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比翼連理


同刻、

病に苦しむ少女がいた。夢現に言の葉を零す。

「兄ちゃん、どこ。」

「遅い…なぁ…。」

「いつもウチのために…。早く良くなって…ウチもお手伝いしたいなぁ。」


トントンと一定のリズムで包丁がタップダンスを刻む。

兄が出掛けている間に兄の好きなものを拵える。

「ただいま。」

最愛の兄の声が聴こえる。

「兄ちゃん。もう帰ってきたん?今日は早いなぁ。」

言葉では恥ずかしてくつい素っ気なくしてしまうが嬉しさが表情に滲みだす。その勢いのまま兄に駆け寄る。

「おいおい、火付けっぱなしだぞ。」

「ったく。しょーがないな。」

呆れながらも優しく私を受け止めてれる。


「あれ、おかしいな?さっきまでウチ寝てたハズなんだけど。」

「そもそも私こんな身体動かせたっけ?」

幾つか違和感を感じる。でも兄の温もりが私を包み込む。兄の腕の中の陽だまりに微睡んだ。


漁村から白い鳥が二羽飛び立った。

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