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異聞クトゥルフ神話探索記  作者: 変だ、損
朽ち果てる羊は楽園の夢を見るか?
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事故物件で飯を食う。

???「私、いつになったら登場できるんですか?」

作者「ごめん、まだ先になるかも」

その後、俺は先生の指導のもと下水道の上層要するに弱い奴らが蔓延っているところで狩りをしながらブランの街に無事に到達した。

その際に俺は先生の代わりに戦闘することになったのだがやっぱり序盤の敵。特に苦戦はなかった。


「先生、今日はとてもお世話になりました。」


「うん、面倒だったけど....。また機会があったら、あの場所に尋ねてきてね…。それじゃあね...。」


「じゃ、またいつか。」


なんともあっさりとした別れ方になったのだが、たった一日の付き合いだ。案外そんなもんだろう。先生は道を引き返してまたルージュに戻っていった。今度は俺のスピードに合わせる必要がなくなったのか残像しか残らないスピードで帰っていったのだが。嫌われているわけではないと思いたい、うん。




「にしても、ここがブランかぁ。」


なんとも、THE 中世の街並みみたいなルージュとは違って普通な景観だ。まあ、最初の場所がいきなり変わり種だったら諸々の不都合があるだろうし文句はない。


「おっと、街並みを見て回っている暇はないんだった。流石にセーブしないとな。」


このゲーム、基本的にログアウトするには宿などの施設を利用する必要があるので適当に探して止まることにした。


泊まろうとする段階で現在俺が無一文であることを思い出し、踵を介してギルドでゾンビたちの素材を売り払うことになって少々時間を取られてしまったが結果的には泊まれたので問題はなかった。








意識がはっきりすると同時に俺はすぐ隣からかけられた声に飛び上がった。


「おはよう。随分遅いお目覚めじゃないか、久遠兄さん。おかげでもうお腹ペコペコだよ。」


「あー、とりあえず謝るがいつからそこに?」


そう真横で俺のほっぺを人差し指でぐりぐりとつついてくる妹を引き離しながら問いただす。


「大体十分くらい前だよ。全くこの僕に飢え死にさせるつもりかい?なんならあんまりにも遅かったから偶然訪ねてきた彼女たちを家に上げてしまったよ。」


「まじ?」


「オオマジだとも。寝坊助兄さん。」


俺は急いでヘッドギアを外し一階にある台所へと妹を置き去りにしながら慌てて駆け下りた。後ろから妹の抗議する声が聞こえるが無視だ、無視。抗議したけりゃ恐らく料理を作ってくれているメンツを手伝ってから言えっての。

すると、既に料理を作っていたのかいい匂いが階段にいる時点で感じられた。うん、確定だな。


「すまん!今、手を洗うから待ってろ!」


「うむ、気にするな。」


そう声を返してきたエプロン姿が様になる金髪の男は七ツ島 圭と言う。ちなみに地毛だ。この人との出会いは妹の交友関係で茜という妹と同級生の子が遊びに来た際付き添いとしてきたのが始まりだ。同じ兄という立場で妙に会話が弾みたまにこうして遊びに来る。ついでに以前映像解析を頼んだのがこの人だ。


「やっほ!久遠さん!お邪魔してまーす!」


噂をすればなんとやらでソファで寝ころび手をぶんぶんと振って元気が有り余っている同じく金髪の少女が茜だ。どうしてあの偏屈極まった中二病と仲良くなれたのか今も謎だ。家が近くにあるため妹の迎えを頼んでいる。ホントにこんないい子がどうして…。


ちなみに、お互い両親が仕事で全国各地を転々とする人種なので基本的に家にはいない。別に育児放棄しているわけでもなく圭が二十歳を超え始めたぐらいに今のスタイルになっていった。


「なんか、物凄く失礼なことを考えていないかい?」


「何、お前がどうすれば茜ちゃんみたいにいい子になってくれるのか考えていたとこだ。」


「なんだい?喧嘩を売っているのなら買い叩いてあげるけど。」


俺が鼻で笑うとぽかぽかと叩いてくるが正直に言ってチワワと喧嘩して負けるレベルの身体能力の妹に何されようと痛くも痒くもないのが実情だ。でも、邪魔なのは確かなので。


「ほい、パス!」


「あいよー!」


そんな阿吽の呼吸のように手際よく妹を茜ちゃんに引き渡してかまい倒してもらうまでがよく見る流れだ。さてと、妹を無力化したので作業に戻らないと。


「悪い、ゲームして遅れてた。今何作っている?」


「気にしなくていい、俺もよくするからお互い様だ。とりあえず、簡単にできる野菜炒めを作っているから味噌汁を頼む。」


「オッケー。」


そうして俺たちは()()()の夕食を作り終えて席に着いた。

いただきますをして、色々話したのだが妹はさっさとチュートリアルを終わらせて俺を待っていたのだがいつまで待っても来なかったから軽く狩りをして情報収集に時間を充てていたらしい。なんか、申し訳ない気持ちになったが俺の話を聞いて爆笑しながら煽ってきたのでそんな気持ちは一瞬で消え失せてしまった。人が珍しく謝意を抱いたらと思ったら、こいつぅ!


そんなこんなでいつもの愉快な夕食を一通り楽しんで、かたずけを終えのんびり過ごしていい時間だからと解散することにした。今日あったゲームの出来事に疲れ切ったので俺はすぐ眠ることにした。夏休みは始まったばかりなのだから。

本城家の家

幽霊が現れることで有名な事故物件でありこの辺りに越してくる際に久遠がひたすらに駄々をこねてここに住むことになった。事故物件であることを目をつむれば相当広くて何もかも好条件な家であったので決定された。ちなみに、幽霊はいなくて実際にいたのはブラウニーであり基本姿を見せないが久遠が駆けずり回って見つけ出しその上でパーフェクトコミュニケーションを取ったので今では姿の見えない良きお手伝いさんとして過ごしてくれている。ちなみに、キレると本城家一ヤバい人?である。

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