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異聞クトゥルフ神話探索記  作者: 変だ、損
朽ち果てる羊は楽園の夢を見るか?
17/95

低予算ロケットパンチ

あー、このゲームには通常のクエスト以外にユニークモンスターといった特殊なMOBが存在があるらしい。ゲーム発売されてから今に至るまで一体すら倒されていないほどの異質な存在だ。それの情報を人のいるところでこいつ?!


「おい!お前周りに人がいんのに何考えてんだ?!」


「落ち着け、当然対策はしてある。俺のスキルで周りの認識から外れている、少なくとも低レベル帯の人材しかいないここでは見抜かれることもない。」


要するに今の状況はお前ひとりがなんか騒いでいる存在ということだ。そう言って、ニヤリと笑う。まじでこいつほんまに…。数少ないこいつの悪い癖が出る形になったのだが俺の返答は決まっている。


「保留で。こっちは、チュートリアルクエストが終わったばかりだしそのハスターとかいうやつの性質もわかっていないんだ。いきなり爆弾投下されても困るだけだ。とりあえず二、三日くれ。」


「そういうものか?」


「そういう言うもんなんだよ。お前が俺のことを信用してくれているのは嬉しい限りだがな。それともなんだ?時間制限があるものなのか?」


「いや、そういったものはない。確かに急すぎたな、すまない。ただ、レベルは上げ過ぎないでいてくれると助かる。」


「はいはい。それはそれとして案内サンキューな、助かったよ。とりあえず二、三日後にまた会おうな。そんでその時に詳細を頼むわ。」


「ああ、受けることに前向きなことに感謝する。またその時は頼む。」


そうして俺たちは大通りでわかれることになった。







ルティマの相談事に一応乗り気ではあるのだが如何せんまだあまりにこの世界の戦闘に俺はなれていなさすぎるのだ。防具こそ充実しているとはいえ武器が初期装備のままだしな。


「まあ、まずは武器の更新からだな。」


そうして俺は前買った地図を頼りに武器屋へと向かったのだが少しばかり困ったことが起きた。


「まじでか、短剣はあるけど鞭カテゴリには取り扱いがないのか…。」


通常のステータスウインドウとは違い用紙状の一覧表を見てこぼれたのが実情だ。あいにくと先生との武装持ちゾンビどもはほぼ先生が一人で倒した判定らしく装備も素材も経験値も稼げていないためインベントリの中には予備になる粗悪な武器すらないのである。

それにしても在庫がないのは不思議になったので武器屋のNPCのおっちゃんに聞いてみるとなんとビックリ、なんと鞭カテゴリー系列はそもそも使い手が少ないらしく売れ筋の商品じゃないため在庫がないそうだ。俺がどうしたものかと頭をひねらせているとおっちゃんがいいことを教えてくれた。


「素材さえ寄こしてくれりゃあ作ってやれるがどうする?」


「そりゃ願ってもない提案だ!」


早速、余っていたゾンビの素材やスケルトンの奴も出してみて何か作れないか尋ねてみたのだがあいにくこれらのアンデット系列の素材は教会取り扱いの薬品関係の素材であるらしくおっちゃんに鞭や短剣に向いている素材が手に入るエリアを教えてもらい俺は早速そこへ行こうとしたがその前に食料とかの準備をしとかないとな。







現在、ルージュへ続く砂漠地帯とは反対方向にあるエリア、エベレスト並みの山脈があるエリアなのだがルージュ側が下水道という初心者用の通路があったのに対してこちらは廃坑のようだ。

ちなみに、正式名称は堅々轟々の廃坑回廊らしい。ここからが本題なのだが鞭にも鉱石は有用らしく短剣の材料も取れて一石二鳥のこと。

何というか、下水道といいこの廃坑といい作られた経緯とか気になってしまうのだがあいにくおっちゃんは知らないそうだ。残念。


「それはそうとして、おっちゃんから勧められたこのピッケル結構いい値するがその分耐久値が高いし、軽くていいな。」


軽いといっても中華鍋以上の重さはあるのだが試しに他のピッケルを持ってみたのだが体が持っていかれて大変だった。採掘中に襲われることもあるらしいので素早さを割と重視している俺のビルドとしてはありがたい限りだ。


「にしても、ここも結構複雑な構造しているな、下水道といい勝負してるんじゃないか?ギルドに寄って地図変えてよかったわ。」


流石に二度も迷子になって飢え死に仕掛ける趣味はないのである。


「いや、廃坑だからもう掘れるものないんじゃないかと思ってたんだけど、まじ?」


回廊というだけあって掘り出した土砂などを運び出すためのトロッコ用の錆びた線路が敷かれている結構広めな通路を抜け、それなりの広さを持つ部屋に出るのだが、そこででっかい岩石の塊が複数あるのだ。

一部に鉱石と思われるつやのある部位があるので、これかと思いツルハシを持って近づいたのだがまさかまさか合体して動き出すとはちょっと想定外だった。


「おいおい、六メートルはあるぞこの岩の巨人…。」


引き攣った笑みを浮かべながら俺は挨拶代わりだと言わんばかりに投擲されてきたゴーレムの右腕を先ほどまで構成していた岩塊を全力の横っ飛びで回避した。




ちなみに、初心者が本来最初に戦闘をするのはブラン近辺の平原にいるホーンラビットやゴブリンなどなのです。

しかしながら、この主人公そこな辺を探索するチュートリアルクエストを下水道スタートしたため不要と管理AIに判断されたので平原の存在こそ地図で知っているが興味惹かれなかったので後回しにしているんですね。あーあ、ゴブリンと会える機会を逃しちゃった主人公かわいそ。

ちなみに、まだセリフすら与えられていないヒロイン可哀そうw

うん?誰か来たようだ?うわなにをするやめ…

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