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異世界で錦を飾る


「街に着いたのはいいがこれからどうするんだ?宿探しとかからか?」

「そうね、私はこの街で人を探す為に来た。興信所とか人探し系の組を利用するのも手だとは思うけど手持ちで足りるかもわからないし直ぐに見つかるかもわからないわ。街の治安、相場その他諸々も調べないといけないし、暫くはここで暮らすことになりそうね。宿か物件かどちらにせよ必要になるから無料案内所に行くとしましょうか。」


無料案内所-バニラ

「ごめん下さい。この辺りに安い物件か宿はあるかしら?教えて欲しいのだけど?」

胡散くさそうな男が胡麻を擦りながら近寄ってくる。

「お二人さん、新婚さんですかい?」

「違「そうよ!」」

顔を紅くしながら話を合わせろと目配せしてくる。

「ウチを見つけてラッキーでしたね。たまたま前の住人が出ていったばかりの物件が大通り近くにあるんですわ。新婚さんのようですし今ならお安くしておきますよ〜。」

「それはいいわね。内見できるのかしら?」

「勿論ですぅ〜、はい〜。」

「じゃあ、早速案内してもらおうかしら。」


軽薄そうな男に着いていく。大通りを暫く歩いていた。途中で少し外れた路地の方に案内される。


「大通りから少し離れて来ているようだが?」

「お上りさん、気がつくのが少し遅かったみたいですね。」

「もうアンさんたちは袋の鼠なんですわ。」

前も後ろも数人のチンピラに囲まれているみたいだ。どうやら嵌められたみたいだ。

「覚えておいた方がいいですよ。この街で他人を安易に信じて着いていくのはただのカモだってこと。」

「おい、お前ら。自警団が来る前に男の方はバラして、女の方はエルフだ。奴隷に堕として高値で売るぞ。」

「これはまずいわね。」

「いや、この程度なら問題ねぇさ。直ぐ終わるからちぃっと待ってろや。」

「お前ら喧嘩売る相手を間違えたな。二度とこんな事出来ねえように教育してやる。覚悟しろよ。」


それから1分と経たないうちに胡散くさい案内所の男を残して周りのチンピラは全員ダウンしていた。


胡散くさい男はビクつきながら恫喝してくる。

「そ、それ以上。手を出すのはやめた方がいいぞ。お、俺はこの辺りのシマを治めてる黒虎會の枝なんや。今なら金置いて帰るなら報告もせんで帰したるわ。」

数秒後

胡散臭い男は顔面を殴打され泣いていた。


「ゆる、許して下さい。ほんの出来心だったんです。物件探してるみたいなんで金もありそだったんでちょっとビビらせればすぐにシノギになるかななんて。ほんま、ゆるじて。」

「大の大人がピーピーピーピー泣いて情けないのぉ。人の褌でしかシノギも出来ねぇ三下風情が。そもそもカタギに手あげるなんざスジモンの風上にも置けやしねぇ。」

もう一度拳を振り上げる。

「ヒッ!許して。」

「言っておくがこっちが被害者でそっちは加害者っつーこと忘るてるんじゃねぇか?」

「わかっとります、わかっとりますダンナはん。あ、あの物件は差し上げますんで。勘弁してつかぁさい。ほんま堪忍な。」

「んだ、話せば分かるじゃねぇか。いい勉強代になったんじゃねぇか?これに懲りたらこんなしょっぱいシノギなんて今後はやめることだな。」

「は、はい。ほんまおおきにな。」

「じゃ、案内所戻って契約書貰うとするか。」

ニカっとセンは少年のような笑顔を見せた。

「これじゃ、どっちが悪者かわからないわね。」

リンが呆れながらボヤいた。


それから数刻、

先程手に入れた物件前に着く。

「何はともあれ住む場所を手に入れる事が出来たのだわ!」

リンは腕を組みながらドヤ顔で物件を見つめる。

「というわけで折角だし、私達もここで組を設立するのはどうかしら?貴方となら上手くやっていそうな気がするのだわ。」

「そうだな。俺は特に目的があるわけでもねぇし、乗り掛かった船だ。その案に乗った。」

「良かった。それじゃ、これからもよろしくねセン。」

リンが微笑みながら手を差し出す。

センはソレに応じて握手するのだった。




第2話 異世界で錦を飾る

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