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ブラック・キャンバス 偽りのエミュレーター   作者: キット
舞い降りた青
8/14

フレンド登録

 通学中の片手間に鞄から取り出した、小説を読む。難しくも無く読みにくくも無い、青少年向けの小説(ライトノベル)だ。物語の舞台は現代で俺と同じ高校生が主人公の物語。ジャンルで言えば、ラブコメと言うのが妥当だろう。一人の男子高校生を数人の美少女 女子高生が取り合う、王道のそれだ。けれど、主人公の男子はその中でも一番地味で、どことなく儚げなヒロインに気があると言うから驚きだ。まぁ、それぐらいの変化球が無ければこれほどのラブコメは書けないだろう。


 だが、俺が好きなのは何も物語だけではない。それは、時にその重要シーンを映し出し、時にその表紙を飾るモノ____すなわち、挿絵だ。


 きっかけは何気なく立ち寄った本屋の新刊コーナーだった。無数に並べられたライトノベルの山にひっそりとそれは置かれており、他のどの小説よりもその小説に魅かれたのを俺は今でも覚えている。美麗なイラストにシンプルなデザインのタイトルロゴ。どれを取っても申し分なかった。


 「後、五分か。そろそろ、降りる準備をしないと」


 ガタンゴトンと線路を走る電車の振動が足に伝わる。


 眠気を誘うそれは座っている間は申し分ないのだが、今こうして下車をしようとする者にとっては少しばかりの脅威だろう。何かのはずみで足元を崩し、転倒する可能性だってある。それに、掴まる場所が無い俺のこの立ち位置はまさにその渦中にあった。


 「壁に持たれて置けば、これぐらい大丈夫・・・・・・」


 この時の俺は気づいていなかった。別に乗車人数が多いわけでも、お年寄りが席を譲って欲しそうにしているわけでもないのに何故、電車が完全に停車するまでそのまま座っていなかったのかを____。


 キィッ____ガタンッ!


 「おっと・・・!」


 カーブに入ったのか電車はブレーキをかけ、荷重が前にかかる。


 バサッ____!


 そのはずみで手に持っていた本が鳥が翼を広げる様に床に無造作に重力に従う様に落ちた。


 (やばっ!?今日に限ってブックカバーしてない・・・!!)


 表紙には伸ばした黒髪をなびかせた少女が振り返る様に描かれており、その少女と目線が合う。早く拾わなければ、人目に付く。そう分かっていても、電車の揺れのせいで態勢が上手く取れない。


 「早く取らないと・・・よっ!」


 伸ばした腕が床に届く。そして、指先が本に触れた。


 その時____


 「えっ________」


 涼しくも軽やかな淡い肌色が視界にサッ____と入ってきた。


 「あっ________」


 相対する様に対を成す手を見つめ、ゆっくりと顔を上げる。俺の発した言葉とその後に聞こえた声は恐らく女性で、その確証を裏付ける様に本に伸ばされた指先も綺麗で細長く、そして見覚えがあった。


 「____ 切峰きりみねさん!?」


 青い瞳を見つめそう言った。


 「____名取くん!?」


 互いに名前を呼び合った所で俺の意識は床に落ちた本来の目的よりも目の前にいる、少女へと移り変わる。それはまるで季節がガラリと色を変える様に。その後すぐに俺は目線を下げ本に手が触れる。ひんやりとしたカバーの冷たさが少しだけ暖かく感じられる。それでも、なんだろう?


 ____この胸の高鳴りは。


 早くも無く遅くも無い。


 「拾ってくれようとしたの?」


 緊張をさえぎるように質問をする。


 「うん。でも、名取くんの方がタッチの差で早かったけどね・・・」

 「ごめん・・・でも、ありがとう」


 何気無い会話の中にある、何気ない大切。それは、誰にでもあるようで誰にでもない。今、こうして言葉を交わせることだって奇跡だと思える。そんな風に感じられたらどれほど、幸せだったのだろうか?一日一日をただ、消費する人生なんて《死んでいる》事と変わりはない。

 生も死も自分が自覚した時、初めて訪れるモノなのだと________。


 そう、今の俺にはそんな大事なことに気づける程、生きてはいなかったんだ。


 「・・・・・・ねぇ、名取くん?」

 「うん・・・?」

 「電車駅についてるよ・・・?」

 「あっ!」


 気づけば俺は停車した電車の中で一人の少女と落ち本に手を伸ばしたまま静止してしまっていた。そして、俺の手が彼女の指先が触れていた。


 「・・・・・・っ!?」


 バッ____!っと咄嗟に手を離すとそのまま立ち上がった。


 「はいこれ。大事な物なんでしょ?」


 うん?と言う表情を浮かべながらも少女は俺の取り忘れた本を拾い上げ軽くほこりを払うと、にっこりと笑みを浮かべ、それを差し出した。


 「ありがとう」


 五文字に込めた思い以上に彼女に感情を込め、言葉を発した。それに比例する様に彼女も「うん」と返事をする。その、瞬間の《ドキッ!》っとした感覚はその後の授業に多少の支障をきたしたのは言うまでもない。無論、いい意味で。


 (・・・・・・ん?)


 皮肉にもこんな穏やかな日常の片隅で闇を見た気がした。落とした本を拾って差し出してくれた彼女の顔はいつもの彼女で特に変わった様子などは微塵みじんも感じられなかった。それでも、この妙な空気感は消えることは無く。徐々に徐々にその、奇妙な異変を増大させていた。


 (切峰さんのあの手首の傷って・・・・もしかして・・・・・・)


 「どうかした?本当に急がないと電車に取り残されちゃうよ?」


 ぼーっとしていた俺の意識に少女の声が届く。再度、その傷を確かめようとしたが制服の袖がそれを隠していた。


 「あ、あぁ。急ごう」


 俺は気持ちここにあらずと言わんばかりに乾いた返事した。今でも継続して、起こり続けている胸の気だるさを抱えたまま。


_____________________________________


 放課後


 「この小説も読み終えたし、たまには図書室の本でも借りてみるかな」


 見慣れた表紙を鞄にしまうと俺は普段あまり使わない、図書室へと歩みを進めた。この学校の図書室は本の数に限っては優れているのだがその内容に関してはイマイチと言うのが利用者の意見だ。主に最近話題になった小説を始め、著名な人物のそれ。そして、時点などと言ったまず、借りないだろうという物で棚が埋まっている。

 そのせいもあって、ここの図書室には、ほとんど利用者がいない。


 「と言うか、俺が行っても借りれる本とかあるかな?」


 実際そうなのだから俺の不安は的中した。見渡す限りの茶色がかった分厚い本に哲学的な本。どこを取っても、ライトノベルの様な浮ついた物は置かれていなかった。

 図書委員の姿も無く、俺は誰もいない古書にただ一人取り残されてしまっていた。


 「はぁ・・・・・・やっぱりそうなるよな・・・」


 帰ろう。何の迷いも無くそう思った時だった。


 「・・・うぅ・・・・・ぐす・・・」


 かすかだが、室内に誰かの泣く声がした。


 「____!?」


 真っ先に思ったのが霊的な何か。声がしたのは俺のいる本棚を隔てた先の読書スペース。


 (棚越しに覗いてみるか・・・?でも、もし・・・・・・あそこを通らないとどっちみち出られないし)


 額に汗を浮かべ、慎重に足をスライドさせながら棚の隅を除く。次第に露になる光景に恐怖心をつのらせながら瞳に景色を映らせる。


 ガタッ____!


 (・・・・・・!?)


 息を殺し、気配を消したつもりでいたがそれはあくまで自分自身のみだった。片手に持った鞄が棚に触れ、わずかな衝撃音を生じさせた。聞き取れるかギリギリのその音は静まり返ったこの室内では一番の雑音に成り果て、深い絶望が生み出される。


 (気づかれたか・・・?いや、まだそうと決まったわけじゃない。このまま、もう少しジっとしていれば____)


 「誰かいるの!?」


 焦った声色で周囲を警戒する声がした。


 (あれ・・・この声ってもしかして?)


 「隠れてないで出てきなさい。その方が身の為よ。____死にたくないでしょ?」


 刹那、俺の思考回路は完全に体から分離した。それもそのはずだ。


 (死にたくない・・・?切峰さん・・・・・・何を____)


 タイミングの悪さは最早、言うまでも無く。その後の事を考える時間も残されてはいない。何か言わなければこの状況からは逃れることは無に等しい。しかし、いつもの彼女を知っている・・・それも、この学校に転校して来るよりも少し前から。だからこそ、得体の知れない彼女の発言には誰よりも興味があった。

 だが、もしもここで下手に詮索するような真似をしたら俺の立場が危ぶまれる。四方を敵に囲まれたかのような身動きのしずらさがあり続けた。


 「____っく・・・」


 意を決し足を動かす。


 「驚かせてごめん。俺だよ、切峰さん」


 平常心、平常心と言い聞かせいつもの様にフラットにただのクラスメイトの様に歩みを寄せる。あたかもそれが模範的な行動であるように____。


 「・・・!? 名取・・・・・・くん? どうしてここに!?」


 目を見開き驚きを隠さず彼女は発言する。


 「いやぁ・・・まぁ・・・その。今読んでる小説、読み終わっちゃってね・・・それで本屋に行くのも面倒だし、ここなら何か無いかなって・・・・・・」


 考えながら言葉を繋げたせいか、どこか棒読み感のある口調で問いに答えを返す。


 「・・・・・・そうなんだ。名取くん、本好きだもんね。そっか・・・」


 落ち込んでいるようにも見える表情で切峰さんは納得した。


 「あ・・・でも、俺が読みたい本はここには無いから、諦めて本屋に行くよ。・・・それじゃあ」


 足早にその場を後にしようと、彼女の横を通り過ぎようとした時だった。俺は左袖を華麗に掴まれた。その瞬間、ビクッとした脈打ちが体を襲う。


 「えっ・・・・!?き、切峰・・・さん?」

  

 どうして!?と言いたい気持ちを押さえ、少女の名を口にした。


 「____さっきの聞いてたんでしょ?」

 「さっきの・・・?」

 「私の泣いてた声。それに、死にたくないでしょ?って言葉」

 「・・・・・・」

 「それを聞いてて()()()は私に何も聞かないの?」

 「何も?」

 「こういう時、普通は何か聞くはずじゃない?それなのにあんたは、聞くどころか、聞かなかったことしようとしてる。それって、私を心配してるつもり?もしかして、私を軽蔑けいべつしてる?」

 「切峰さん・・・・・・」


 180度雰囲気の変わった彼女は殺気だっているようで落ち着いていて、それでもって悲しげだった。


 ________切峰 雪紗(きりみね ゆきさ)という一人の少女の深淵しんえんに触れた気がした。


 「ねぇ、名取くん?」

 「な、何・・・?」

 「《弱い》って言葉の意味知ってる?」


 弱い、彼女の口からはそんな単純明快な単語が発せられた。意味を聞かれたところでたかが知れている。それでも、彼女が聞きたいのはそんな一般常識的なモノではないはずだ。ゲームでのモンスターの強さ・身体的な強さ・知識的強さ・・・いや、彼女が言っているのはきっと、精神的強さの事だろう。確信はない。でも、泣いていたことと今の切峰雪紗の変わりようを照らし合わせるとどこかしっくりきてしまう。


 「それは精神的な事を言ってるの?」

 「!?」

 「そうなんだね。なんとなくだけど、さっき泣いてたからそうなのかなって」

 「だったら、どうなの?名取くんは私に何かしてくれるの?」

 「それは・・・・・」

 「正解」

 「正解?」

 「それが当たり前の反応。だから、私はあなたに何も望まない。最初からそれは分かってはいたけどね。・・・・・・いいわ、今日の事は全部忘れてあげる。だから、もう二度と心配なんてしないで」


 そう言葉を捨て、図書室を後にしようとした彼女を俺は何も出来ず、ただ見つめるしかできなかった。初めから諦めていたと・・・・最初から期待はしてない・・・・元から望んでなんかないと入り組んだ感情のおりの中で生き続けている様に見えた俺は唇を噛み、口を開いた。


 「だったら、だったらさ。俺が強いと思える世界では君を守らせてよ____」


 言葉を選ぶ猶予ゆうよ何て無かった。


 「____えっ!?」


 訴えるように儚い瞳で振り返った彼女が俺を見た。


 「こんなことで何になるかは分からないけどさ・・・その、スマホ出して」

 「スマホ・・・?」


 俺の意図を掴めていない少女は不安そうながらもブレザーのポケットに入れていたスマホを取り出し、画面を点けた。


 「ちょっと、貸してもらえるかな?」

 「いいけど・・・何する気?」

 「ちょっと、【フレンド登録】をしようと思ってね。あ、でも、切峰さんが入れてなきゃ意味ないんだけどね・・・?」


 未だに事の全容を把握しきれていない少女は不安げな表情を崩さなかった。


 「あっあった!やっぱり、皆、入れてるよね《FQO》」


 Fatal Queen Order・・・通称 FQO。

 若い世代を始め、ゲーマーたちの間でもそのストーリー性を買われ、今やソシャゲの有名作品の一つとなったRPGゲームだ。


 「入れてるけど。あまりやってないわよ?私、こういうのに慣れてないって言うか・・・」

 「俺もだよ」

 「え?」

 「戦力的にはそこそこだけど。今の話じゃ、()()()()()()()()()と思うから」

 「・・・・・・」


 顔に暗い影を落とし黙り込む、少女を見て俺は失敗したと確信した。


 「あ・・・あの・・・切峰さん?」

 「・・・名取くん?・・・・・・・」

 「な、何かな・・・?」

 「ふ・・・・・ふふふ・・・はは」

 「え、どうかした?俺何かした?」

 「何でもないよ。ただ、名取くんってたまにそう言うところあるなって」

 「え、どういうとこ?」


 クスッと口元に手を当て笑う彼女に俺は良かったと心でそう言った。その目尻には少しだけ涙が累積しており、さりげなく左手で振り払ったそれが図書室の窓硝子から射す、オレンジ色の光に照らされた。


 「これで登録完了っと」

 「ありがとう。えっと、名取くんはこれ・・・・?」


 少女の差し出したスマホの画面には俺のキャラクターとプレイヤー名が表示されていた。本当にあまりプレイをしていないのか画面越しにでもわかるフレンドの少なさ。それは一人や二人ではなく紛れもなく、俺としかフレンドになっていないという事を意味していた。それと____


 「《Kaito》って実名だよね?大丈夫なの?」

 「別にそうゆう名前のいっぱいいるし、なにせ俺の名前_絵人をカイトって読むほうが難しいと思うし。だから、そのままでも十分、偽名感は出せてると思うよ」

 「なるほどね」

 「切峰さんは《Kiriyuki》か。これって、自分の名前を略したの?」

 「うん。なんかいいのが思い浮かばなくて。霧雪って漢字にしたらしっくりきちゃって。霧の様に雪が散るって何か幻想的じゃない?」

 「そう・・・だね」

 「どうかした?」


 (それじゃあまるで死ぬみたいだとは言えない・・・・)

 

 校舎にチャイムが鳴り響く。


 「もうこんな時間か」

 「だね」

 「切峰さんは帰らないの?」

 「私も帰るよ」


 一緒にと言いたい感情を押し殺し、俺は「それじゃあ また明日」と一言残し、図書室を出ようとした。

 

 「雪紗でいいよ。・・・呼び方」

 「・・・・それって・・・・・・わかった。じゃあ、また明日 雪紗」

 「うん、また明日」

 (____絵人くん)


 誰もいなくなった静かな図書室には少女が一人立ち尽くす。



 「ねぇ、絵人くん君は本当の弱さを知らないんじゃない。知らないフリをしてるんでしょ?それでもいい、いづれ分かる日がきっと来るから。そう遠くない未来に____」


 ガラッと閉めたドアを後にし廊下を歩く。眩しく頬を照らす、オレンジが微かに暖かい。


 「これで私を殺す人が決まったのかな? ()()か君。 出来るなら私は____」


 その後の声は開けられていた窓から入った変則的な風によりかき消され、誰に聞かれることも無かった。


_____________________________________


 下駄箱に着き、俺はつい先ほどの事を考えていた。雪紗の言動、そしてもう一つの違和感。理由を聞きたくても、聞ける立場じゃないことぐらい分かっている。もしも、それを聞いてしまえば今の関係は崩れてしまうのだろうか?ただのクラスメイトである以前に戻ってしまうのだろうか?


 「とりあえず今日は家に帰ろう」


 帰路に着く足取りはそのままでも気持ちが後からついて来る。


 「____先輩」


 意識に直接届く形で聞こえた「先輩」と言う声に俺は足を止める。


 「名取先輩」


 振り返るとそこには、数日前、屋上で雲雀ひばりと会った茶髪でショートカットの女子高生が立っていた。


 「えっーと・・・君は?」

 「あ、紹介が遅れてすみません。私は泡沫 円澂(うたかた まるす)って言います」

 「泡沫・・・俺は名取 絵人(なとり かいと)って言わなくても分かるよね」

 「えぇ、でも、改めて自己紹介してくれて嬉しいです!だって、新鮮じゃないですか!」

 「新鮮?」

 「だって____」


 

________【キット=レイターって名前も今の名前も偽名なんですから】



 何を言っている!?何を・・・俺は君の事は知らない。でも、なんだ?この子とは以前どこかで・・・屋上で会ったあの日が最初だよな?いいや、違うこの子とは・・・・・・この者とは____。


 途方もない記憶の欠片が体を蝕む。当然、彼女の事は何も知らない。キット=レイターという名前も何もかも。なのにどうして、こんなにも懐かしいと思ってしまうんだ。

 どうして、これほどに会いたかったと思ってしまうんだ。


 「あ、それと、私の手紙早く読んでくださいね?さもないと、あなたの大切な人・・・どうにかしちゃいますよ?」


 無邪気に笑う。


 体が金縛りにあった時の様に動かなかった。


 そして、誰もいなくなった帰り道の途中で俺は我に返ってただ一言を口にする。


 ________マルス。




 



 

 

 




 




 

予告 第二章 【散り逝きの翼】


 きっと俺は切峰を殺す。


 それが選択なのならお前はそれを突き通せ。


 悪いが名取くんの大切な人、鎖で繋いでるから。


 あーあ、有緋・・・死んじゃったの?


 私はあの人がいてくれるならそれだけで____。


 絵人くん____。


 雪紗____。


 

 ________【俺は切峰雪紗の絶す顔が見たい】


 

 安息の日々は、血にまみれた日々が顔を出した頃、少年の瞳に映る世界は深紅色へと移り行く。

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