表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラフサーガ  作者: 笑太郎
二章 想像せよ、彼女の操る野望は其処へ
37/43

圧倒的恐怖、古代亡霊の祟り

古代神殿デソロピア内部の広い階段を下りる。空間の明るさは壁に均等に設置されている松明のおかげで悪くない。

しかし思ったよりも長い階段だ。ここまで掘る必要あったか? と思えるくらいの深さだ。終わりがギリギリ見えるレベルって……当時の人相当頑張ったんだろうな。


「何のために掘ったんだろうな……」


「言い伝えでは、神に値する存在を祀る場所といわれているな。皮肉なことに、ここで何人も亡くなっているが」


え? 今サラッと怖いこと言ったよな? やめてくれよマジで……こういう場所でそんな話されるとちびりそうになるから。マジで。


「こっ……怖いこと言わないでよハスナ……」


「ふ、ふははは! 何ビビってんだよサキ……ダダダダセェぞお前!」


「お前が言うなよ!」


バレてた。いやまさか神を祀る場所で人が死ぬなんてな……死因は何だろうか、もしかして祟りとか?


「……私の両親がそうだ」


「………………」


あ、やらかした!! 俺が話題振ったせいで雰囲気が嫌な方向にガラッと変わってしまった。


「すまない、忘れてくれ……雰囲気を悪くしてしまった」


「あ、いや俺が話題振っちまったし……思い出させてごめんな」


ハスナはおそらく俺たちとさほど変わらぬ年齢だろう、その歳で両親を亡くしてしまっているのだから精神的ダメージは大きいはずだ。俺の両親も今はいないようなもんだが……それとはまったくもって訳が違う。


「……いや、実をいうと、私がここに来た理由は動力炉のためだけじゃないんだ」


ハスナはここから表情一つ変えずに、過去の出来事を話す。


「二年ほど前だったか……まだタリオーラがいなかった頃、私の両親はここへ探索によく行っていてな」


タリオーラがいなかった頃ということは、まだ魔物が現れてからそんなに経っていない時期だろう。


「何度か探索していたら、何やらオレンジ色に光る液体を発見したみたいで、何かに使えると思って一度それをボントールに持ち帰ったと」


「オレンジ色に光る液体かぁ……」


「飲んだりした?」


「話的に飲めるわけないだろう」


流石にな。と軽く三人でボケツッコミを入り交えながらハスナの話に聞き入る。


「……液体を調べたところ、それは高密度のエネルギー体でな。電気やら熱やら、様々なものに活用できる凄い物だったんだ」


「謎の古代エネルギーってか」


「そうだな。……それで、数か月おきに使い果たした古代エネルギーを採取する部隊に両親が就いたんだ」


一回でどれだけ採取したのか知らんが、一つの町に数か月はもつレベルのエネルギーってとんでもなくないか……? 古代の力ってすげー!


「何度目だったか。部隊がその日エネルギー採取に行ったとき、神殿の奥地が崩壊したんだ」


「……老朽化だろうな」


果たしてクチクの考えは正解だった。実際、今階段を下りているが、壁や階段、ましてや天井もボロボロで所々ヒビ割れている。いつ崩れてもおかしくない。


「それにご両親は巻き込まれたのか……」


無言でハスナはうなずく。


「ここへ来たのは私の両親と、その仲間の皆の弔いの為でもあるんだ」


目を瞑りながら、かつての生活を共にした仲間を想う。


そうして話しているうちに、ようやく長い階段の終着点へと来た。

そこに広がっていたのは古代チックな奥深くまで続く広い空間と、そこをベースとして別の場所へと続くであろう穴のような道が左右のそこら中にあった。


「ハスナ無しで来てたら完全に道に迷ってたよなこれ」


左右そこら中にある穴のどれにも進めるので、正解ルートがぱっと見じゃ全く分からない。数時間とかかけないと攻略無理だろうな、いやそれどころか一日中いたかもしれないぞ。


「ああ、正しい道なんて私くらいしか知らないだろうな。こんな場所」


「ハスナ、ここって他の人も来るの? 冒険者とかさ」


「ん? 基本的には来ないはず……だが……」


サキの疑問を皮切りに、謎の叫び声が聞こえ始める。それは徐々に、徐々に。大きくなっていく。

ここに来てまたホラー要素か? もしかしてここで死んだ人の亡霊とかじゃないよな? やめろよ!?


そしてその声は眼前へ……!


『ア゛アア゛アアアアアァ!!』


ああああああああああ!! 化け物ォォ!!


『うわァァァァァァァァン!!』


ってよく見たら普通に冒険者だったわ!! 紛らわしいわビビらせやがって!! 叫んでたの俺とサキだけだし!

ってあの冒険者……入口まで大泣きしながら全速力で駆けてったぞ、まさかそんなオーバーリアクションで逃げるほどの理由がこの先にあるのか?


「なあハスナ……ここって魔物とかいたりする?」


「遭ったことは無い、が……最奥に関しては未踏だからいないと断言はできない」


あー……こりゃ「いる」ねェ……基本的にこういうダンジョン系って最深部にボスがいるのはもうお約束というかもう常識レベルだからな、絶対いるわ。魔物。

だからと言って恐れる理由にはならない。俺たちを誰だと思ってるんだ? 魔物の中でもエリートであろう四天王の一角とやりあって五体満足で生還した冒険者だぞ! 今更一ダンジョンのボスごときに恐れをなすタマではないッ!


というか逆に、どんな魔物が待ち構えているのか気になってる節すらある。あんま言うと倫理的にアレかもしれないけど、たまに嫌いじゃないビジュの魔物とか出るしな……イラストだけではあるけどエビルケルタ・エクシティとか。アレは禍々しくてカッコよかった。正直ロマリウスより強そうなんだよな……


まあ何はともあれ、解錠砲を起動させるための動力炉を見つけて持って帰るのが今回の目的だ。

防衛戦を前にしてこんな場所で時間かけてられるか! そんじゃ最速攻略行くぞォ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ