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平成24年9月22日(土)

 日記ご無沙汰。

 今日衝撃的なことがあり、綴らなければならんっと思い出した。

 有楽町の献血ルームへと行ってきた。

 人生初の献血だ。

「何型ですか?」

 と聞かれ

「O型です」

 と答えた。

 検査をしてくれた綺麗なお姉さんは私の血液を見ながら首を捻った。

「検査の結果だとAB型と出ているのですが」

「………はい?」

 そんなはずは無い。

 両親はA型とB型の為、全ての血液型が出る可能性はある。

 しかし私は物心付く前から、母親からO型だと言われた。

 そしてO型として今まで生きてきた。

「AB型は優性なので劣性のO型と間違えるはずがないのですが…」

 採血のため差し出していた私の手がじっとりと汗ばんだ。

 私の困惑に気付いたのか、お姉さんは困ったように検査後の血液を見せてくれた。

 その検査ではAB型とはっきり示されていた。

「……そこを何とかO型でお願いします」

 深々と頭を下げて頼み込んだ。

「ご両親からO型と言われてきたのですか?」

「はい、友人からもマイペースな所が本当O型っぽいよね~と常々言われてきました。ですのでやはりここはO型でお願いします」

 馬鹿な事を言ったと今は深く反省している。

 その後も訳の分からない事を言い続け、最後には泉ピン子に似た貫禄あるスタッフに

「皆さん決められたものに属さなければならないんです。早く気付けて良かったと思いますよ」

 と慰められた。

 確かに泉ピンコさんの言う事も分かる。

 輸血が必要な瀕死の怪我を負った時に血液検査をし、その時ABだと発覚したら今よりももっと衝撃を受けるだろう。

 息も絶え絶えになりながら

「オーオーオー」

 と必死で抵抗する嵌めに陥る事になる。

 挙句医者には、見かけによらず外人なのかと在らぬ誤解をされるかもしれない。

 そう考えると献血ルームのスタッフの方には感謝しても仕切れない。

 その感謝を胸に、AB型として心を新たにし生きていこうと思う。

  

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