第11話:暴かれる影──真実と決断のとき
真夜中。雨が窓を叩く音が響く書斎で、私は資料の山に埋もれていた。
堂本司は隣でパソコンを操作しながら、眉をひそめている。
「桐島美咲の過去を洗ってみた。だが、彼女に決定的な証拠はない」
私は深く息を吐いた。
「でも、彼女の不自然な動きは確かよね。何か隠している」
司はふと顔を上げた。
「柊、僕たちは“目に見えないもの”を追っている。だからこそ、冷静に行動しよう」
そんな時、事態は急変した。
桐島美咲が突然、行方不明になったのだ。
警察に届け出るか迷ったが、司は私に言った。
「ここは僕たちで動こう。外に情報が漏れたら、犯人に逃げられる」
私たちは二人、彼女の行動履歴をたどり始めた。
ある古びた倉庫。そこに、美咲が閉じ込められているとの情報が入った。
私は胸が高鳴るのを感じた。
司とともに現場へ急行すると、そこには見覚えのある人物がいた。
──長谷川だ。
「なぜここに?」
長谷川は冷静に言った。
「俺も真犯人を追っている。君たちに協力したい」
司は険しい表情で答えた。
「本当に信じていいのか?」
長谷川は一瞬迷ったが、やがて頷いた。
「疑って当然だ。だが俺には、真犯人の顔が見えている」
その人物は、かつて堂本家に近い存在であり、長谷川の過去に深く関わる者だった。
私はその名前を聞いて凍りついた。
「……青山遼?」
その名は、過去に何度も事件を引き起こし、闇に消えた男の名前だった。
私たちは急いで警察に情報を提供した。
だが、青山は影のように逃げ続けている。
そんな中、司は私に言った。
「君を守るために、もう隠さない。僕は……君を手放したくない」
その言葉に、私は涙が溢れそうになった。
夜が明ける。窓の外には新しい光が差し込んでいた。
私は決めた。
──この戦いを終わらせるために、全てを曝け出す。