気付いたのは…
電気を消した暗い部屋で僕は一人嗚咽を漏らす。
少し前まで本当に近くにいたあの人の温もりを忘れられなくて。
いなくなると普段気付かなかった一人の寂しさに気付くんだ。
僕はあの日の道を通る。
忘れたいけど忘れられない思い出を胸の内に秘めながら。
それに、この道を通らないのは過去を否定しているような気がしたから。
いつもの自分を振り返る。
そして、いつも同じような理由で君を傷つけていた事に気付くんだ。
なんでこんなにもダメなんだろうと、自問する。
だけど答えは出なくて。
直そうとしているのに直せやしない。
伝えたい言葉があるのに上手く伝えられずに
そのことが歯がゆくて。
少しずつ距離が変わっていくのを感じてた。
もうすぐ1年が経つ。
お気に入りの音楽を聴きながら空を見上げる。
そこには澄んだ空があった。