ただいま
一方その頃。
組では出掛けると言ったきり連絡のないセンの帰りをリンはウズウズしながら待っていた。
「姉さん、大丈夫ですよ。センさんならすぐに帰って来ますから。」
黒髪の少女が呟く。
「でも!でも!」
「姉さんが慌てても何も解決しませんよ。そんなにあの人が信じられませんか?」
「そ、そ、そんなことないわよ!」
「ね、なら落ち着きましょうよ。あの人が帰った時笑顔で迎えられるように。」
その時、ガチャっと扉が開く音がした。
「ただいま。帰ったぜ。」
ボロボロになりながらもセンが帰って来た。
「随分遅かったわね!」
目を潤ませながらリンはいつもの調子で声を掛ける。
「おかえりなさい、センさん。」
「おう、チエリも無事こっちに着いたみたいだな。」
黒髪の少女の名はチエリ。ウチの組に受付として入ってもらうリンにとっては妹のような存在だ。
*彼女との出会いは昏き夢見し編にて
「ふふふ、姉さんったらずっとセンさんの帰りをソワソワと待ってたんですよ。」
微笑みながらチエリは言う。
「そんなことないわよ!」
「可愛いやつめ。」
「はい、姉さんは可愛らしいです。」
「アンタたち!人を揶揄って!」
「まぁ、いいわ。」
彼女はプンスカとしながらそっぽを向く。腕を組みながら続ける。
「お帰りなさい。」
「ああ、ただいま。」
※チエリに関するエピソードはまだ未収録です
鋭意執筆中ですのでしばしお待ちを。
なんやかんやでセン達の仲間になったとだけ理解していただければOKです




