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第6話 残念!耐久力向上でした!!

「……ルフ、ラルフ!」


「っ⁉な、何⁉」


「何ってこっちの台詞だよ!ラルフ、何回呼びかけても気付かないんだもん!」


「え?………ああ。ごめん」


『集中』のスキルは強力である。あまりにも集中しすぎていて、ニューニャの声に気付かなかったくらいだ。これにはラルフとしても危機感を持たざるをえない。


(戦闘中に『集中』のスキルを使うのは危険かな。1人に集中していて他に気付かずに後ろから、何て言うのは怖いからね)


そんなことを考えながら剣を振ることをやめた彼を見て、ヴァーム爺は1度大きく頷く。それから、人の良さそうな笑みと共に、


「剣を振って疲れたじゃろ。今日はここまでにしておこうかの」


「はぁい!ありがとうございました!」「ありがとうございました」


ニューニャは元気よく、ラルフは落ち着いて礼を述べた。ニューニャは全身から汗を出して肩でを息をしている。それに対してラルフの方は汗を出しているものの、息はそれほど乱れておらず疲れもあまりない。


(意外と僕、体力があるのかな?もしかしたら気力の操作が、意外と体力を使うのかもしれないね。あれを使い続けてるとよく眠れるし)


そんなことを思いながらニューニャと並んで帰る。


「楽しかったね!」


「そうなの?僕はよく分かんなかったけど。木刀も粉になっちゃったし。……でも、ニューニャちゃんが楽しめたなら良かったよ」


「うん。ありがと!すっごい楽しかった!だから、また明日も行こうね!」


「えぇ~。明日も行くの?べつに良いけどさぁ」


適当な雑談をしつつ分かれ道まで来て、何かあるわけでもなく分かれた。そのままラルフ自分の家まで小走りして行き、


「ただいまぁ!」


「おかえり~」


元気よく家族に言葉をかけた。ニューニャやヴァーム爺と話しているときよりかなりテンションが高い。年相応とまでは言わないが、かなり幼さがあるように見える。

それだけ、彼の家族に対する愛情は深いのだ。


「今日はヴァーム爺に剣を習ったよ!ニューニャに連れて行かれてさぁ」


「ヴァーム爺に?……ああ。もう5歳だから、ヴァーム爺も許してくれたのねぇ。ずっとニューニャちゃんは剣を振りたいって言ってたし、凄く喜んでたんじゃないかしら?」


「うん。スゴイ喜んでたよ。明日もやろうって言われた」


「あらあら。女の子だから1回やったら落ち着くだろうって思ってたけど、気に入ちゃったのねぇ」


ラルフが前世でいた世界なら女性差別とも言われかねない発言。だが、異世界でそんなことが気にされることはない。彼も特に気にすることなく会話を続けた。新しい話題が出たことでその日の会話がいつも以上に盛り上がったのも当然だろう。

そんな会話をして盛り上がり、あっという間にその日は終わって次の日。


「えい!はぁ!」


「ふっ!ふっ!」」


前日と同じように剣を振っていた。やることは変わらない。ひたすら剣を振るだけだ。剣の乱れを直し、ヴァーム爺の指示に従い、ひたすらに剣を振る。昨日も成長していたが、今日も成長を感じた。


(転生したのをバレないようにしたいたから力を抜いてるけど、それでも身についてる気がする。ヴァーム爺の教え方が上手いのかな?それとも、僕に剣の才能があるかな?)


正解はどちらもだ。ヴァーム爺だって騎士団の団長をしていたこともあれば、その騎士達の教育をしていたこともある。そう言った経験から教育面に関してもかなり腕がある。そして、勇者になる素質があるのだから彼の身体に才能があることも確かだった。そして、それに加えて彼の集中力が努力を支えている。


「はぁ!!」


「てぇい!!」


そんな感じの生活が暫く続いた。3日ほど経つところで、

《スキル『剣術(入門)』を獲得しました》


更に3日後。今度は剣術ではなく、

《スキル『気力剣(入門)』を獲得しました》


「や、やったぁ!枝が折れない!!」


ラルフは枝を掲げて喜んでいた。彼が喜んでいるのは、気力を枝に流したのに枝が崩れ去らなかったからだ。剣術以外で外に出ているときはひたすらこの練習をしていたが、やっと成果が出た。


(気力剣かぁ。どんな効果があるのか分からないし、ちょっと試してみようかな)


そう思って、周りを見渡してみる。それから、丁度いい木を狙って枝を当ててて見た。触れた瞬間バッサリ木が、………と言うこともなく。ただただ枝と木がぶつかり合って反動が手に帰ってきただけだった。だが、ここで諦めないのが勇者。


(ちょっと使う枝が太すぎたかな。もっと細い枝を使ってみようか。細い方が斬るのには使えるよね)

そう考えて細い枝を拾う。それから、先ほどよりかなり力を入れて木に枝を振り下ろした。


カンッ!

「あぁ」


思わず声が漏れる。結果は惨敗だった。普通にはじかれてしまったのである。


(くぅ。わざわざ今にも折れそうなくらい細い枝を使ったって言うのにぃ!全然斬れないじゃん!!………ん?今にも折れそう?)


自分の考えていたことに違和感を憶える。それから、もう1度自分の手に持っている枝を見た。その枝は、確かに今すぐ折れそうなほど細い。だが、ラルフはかなり力を入れて枝を木に当てたはずだ。


(なのに、折れることは勿論欠けることもない。……と考えると、気力剣の効果は、切れ味じゃなくて耐久性の向上なのかな?)


それならそれで使い用はある。彼は効果を確認するため、何度か小枝を使っては木に斬りかかった。結果は予想通り、全て欠けることなく形を保ったまま。

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