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Inferno

第7話 披荊斬棘



試合が終わった闘技場内にタモンが入ってくる。

「セン・ゴクラク。見事な闘いだった。」

「お褒めに預かり光栄でさぁ。」

「お前等。マグ・ロナルドの遺体を回収しろ。」

「「「はっ!」」」

タモンの部下たちが遺体を回収しようとする。

「おい、説明はして貰えるんだよな?」

「ああ、急いでいるので端的に言おう。我々はウチのシマで流されている魔薬を追っていた。彼はその製造元と何か繋がっていたかもしれない。」

「なるほどな。検死ってとこか。」

「理解が早くて助かる。」

そこにタモンの部下が慌てた表情で駆け寄ってくる。

「総帥!報告があります!」

「何事だ?」

「医務官含む我々の組の人間複数名の死亡が確認。恐らくは医務室に送られたヒカル・ヘイケの手によるものと思われます!」

「ヒカル…さっきのあいつか?」

「あいつは身体中に亀裂が入り重症だった筈だ。」

「医務室に既に奴の姿はなく、状況的に奴がやったとしか。」

「奴は何か関係しているのかもしれんな。」

タモンは険しい顔をする。

「この場にいる王虎會総員に告ぐ。ヒカル・ヘイケがウチの組員を殺害し逃亡。絶対に逃すな。捉えて私の前に連れてこい!」

タモンが号令を掛けた。

「「「御意。」」」


それと同時に会場に悲鳴が響き渡る。

突如、魔力を暴走させ理性を失った観客が客席のあちこちで周囲を攻撃し始めた。

「このタイミングにこの状況。奴の仕業と考えると辻褄が合うな。完全に黒だ。」


「お客様方の無事を確保しつつ会場から逃がすことを優先しろ。我々の看板に泥を塗るんじゃない。ヒカルは私手づから引き摺りだす。」

「わかりました。」

「すまないなセン・ゴクラク。聞いていた通りだ。私はもう行く。」

「ヒカルが関わっているなら俺にも関係がある。俺も協力させてもらう。」

「助かる。」

そう言うと次の瞬間にはタモンは目の前から消えていた。

「さあて、俺も道中助けながら探すとするか。」


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