浪漫のために羞恥心は無用である
二日連続でぇ!!二連投稿!!!
うん、またなんだ。すまないね。
誰にでも謝るわけでない謝罪が自然とこぼれる。
二度目となると慣れてくるものでこの空間に抱く興奮は流石に落ち着くというもので、本来ならもっと早くキャラメイクするのだろうなと我ながら呆れている。現時点で一時間は使っているのだ。
「まあ、微塵の後悔もないんだがな。」
それはそれとして、数舜前にかっこつけてみた挙句乗ってくれたのかシステム的な応答なのかわからないんだがシュトリーの見送りの文言はうれしかったのだが、今現在俺がしているのはキャラメイクだ。
大事なことだから、二回言っておくがキャラメイクなのだ。
「というわけで、ステータス君カモン!」
俺の悪友が好きなTRPGというレトロもレトロなジャンルだとこういうのを確か真っ新なキャラクターシートっていうんだったかな?うん確かに、意外としっくりくるものだ。
「まじでか、性別変更することができるのか.....うわ!?身長もか。やっぱ凄いな。」
事前情報で知ってはいたがやはりこういうのは実際に見てみないと感じられる感動は半減というものだ。
それにしても、見た目を変更するだけで色んなパーツがあるな。これだけで凝り性な人は数時間は潰せそうだ。しかしである、あいにくと俺はこういったデザインに関してはてんでダメなのである。
とはいえ、このゲームはMMO他人と交流するわけなので見た目は変えておいたほうが無難だろう。
「いったん俺の見た目を再現してもらおうか、 うへぇ.....」
そうして、デフォルトされた俺がいるのだが....ここまで死んだ目はしてないっての!
カァー!ペッ!ちくせう。しばらく目の周りをいじってみたのだがどうにもしっくりこないため泣く泣くそのままの造形にすることに。
「うーん、めんどくさいぃ......。髪質をくせっけにしてー」
「だめだ、やっぱ向いてねぇわ。後回しにして、先にステータスを決めよう。」
そうして、スクロールを下に下げていくのだがどうやらこのゲームは種族は人間で固定らしい。わざわざ、こうしてあるってことは後から種族が変わるのだろうか。
「うっわ、どんだけ職業があるんだこれ。」
ざっと見る限り50は超えるぞこれ。それだけでなく出身、要はバックボーンも決められるらしい。
職業とバックボーンはステータスに影響を及ぼす効果のようだ。ただ、バックボーンはマスクデータに影響が出そうなフレーバーテキストが多かったので慎重に選ばねば。
「うーん、悩ましいな、そもそもVRゲームそのものが久しぶりで操作感とかも考えないと.....。」
なかなか、ピンとくるものがなく悩んできたがふと天啓が降りてきた。もともとこのゲームには未知との遭遇を期待しているのだ。つまり、長く観察する必要性があるわけだ。
「よっし!方向性がみえてきたぞぉ!なら、体力多めでああ運も大事だレア泥もあるらしいしなら逃げ足も」
そんな風に思考に溺れて、キャラメイクを終えてみて出来上がったのを見てみたのだが.....。
「なんてこった......。」
完成したのは、なんというか何だろう.......少なくとも服はちゃんと来ている(しかし、ボロイ)。
オッドアイのような痛い見た目じゃない(目は死んでいるが)。
顔の造形は現実の俺に近いから歳を三十歳くらいたして老けさせ無精ひげを生やしてみた。ついでに深い隈を付けた。
ちなみに、金髪とかは趣味じゃないので黒髪黒目のまま。
髪は元からぼさぼさだが念のため目深になるまで伸ばしてみた。(いわゆるメカクレ)
「これ、あれだ。薬でも売ってそうな裏社会の人間風だ。」
いや~、まさか初期防具の中でまさかジャンバーみたいなのがあるとは。しかもこれ、防御力低い代わりに温度系耐性があって思いのほか気に入ってしまい。それ系列に色々合わせちゃったらこうなってうん。
そしたら不思議と、裏路地にいそうな輩に。
それに、これよりヤバい見た目の奴なんていっぱいいるはず.....。うん、そうに違いない。
これは、あくまで探検家。
「そう!これはあくまでも JOB:探険家 で 出身:裏路地 なだけだから!」
自らにそう言い聞かせ、最後に名前を入力する欄に手をかける。
「名前は.....そうだな.....ぜっ、全然思いつかん。クオンでいいか。どうせ、バレないだろう。まさか、中年の見た目している奴が学生とは思うまい。多分」
さて、これで完成だ。あとは、オープニングを見るだけだ。
ワクワクが止まらないな。
「いざ!Call of Forgotten godsの世界へ!」
補足
JOB:探険家はCON(生命力)、DEX(器用)、TEC(技量)、LUK(幸運)に補正がかかります。持っている武器は短剣と鞭となっています。
出身:裏路地はSTR(筋力)、AGI(速度)、POW(精神力)に補正がかかります。しかし、なかなかないデメリットも有しています。
Call of Forgotten gods:二年ほど前にC.R.A.F.T社が最新型ヘッドギアとともに世に送り出した大型MMORPGのタイトル。広大で自由かつ幻想的で混沌とした世界をうたっており、SFの要素だけでなくファンタジーの要素もふんだんに含んでおりいつまでも遊んでいられるという評価もある。
しかし、このゲームを最初期からやりこんでいるプレイヤーたちからは何やら不穏な情報があるようだが真偽は不明である。
このゲームの大筋としては、何百年にも前に滅んだとされる超文明その生き残りとされているプレイヤーたちが様々な信条を掲げ世界を探索していく、というものになっている。