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4話 車輪3つ集まれば

「トニーさん、いますかぁ?」

「おう、だれだ?ってアレスか。どうした?」

挨拶をしながら中に入っていくと、奥から茶髪の少しごつい感じの初老の男性が誰何しながら出てきた。車大工の親方のトニーだ。

「中古でいいので馬車の車輪を3つほど欲しいのですが、あります?」

「車輪だけって…なにするつもりだ?」

「いや…ちょっと…ね」へへっと鼻を人差し指で擦りながら返事を濁す。

「まぁいいけどよぉ。なにか面白いモノ(・・)でも出来たら教えろよ」と、言いながらトニーは車輪を3つ用意してアレスに渡す。

「トニーさん、ありがと。なにか面白いこと(・・)があれば知らせるね!」

そう言いながら銀貨を支払い車輪を受け取る。


トニーは錬金術師(・・・・)のアレスが車輪を使ってなにを思いついたのかが気にかかったが、アレスはあれで誤魔化せたつもりでいたりする。

アレスは急いで作業場に戻り、「ただいま戻りました」そう言いながら抱えていた車輪を置きに自分の部屋へ向かう。

「おかえり。なんぞ珍しいモノを持ってるのぉ」

「最近森にばっかり行ってるので新しく移動用の乗り物をと考えみたのですが………もしカタチになったら商人でも紹介してもらえます?」

アレスは苦笑を浮かべながらも多少の自信のある声色で師匠に伺いを立ててみる。

「うむ。面白そうなのが出来たら考えてみてもいいのぉ。それよりも…湯あみ用の桶はどうするのじゃ?」

「あっ‥‥忘れてました。新しく思いついた移動用の乗り物のことで頭がいっぱいになってました」

アレスは「ははっ」と、バツが悪そうに頬をきながらそっぽを向く。

「はぁ…。まぁいいわい。…その乗り物ってのがカタチになれば桶のこともどうにかするようにな」

「………はい。

あ、それと今日はホーンラビットとポイズンスネークも獲れましたよ」

ポイズンスネークの牙と毒腺は錬金術の素材に使え、革は革で人気があるのだ。

「おっ!ポイズンスネークは作業場に置いておいてくれるかの?」

「わかりました」


その後アレスは作業場にポイズンスネークを置きに行き、レニーと新たに考えたという乗り物のことを話題に晩御飯を食べた。







晩御飯後、アレスは一人作業場の前で地面に絵を描きながらどんな感じにするかを考えている。


「とりあえず三か所に車輪を配置して…。

…う~ん…。三角形に枠組みを作っても乗れないし、運びにくくなるしなぁ…。やっぱり四角かなぁ…。

いや…待てよ!三か所の車輪の配置は変わらなくても丁字形にすれば…後ろの車輪の軸は荷車の軸をそのまま使え…る?」


【由】の形を地面に書いて上の部分に車輪を配置、真ん中の横棒に車輪を配置、その横棒を荷車の車軸に見立てては構想を練っていく。


(【口】の部分は馬車と同じで荷台でいいとして…縦棒をどれだけ長くすれば足を動かすのに邪魔にならない?縦棒を長くすれば長くするほど折れやすくなる?ってか、そのままならまっすぐしか走らないような…)


結局その日もあ~でもない、こ~でもないとうんうんうなりながらなにも進展せずに終えたのであった。


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