、間に合わなかった。


「ねぇ、いいでしょう?」


エイダの交渉は続くが、旗色が悪い。エイダの母は徹底的に論破していくタイプのようだ。どんどんエイダは追い詰められていく。生前の私の父親がそのタイプだったな〜と下らない事を思い出す。


こりゃもう駄目だなと諦めかけていた時。


「まあ、エイダがこれを欲しいと言ってるし、良いじゃないか。壊れてる箇所は直せば良いし、新しいページも追加できるし」


そこにまた父親が救いの手を出す。この人いい人だ。私の中の彼への好感度は、上がりまくっている。魔導書に好かれても嬉しくないとは思うが。


「わかったわ。あなたがそう言うのなら。勿論、修理費はあなた持ちね」


「うっ」


うめき声が聞こえた。エイダ父、ご愁傷様です。


エイダは喜んでいるみたいだ。良かった。そして私は、助かった。


ん?


エイダの母親が何らかの命令文コマンドを、音声入力で入力してくる。


「%u3080%u3059%u3081%u306B%u306A%u306B%u304B%u3042%u3063%u305F%u3089%u6BBA%u3059」


何じゃこりゃ?命令文コマンドではないな。ただの文字の羅列だ。ただ全て「%u」で始まり4桁の数字(16進数)が続く。どこかで見たような?あ、確か「UTF-16」だったかな?URL等でencodeした時によく見るやつだ。試しに変換してみるか。


<SCRIPT>

console.log(unescape("%u3080%u3059%u3081%u306B%u306A%u306B%u304B%u3042%u3063%u305F%u3089%u6BBA%u3059"));

</SCRIPT>


ポチポチと。保存セーブ更新リロード。コンソールウィンドウを見て固まる。


---------- console ----------

むすめになにかあったら殺す

-----------------------------


えっ、え〜?何これ?怖い。怖すぎる。


平仮名はまだ順番に並んでるから数値が憶測できるとして、何で「殺」の文字コード知ってるの?使いまくってるの?って言うか、もう正体見破ってる?普通の魔導書にこれ入力しても、何も起こらないし。これ絶対、私に向かってのメッセージだよな?


「晩御飯は、エイダの好きなシチューよ。」


「やった〜」


帰り道、ほのぼのした会話が続きエイダ家は家族団欒していた。魔導書わたしは一人、ブルブル震えていた。

登場人物


エイダ・ラブレス

挿絵(By みてみん)

冒険者に憧れている9歳の普通の女の子。

両親が大好きな、素直な良い子。


喋る魔導書

挿絵(By みてみん)

エイダが森の奥で出会った喋る魔導書。

エイダの母が怖い。


エイダの母

挿絵(By みてみん)

エイダの優しいお母さん。魔導師の冒険者。

時々「恐ろしく」怖い。


エイダの父

エイダの強いお父さん。剣士の冒険者。

尻にひかれてる?


作者より


エイダのお母さんのように、文字コードは平で言えなくても大丈夫です。ASIIコードの「アルファベット」や「数字」の最初と最後の数値などは時々必要になりますが。


参考にしたページ


Unicode対応 文字コード表。

http://ash.jp/code/unitbl21.htm


16進数 プログラミングでは頻繁に出てきます

http://www.infonet.co.jp/ueyama/ip/glossary/hexadecimal.html

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