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ラフサーガ  作者: 笑太郎
二章 想像せよ、彼女の操る野望は其処へ
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大いなる木乃伊よ、我らの光に平伏し給え

頑丈な千足(ムカデ)の脚を使った武器ならボスミイラによる凶器での攻撃も受けきれるはずだろう、多分!

一応左腕に装着している鉄のアームカバーも添えておこう。流石にこれをも貫通するとは思えんしな。

準備は万端、試し斬り行くぞ!


そして刃を振るった瞬間、()()()()()()


「うおえぃっ!?」


何これ、変形!? 千足と戦ったときそんなのあったっけ?

いや、これ多分関節の動きか。脚だし。しかも通常時だと気づかなかったけど内側に棘があるな、なるほどこれが戦闘モードってワケか。


「命を刈り取る形をしてやがるよなぁ……それを今からお前が食らうんだよ!」


腕さえ落とせばお前なんざ脅威たり得ない、ハスナが生み出してくれた隙を上手く使ってすぐに終わらせてやるよ!


手鎌のような形状へと変化したサウゼンテダガーがボスミイラの腕の一本に引っかかる。


「オラオラ切れろやァ!」


内側の棘を使ってノコギリを使うように前後に動かし、腕の切断を試みる。が、間に合わず、頭上からハンマーが落ちてきた。

ハンマーが地面に激突した衝撃で神殿内が揺れる。

生き埋めになったらシャレにならねえよ!


だが別に武器を振り下ろすスピードがめちゃくちゃ速い訳じゃない、だから隙はすぐに生まれる。

またハンマーを振り下ろされて天井が崩れたらたまったもんじゃないからな、最優先でハンマー持ちの腕を斬る!!


「クソッ、流石に見透かされてるか」


ボスミイラは腕を切り落とされないように更に二つの腕をクロスさせ、こちらの動きをジッと待つ。けどお前……


「俺以外にも敵がいるって忘れてねえか?」


ボスミイラの背後でまばゆい光が発生する。

先程ハスナが放った技である閉ざしの拓き(フィル・クリア)。誰もそれは一発限りの技とは言っていない!


「判断を見誤ったな!」


再度ハスナから放たれた交差する二つの黄金色の斬撃が今にも取れそうな腕めがけて飛ぶ。それはボスミイラが反応するより速く──

ハンマーを携えていた腕が切断され、地面に落ちた。


残存する腕は四本。俺とサキ、そしてクマークで隙を作り、そこにクチクかハスナどちらかの斬撃で腕を落とす。ここからの戦い方はこの流れで固定しよう。


ちなみに新武器であるサウゼンテダガーを使ってみた感想だが……正直な話、サウゼンテダガーってもしかしなくてもそこまで強くないんじゃね?

なんでダガーのクセしてノコギリみたいにギコギコ前後に動かさなくちゃいけないのか。それは本当にダガーと名乗ってもいいのだろうか? それってミニノコギリとかになるのでは? ……そんな思考で俺の脳内が覆われる。クソッ、過ぎたことだからしゃーない。


「まあこういうのは戦闘以外でお世話になりそうだしな……すまんなサウゼンテダガー、こっからは小道具として使わせてもらうぜ!!」


早速コイツのいい使い方を思いついたんだ。もうただのノコギリとは言わせないぜ、言ったの俺だけど。

まずはとりあえずボスミイラめがけてダッシュ!!

しかし当然だが黙って突っ立ってくれる訳もなく、四つ腕のうちの一本が俺に襲い掛かる。


「おっと危ねェ、けど腕を振り下ろしたのは悪手だったな」


体勢を戻そうとするボスミイラ。タイミングを合わせ腕が上がったその一瞬、フックのようにサウゼンテダガーをボスミイラの腕に引っ掛ける。

そして腕と共に上げられた俺は引っ掛けたサウゼンテダガーを外してそのままボスミイラの頭部へ飛び移り、頭部を押さえつける。次の工程はクマークに任せてもいいが、俺が巻き添えを食らう可能性がある。となると誰に頼むかだが、当然一人しかいない。


「サキ! 顔面狙ってくれ!!」


「よしきたぁ! ようやくコレを使う時が……」


サキの懐から取り出されるはあの日ルターロ村で買った投げナイフ。買ったはいいものの基本的には近接戦の魔物だったり攻撃が通用しにくい魔物だったり、そんな敵と戦う羽目になりほぼ用無しに。

だがそんな不憫な武器が今、初めて日の目を浴びる。


「小さいし、もしかしたら()()できるかな」


「何が!? ちょコイツめちゃくちゃ暴れるからできれば早くしてくれ!」


「……よしっ、やってみよう」


細く白い手から軋む音が鳴るほどに一本のナイフを強く握りしめる。悪樹との戦いで繰り出した手闘と同じような感覚を手に馴染ませたのち、ナイフに光が帯びる。


「本当に纏えちゃったよ……そしてこれを……!」


闘気を纏い、投げられたオレンジ色のオーラを放つ投げナイフはより一層威力とスピードを増し、ボスミイラの頭に直撃する。

闘気は自分のみならず他者や物体にも影響を及ぼす。それを少し理解していたサキだからこそ思いついた、道具に対しての闘気の付与……結果として大成功であった。

突然頭を投げナイフで刺されたボスミイラは藻掻き苦しむ。


その藻掻き苦しむ様を黙って見ている暇などない。クチクとハスナがそれぞれ武器を構え、ボスミイラへと飛び込む。


クチクは左腕、ハスナは右腕。それぞれの狙いに向かって走り、時には攻撃を避ける。


剣の振り下ろしをステップで躱し、その直後に突き出される槍の攻撃を己の剣で逸らす。


己を巻き付けんとする釣り糸を避け、触れれば真っ二つであろう鎌を跳んで避ける。


ボスミイラの攻撃を全て見切った二人は既に懐へと入り込み──


「〝一断(ヒトタチ)〟」


「〝閉ざしの拓き・奈落フィル・クリア・ダイブ〟!!」


下段の構えから上へ。その一度の斬撃でボスミイラの左腕二つが落とされる。


一瞬の跳躍の間に一撃、そこから更に一瞬にしての着地の間に一撃。合間合間に挟まれた慣性によって威力を増した双剣の斬撃でボスミイラの右腕二つが落とされる。


「ガアアアアアア……!!」


元は六つ腕だったボスミイラことゼクスアーム・マミィ。クィントアームどころかツヴァイアーム未満の腕の数……ゼロになってしまったボスミイラは敗北を悟り、自らの死を待つ。


「ふう……クマーク」


「……ズット諦メカケテタ僕ニ、ヨウヤク希望ガ見エテ来タンダ……ダカラモウ、コレデサヨナラ!!」


ボスミイラとの戦いは、ボスミイラに因縁を持ったクマークの巨岩落としによって幕を下ろした。

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