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ワールド・セネカ  作者: FRIDAY
壱 物語は校門からやって来る
8/51

セネカ

 空間に満ちたのは光だった。

 天使から放たれた光爆こうばくは奔流となり、一直線にこちらへ迫って来た。

 爆発的に拡大した光が、全てを呑み込まんとし――しかしあるところで止まる。

 それはセネカへ達する寸前だった。


 光に目を眩ませた吉野が視界を取り戻したとき、セネカは既に正面へ向き直っていた。向き直り――しかし、何かをした様子はない。


 ただ、在るだけだ。

 絶大な存在感をもって。


「なあ、セネカ。俺は何をすればいい」

 問いかけに、セネカは前を向いたまま短く応じる。

「想像して」

 きゅ、と吉野の手に小さな力が加わる。


「テッペーは想像して。私が彼らよりも強い現実を。私が彼らに勝つことのできる現実を。そうしてくれれば、私はそれを創造する」

 答えとともに、セネカは繊手をわずかに上げる。

 それで、拡大を停止していた光が、収束していく。

 みるみるうちに小さくなり、その向こうの天使と、顔を青ざめさせた男が見えた。

 何が起こっているのか。


「ば……馬鹿な。ナトラスカの最大魔法ですよ。それが、どうすれば――」

「これも魔法、これが魔法ってことさ。んじゃー吉野少年。チュートリアル最後のミッションだ。――派手にいけ」

 真柴の言葉に、吉野は頷いて、視線を上げた。


 見据えるのは、敵。

 真柴が笑う。

 吉野も――笑った。

 真柴と同じく、凶悪に。


「――やっちまえ!」


 閃光が爆裂した。


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