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      1 貧民のくれた食べ物

 マリエールは困っている。少女が差し出した食べ物らしきものを食べるか食べないか。

        1  貧民のくれた食べ物



 マリエールは困っていた。貧民の女の子が何かを差し出した。多分食べ物だ。女の子が目をキラキラさせて見つめる。中々食べようとしないマリエールを不安そうに見る。大抵こういう場合は随行の者が取り上げてくれるのだが、今日の随行者はその素振りもない。 

 マリエールは容姿も心根も美しい13歳の貴族学院4年生だ。昨年第1王子からプロポーズされた。本当なら断りたい。国政を担う2人が気弱くては、国は立ち行かないのではないか。公爵令嬢で誰からも大切に思われるから、積極的に自分で何かしようとしない。学業や芸術は好きだからやっている。王子も同じだ。マリエール貧民救済、王子はマリエールとの結婚だけ自己主張した。

 女の子はマリエールを困らせている事に気付いたらしい。食べ物を引っ込めようとした。マリエール受け取って口に入れた。激しい嘔吐感を感じた。

 付き添いは何とか食べ物を吐き出させるように背中を叩いたが、失敗した。護衛がマリエールを担いで公爵家まで戻った。逆さまに吊るし背中を叩いて食べ物を吐き出させ、医者を呼んだ。医者の診断は食あたりだ。胃腸薬3日分処方された。

 マリエールはこの夜死亡して転生された。転生してきたのは国境なき医師団の女医だった。難民キャンプで勤務していた彼女はキャンプを襲った暴徒から患者を守ろうとして死んだ。一晩、マリエールの記憶と寄り添い。自分と同じもの、違うものを知りどうすべきか考えた。

 翌朝、家族や使用人に謝った。これでは王子との結婚は難しいのかも知れない。と言うと父親が決まったことは変更できんと言われた。

 マリエールは死んだマリエールのことを思う。美少女だ。この世界の低品質の鏡でも美しさが判る。それに心が美しい。人に優しい。人の要望を叶えたい。過剰な要求はしたくない。困っている人を助けたい。人を幸せにしたい。マリエールは王子との結婚をこう考えていた。自分と王子となら個人的には上手くいくと思う。でも国王、王妃には向いていないだろう。宰相などサポートしてくれる人が必要だ。自分で物事を決めることが苦手だ。誰かが決めたレー

ルの上を歩く方が楽だ。表面上マリエールは王子と首席を争うほど優秀な学生だ。才色兼備の気立てのいいお姫様だ。何処に出しても遜色のない女性だ。場所や立場が合えばそうなれる可能性はある。しかし王妃は無理そうだ。

 記憶の最後で消極的な自殺を考えていた。少なくとも死んでもいいと思っていた。自分がいない方が世の中のためだ。

 この世界は魔法が少しある世界だ。マリエールも火、水、土、風の魔法が使え、活用して口外もしている。極稀にそういう人物は存在して、回復魔法を使える人物もいる。そのためだろう。転生特典は魔法のオンパレードで強力な魔法が並んでいて、創生魔法もあるので不可能なことがないくらいだ。解析鑑定して見るとアイテムボックス、転移、フライ、攻撃魔法、防御魔法、複製魔法もある。結晶化という宝石を作る魔法や貴金属を作る物資変換の魔法出来そうだ。

 転生してしまった。思わぬ事態だ。転生特典は凄い魔法だ。

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