表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クソゲーは異世界を救う!~俺製クソゲー強制プレイ。クリアできなきゃ能力リセット!~  作者: tatakiuri
第五話 エルフvs.オークvs.クソゲー ~ソーシャルゲーム編~
43/45

5-9.世界救済の道連れ



 早くもジンの次なる目的地が決定した。

 すでに集落から踵を返して出発しようとする救援隊。それに従い停留させていた馬車に乗り込もうとする。行動は迅速でなければ。

 それに、エルフ達はどこか名残惜しそうだ。


「もう行くのか?」

「まだまだ騒ぎたりなげふんげふん!まだ貴方には感謝してもしきれないのに」


 ジンとしても一抹の寂しさがないわけではないが。


「まぁ、俺達にもやるべきことがたくさんあるから。こっちとしても、ここでは楽しくやらせてもらったよ。戦いの最中で不謹慎ながらな。

 特に……―――」


 エルフ達の人混みの一角に眼を向ける。

 その視線の先にいるへニュもまた、ジンの方を見返してきた。


「いや、いいや。いろいろ一段落ついたらまた遊びに来る。その時にはまたみんなでゲームしよう」


 そうとだけ言い残して、今度こそ馬車に乗り込むジン達。

 御者の席に乗り込み手綱を握る。

 馬なんぞこれまで操ったこともないジンだったが、乗馬シミュレーションゲームのクリア特典としてゲーム中の乗馬スキルを自身の能力として取得してみたら、案外簡単に乗りこなせるようになった。

 紛いなりにも現役の悪魔との旅になる手前、第三者となる御者などは雇いたくなかったのだ。


「よし、いくか」


 すでに移動を開始している救援隊の後ろについていくように、馬車を進ませるジン。


 と、その時だった。

 突如荷台に何かが乗り込んできて、ぎしりという大きな軋みが聞こえた。

 その何かの正体とは一人のエルフ―――へニュだった。


「ちょ、ちょっと!?」


 驚くジンに、開口一番へニュは言い放つ。


「よければ、ワタシも一緒にいかせてもらっていいですか?」

「えぇっ?」


 今しがたあまり第三者は連れて行きたくないと考えていた手前なのだが。

 しかし、へニュの眼差しは真剣だ。


「駄目とは言わないけど、これまたどうして?」


 ジンが問うと、へニュは一度馬車の後方へと眼を向けた。

 先程まで居たエルフの集落が徐々に遠ざかっていき、エルフ達の姿も小さくなっていく。彼らも、へニュを引き止めるつもりはないようだ。


「みんなの顔を見ました?」

「あ?あぁ。最初馬車を囲まれた時には誰も彼もが眉間にシワ寄せて怖い顔してたけど、さっきはみんな笑っていたな。

 全員無事に助かって嬉しいんだろうけど、それにしたって騒ぎ過ぎだよ、胴上げってされる側案外怖いぜあれ?やめてほしいよもう……」

「でも、それもみんなアナタのおかげですよ。アナタは戦いも起こさず、誰の血も流さず、敵であるオークすら殺さずこの事態を終わらせてくれました。

 みんなアナタと別れるのを寂しがってましたよね?

 ……もしアナタなしでエルフが戦って生き残ることが出来たとしても、友人や家族が死んだことを哀しむことすら出来なかったかもしれない。

 相手を殺すことに必死になりすぎて、身近な人との離別なんて気にする余裕もなくなっていたかもしれない。

 ワタシは、そうなるのが怖かったんです。でも、アナタがそれを防いだんです」


 へニュはしみじみとそう語る。


「……あー。まぁそりゃあ、誰も死なずに事態が解決出来るならそれが一番だ」

「アナタがそうしてくれたんです。ワタシ達エルフの未来に暗い影が落ちそうなところを、アナタが止めてくれたんです。

 ジンさん、アナタがこの世界を救うためにその力を得たんだとしたら、それは正しいことです。

 アナタならきっと、誰もが納得出来る形で、みんなを救える。ワタシは、そんなジンさんが世界を救うところ見たい。

 だからこれから一緒に着いていきたいと思ったんです」


 真っ直ぐな眼差しで言う。


「……で、本心は?」

「ゲームって結構面白いから、アナタと一緒にいれば他にもいろいろ遊ばせてくれるかなぁ、と」

「だと思った!ははははは!」


 思わず手綱を手放し手を叩いて笑うジン。


「手綱ぁー!ちゃんと握ってろ!」


 レヴィアタンがお怒りの様子で口を挟む。


「おっと危ない危ない。

 ……分かったよへニュ、最初からそう言ってくれればよかったんだ。

 一緒に行こう。俺達とゲームで世界救済と洒落込むか!」

「はい!よろしくお願いします!」

「じゃあ俺の仲間になったのならもう隠しておくべきじゃないだろうし早速一つ伝えておくんだが。

 そこにいるレヴィな、ホントは《魔界》からやってきた悪魔だから」

「へぇ~、そうなんで え え え え ! ? 悪魔ぁ!?」

「本名はレヴィアタン」

「レヴィアタン!あぁ『レヴィ』ってそういう……」


 突然のカミングアウトに驚愕するへニュ。


「そうだよ。まぁ彼女も俺の仲間だ。悪さはしないはずだから信頼してくれ。っていうかそんな力ないって見て分かるだろ?」

「まぁ、確かにオークに羽交い締めにされてたし、正直とても悪魔だとは……」

「あ!汝までそういうこというか、もお~!」


 ぽかぽかぽかぽか。

 例の激怒ぽかぽかをへニュに繰り出すレヴィアタンをジンがなだめる。


「まぁまぁ、正直俺もあんたに対してはあまりにも力を奪い過ぎたと後悔してる。申し訳ないことをした。

 レンビッツで、えーっとなんだったっけ名前が出てこん。えー……《なんたら教会》に捕まった時と、さっきのオークに押し倒された時に改めて痛感したよ」

「なに?」


 藪から棒な発言である。

 ジンはなんだかんだいって、レヴィアタンの能力をリセットしたことを後悔しているというのだ。


「だがら、やっぱりな、あんたから奪った能力の一部、あれ少し返そうと思うよ」

「えっ?……本当か!?」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ