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プロローグ

組長(オヤジ)密告(チンコロ)され警察(サツ)逮捕(パク)られそうになったオレ、どうなっちゃうのー!?




「クソ、嵌められたか。」

全身、血に塗れた男が息も絶え絶えに悪態をつく。

何が悪かったか。どこで選択肢を間違えたか。今までの人生余りにも心当たりが多過ぎて一つに絞れない。

その中でも一番そうであって欲しくないと思う1つを違うと頭では思いながら心では確信めいてしまっている。

しかし、今はそんなことよりも目の前に迫っている危機に脳のリソースを割かなくてはならない。グダグダと足りない頭で考えるより、目先の事態解決の為だけに思考をシンプルにする。

それが最も合理的判断だと理解した。


数時間前

角部屋のテナントを借りた地味な事務所での光景。

「おう、セン。ここ最近、調子がいい見てぇだな。いいシノギ見つけたのか。これからも組の為にジャリンジャリン稼げよな。」

オヤジが笑いながら語りかける。

この人は俺の命の恩人で渡世の親だ。この人の頼みなら地獄にでもカチコミにいける。そんな親っさんに認められたくて今までこの世界で身を粉に進んできた。

「ところで、セン。お前に一つに頼みたいヤマがある。このヤマを片づけたらお前の独立を本家に推薦しようと思っているんだが。」

「そんな事言わないで下せぇ親っさん。俺はまだ親っさんの元で働きてぇんです。俺はアンタに惚れてこの世界に入ったんだ。」


「だからこそ、お前にしか頼めないんだよ。このヤマは本家の暗部組織から直々に来たものでな。近々ウチのシマでデケェ抗争が起こるみてぇなんだ。

「しかしだ、抗争が起きちまえば所詮は枝でしかねぇ俺等はもれなく全員が鉄砲玉として飛ばされるだろうよ。勿論、本家に掛け合ったがとり着く島もねぇ。情け無ぇ話だが本家に弓を引く度胸もねぇ。そこで折衷案として出したのが抗争が起こる前にウチの組のモンでマトをハジいて、抗争自体を有耶無耶にしちまおうってことだ。既に絶縁してたって体にしてな。」

「だが、ウチでそんな事を出来る実力を持ったやつなんてお前しかいねぇ。務め終わるまで絶縁も解いて本家で組を持てるように根回ししておく。こんな親ですまねぇ、頼めねぇかセン。」

「アタマ、上げてくだせぇ親っさん。そんな事情あるなら誰かがやるしかねぇんだ。俺の首一つで組も守れるしウチの若ぇモンも守れるんだ。こんなの考えるまでもねぇ。やりますよ。やらせて下さい。」



そして今に至る訳だ。

親っさんが本部の情報筋から掴んだマトが現れるって場所に行くと待ち伏せされていた。

最初に土手っ腹に銃弾が一発、それから後頭部に鈍器での一撃貰ったのがマズかった。

視界がボヤけながらもなんとかここにいる下っ端はなんとか倒したが、遠くでサイレンが聴こえる。どうやらサツまで来てるらしい。

血を流しながらも路地裏まで辿り着いたが、既にサツの手が回っていた。もう抵抗する気力も逃げる余力もない。その場でワッパをかけられパトカーに乗せられた。

薄れゆく意識の中、ポリ公に話し掛けられる。

「貴方は先刻、この世界で死にました。」

俺の頭がイカれちまったのか?それともこの警察官の格好をした奴がおかしいのか?ズキンと頭痛がする。構わずにポリ公は続ける。

しかし、私はまだ貴方の物語の続きがみたい。なので勝手ながら貴方を別世界に送らせていただきます。ここではないどこか、今ではないいつか、第二の人生を私の為に愉しんで下さい。」

「てめぇ、勝手な事を…。」

そう思ったが喉は潰れ反論も出来ない。

「せめてもの餞別です。ささやかながら向こうの世界の理に適応だけさせておきます。それでは頑張って下さい。では。」

その声が脳内で木霊し、徐々に視界がブラックアウトしていった。



一瞬、強い光を感じ目を開けると…。


〜異世界ヤクザ〜サツにパクられそうになったオレが異世界で組を立ち上げ、やがて龍になる

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