一回戦 vsヒカル
一回戦
「早速速攻させてもらうよ!」
そう言うと同時にヒカルの体がピカッと輝く。
まるでスタングレネードような光量に眼を閉じそうになるが入場時のライトである程度耐性が出来ていた。
もろに受ければ失明するかもしれない光量だが耐性のおかけで出来たラグを利用し腕で影を作る。その影からヒカルの位置を捕捉し突っ込んで来たヒカルに攻撃を合わせた。
拳がヒカルの腹に入る。が、その攻撃を物ともせずヒカルは殴りかかる。
そのパンチを避け腕を掴み放り投げた。
ここまで互いにダメージはほぼなし。
「流石だね龍は。本来ならこの攻撃コンボで倒せてる筈なんだけど。」
「お前の方こそ、“カタい"な。」
「君の方こそ、僕に攻撃して拳が壊れてないなんて人のこといえないと思うケドぉ?」
「紋だな?」
「正解!僕の紋は"光る蟹"だ。スタン能力と硬さの性質を併せ持つ便利な紋だろ?」
「手の内バラしちまっていいんか?」
「明かした所で問題ないよ。だって僕、最強だから!」
「紋励起からの〜紋活性、硬度ハリガネ光量マシマシ!」
ヒカルがそういうと辺り一面が白い世界に包まれる。センからはおろか観客席からも会場が見えない。
「“源流の蛍火“。」
ドスっとセンの顔面に重い一撃が入る。
この世界に来てから初めてのクリーンヒット。
「どうだい。僕の常勝コンボ。これを喰らって立っていたやつはいない。」
それと同時にヒカルから出ていた光が晴れていく。
「中々いい拳だったぜ。」
センは嗤う。
「でもな。今度からフラグ立てるのはやめた方がいいぜ。こっちじゃまだ流行ってねぇならしゃーねぇけど。」
拳を硬め腰を入れる。
「お返しに本物の拳を見せてやんぜ。」
龍紋が呼応するかのように輝いた。
「これが頂点を目指す拳だ。"龍の顎"!!!」
ヒカルの目にはセンの後ろに龍を象ったオーラが見える。そのオーラが拳に合わせヒカルを襲う。
「うん、これは想定外だった。」
ただの一振り。しかし、その一振りは一筋の閃光だった。
振り落とされた一撃でヒカルの体表はヒビ割れる。衝撃音と攻撃の余波が後に続いた。
「奥まで響いたよ君の拳。この借りは近いうちにカエさせて貰うよ。」
そう零すとヒカルは倒れた。
それと同時に司会がコールする。
「第一回戦勝者!!!セン・ゴクラクゥ〜〜〜!!!」
「街の新星はやっぱり強かったぁ!!!」
「「「うおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」」」




