表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
飛べない鳥と何気ない日常  作者: 佐々木雄太
第1章  飛べない鳥たち
6/7

「おいしい……。意外と、コンビニチェーン店のプリンとは違うんだ……」


 佐々木の表情が、少し緩んだ感じになったと俺はそれを見て、最後の一口を味わった。


 プリンを食べ終えた後は、いつもどおり、下校時間になるまで、この部屋で今日の課題をしたり、だらだらしたり、本を読んだりと、時間の許す限り、そうすることが多い。


 佐藤は、スマホの画面と睨めっこしながら誰かに返信している。佐々木は、読んでいた漫画の続き、そして、俺は、今日出た課題をしながらスマホにイヤホンをつけ、音楽を聴き始めた。


 静かになったこの部屋で時間が少しずつ過ぎていく。


「ねぇ、陣君。……陣君ってば! 聞こえているの?」


 と、向かい側に座る佐藤から少し大きな声で呼びかけられた俺は、耳からイヤホンを外し、佐藤の方を見た。


「なんだよ……」


 俺は、再び不服そうな表情をしている佐藤を見て、呆れていた。いや、俺もまた、不服そうな表情をしているのは間違いないのだが、それ以上に不服そうにしているからである。


「ねぇ、その課題が終わったらゲームしようよ。今、丁度、ゲリライベントが来ていて困っているんだ。ね、いいでしょ⁉」


 佐藤は両手を合わせて、俺にゲームの協力プレイを頼み込んでくる。


「お前、ゲームはとにかく、課題の方は終わらせなくてもいいのか? 一応、明日までのが、たくさんあるだろ。言っておくが、ゲームはほどほどにしておけよ」


「んー。分かってるよ。それくらい……。私だって、やるときはやるんだから、別にいいの!」


 と、逆に怒らせてしまったのである。


「それで、一体、何のゲームのゲリライベントなんだよ。俺は忙しいんだが……」


 俺がそう言うと、佐藤は、自分のスマホの画面を見せてくる。どうやら、世間では人気のある協力プレイ可能なゲームだ。一応、俺もインストールしては、暇な時にやっているくらいだ。


「ちょっと待て……。後、十分だけ時間をくれ。この問題が解けたら一緒にやってやるから」


 シャープペンを動かしながら、化学の問題と睨み合い、問題を解いていく。


 それから最後に問題の問いに「カリウム」と書き終えたところで、ようやく佐藤のお願いを聞くことにした。


 スマホを取り出し、電源を入れ、パスワードを打ち込み、佐藤の言っていたゲームにログインする。このゲームをやっていることを知られてからは、やけに佐藤との協力プレイが増えたような気がする。


「佐藤、言っておくが、そんなに俺はやらないからな。時間になったら自分でやってくれ」


「うん。分かってるよ。私だって、そこまでゲーマーじゃないし。ただ、この子がかわいいから欲しいだけだし!」


 本当にそれだけなのだろうか? ステータスを見るにこのキャラはまあまあマシに見えるが。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ