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魔術的生徒会  作者: 夙多史
第一巻
29/61

三章 呪術的実験(5)

 第一体育館の舞台裏から、月夜は整列しつつある生徒たちを眺めていた。

 貴重な昼休みの時間を割かれたことに文句を垂れる生徒もいれば、学園のアイドル的存在でもある生徒会長が登場するのを、コンサートに集まったファンさながらに首を長くして待っている者が多数。そんな彼らの熱烈なアピールを鎮圧するために、教師たちが忙しなく静かにするよう働きかけている。

(紗耶ちゃんと魁人くん、まだ来てないみたい)

 集会が始まれば魁人が上から魔眼で呪術師を捜す。その際に気配を隠蔽し、『そこに誰もいない』と一般人に誤認させるルーンを刻んだお守り(アムレット)を手渡すことになっているのだが、一向に二人は姿を現さない。

(もうすぐ始まるのに、どうしたのかな?)

 銀英か葵に捜索を頼みたいが、彼らは気になることがあると言って高等部の旧校舎へ出向いたままだ。集会が始まるまでには戻ると言っていたが、彼らにも何かあったのだろうか。

 急激に不安になる月夜。

 そしてそれは解消されることなく、カモフラージュのはずだった集会は始まりを迎える。


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