月乃#1
「ねぇねぇ、夜影さん!
夜影さんって前はどこいたの?
楽しかった?ここに慣れられそう?」
すっごいかわいいちっちゃい子が
私にいくつもの質問を投げかけてくる。
あわわっ、えと、この子は小学生?
4人しかいないから小学生も一緒な感じ?
名前なに?えと、あの、どうしよ…
「あ、えっとね、私はね
日和 遥香って言います!
こっちの、無駄にでっかい方が紫野 駿。
で、こっちのが桐葉 冬騎!
4人しかいないしよろしくね!」
にこっと笑った顔とかかわいすぎる。
じゃ、じゃなくって、何か言わなきゃ。
えーと、えーと…あっ
「日和さんは小学生なんだよ、ね?」
ぴきっ、って感じで
日和さんが笑顔のまま固まった。
えっ?何で??何か言っちゃった??
「よ、夜影さん、その子も一応
中学生……1年だけど……」
桐葉くんが恐る恐るって感じで言った。
やっちゃった!!
「一応ってなに!?冬騎まで!!」
「や、一応だろ、その背じゃ」
せっかく動いてくれた日和さんが
紫野くんの突っ込みでまた机に沈んだ。
「え、あ、あの、ごめんなさい。
とってもちっちゃくてかわいかったから
その、つい……」
「にゃー!夜影さんにまで
ちっちゃいって言われたー!!」
涙目でちょっと睨まれた。
うっ、かわいい、全然怖くない…
でも、日和さんも何だかんだで元気そうだし
男の子2人はにやにやして楽しそうだし
ちょっとは打ち解けられた、かな?
そう思ってたら、桐葉くんが
こっちを見て、少し笑ってくれた。
よかった、大丈夫かもしれない…
でも……