思い出は船に乗って
だからあなたは今日も1人で
どこにもない場所に向かう
私はそれを受け入れるふりを
ふりだけをして見送る
旅立ちの朝の静けさに
泣かされたりなんかしたくないけれども
時計をチラリと見るあなたの
あなたの横顔が憎かった
小さな宇宙のものがたり
ちっぽけな数秒間のアイコンタクト
あなたは私の半身だと思った
あっさりと半分は
いなくなってしまうのだという
夜の風は1人では冷たい
あなたはそれでも行くんだね
星になれたら
あなたがどこに行こうともちゃんと
見つけられるから
それになりたいけれども
太陽は私に言うのだ
貴女も貴女の日々を続けなさいと
そんなつまらない正論を受け入れる
優しい嘘つきのあなたを
受け入れるふりをして
本当はただ
あなたを許すのだ