虎の威を借る
第3話 虎の威を借る
「つってもよ、組作るのはいいが何を掲げてやってくんだ?商売や医療するってのは今の俺達には無理な話だし、犯罪系ってのはお断りだぜ?」
「あったりまえよ!そんなの私だってお断りよ。そうね、私たちに今できる事は…。」
「出来る事は?」
「そうね、御用聞くらいかしら?依頼受けて解決する。当面はこれでどう?」
「うーん、まあ背に腹は変えられんしな。とりあえずそれでいくか。」
「決まりね。それじゃ、リーダーも貴方に任せるわ。」
「俺でいいのか?」
「貴方がいいのよ。貴方には龍紋があるし良くも悪くも抑止力にも知名度にも繋がるわ。それに私はその方が動きやすくもなるしね。」
「まさか俺が異世界に来て一国一城の主になっちまうとわな。全く中々どうしてわからないものだな。」
「え、何かしら?」
「いや、外で話すのもなんだし、そろそろ中に入るか。」
「そうね、間取りとかも確認したいしそうしましょ。」
それから暫く部屋の掃除をして部屋割りを決めた。
「今日はここまでね。内装とかはおいおい考えるとして…遅くなる前に今日は私達の新たなる門出を祝して何処かに食べに行きましょうか。」
「そうだな。中々立派なヤサも手に入ったし今日は久々に枕を高くして寝れそうだ。まだ布団も何もないが。」
そんな話をしながら建物を出ると、
「おうおう、お二人さん。ウチの若いモンが随分と世話になったみてぇじゃねぇか?ええおい?」
見るからにゴロツキと形容するのが相応しい輩達が待ち伏せていた。
「王虎會直系黒虎組傘下李月興産の代表張らせてもらってるウッズ言うもんや。」
男は静かにしかし、確かに凄みを効かせ名乗りを上げた。