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第8話 胃袋を掴もう作戦


「リリア様が自らクッキーを!

とても光栄です。ありがたくいただきますね。」


ーー恋愛の基本、『胃袋を掴もう作戦』だ。


リリア様の家庭的なところを、さりげなくアピールできたに違いない。


順調な作戦の進み具合に、私が満足しているとーー、


「そのクッキーですが、」


リリア様が話しだした。


「そのクッキーですが、珍しい食用のお花が飾ってあります。食用のお花は、海を渡り、我が国に輸入されております。そもそも、食用の花は、我が国の土では、なかなか育たないのです。ですから……」


ストップ、ストップーー!!


いけない、いつものリリア様だ!

普段は控えめなのに、お花のことになると、止まらないのだ。


ポカーンと口をあけて聞いていたアルベール様は、やがて、笑いながらこう言った。


「リリア様、噂で聞いた通りのお方ですね。私もお花が大好きですよ。私達、気が合いそうですね。」


あらっ、こ、これは、意外な好感触!?


「はい、またお花を見たいです!!」

張り切って答えるリリア様。


リリア様は、純粋な眼差しでアルベール様を見つめる。


……なんだか、チャンスを一つ逃してしまった気がする。


頭を切り替えて、次の作戦を考えなきゃ。


一番手強いのは、リリア様だったかもしれない。

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