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第3話 残念!幼なじみでした!!

まだまだ家庭は平和である。この形が永遠に続くことが、彼の何よりの理想だった。

これを守るため、彼はその後も魔力(だと思っているもの)を操っていく。習得には1週間掛かったが、その後はみるみる成長していった。彼は、赤子でありながら腕立て伏せが出来てしまうほどに身体の強化を行えるのだった。


(ふっ。高速で腕立て伏せする赤子。実にシュールな絵面だね!このままだと腕だけムキムキな赤ちゃんができあがりかねないよ!!)


それから1月後。

《『気力身体強化』が(入門)から(初級)に進化しました》


さらに1年後。

《『気力身体強化』が(初級)から(中級)に進化しました》


そして3年後。

《『気力身体強化』が(中級)から(上級)に進化しました》


(や、やったぁぁ!!!!!)


気力身体強化のスキルが、スキルの中でも上位とされる上級にまで進化した。これも毎日のように鍛錬を積み重ねた成果であり、家族を思う心の表れでもある。

もちろん、この数年の成果は身体強化だけではない。まずは、流石に当然のことながら、


(この操ってるもの、魔力じゃないんだよねぇ。気力って一体何なんだろう?魔力もよく分からないのに、もっとよく分からないんだけど)


彼が操っているものを、魔力でないと知った。これを知ったときの彼のショックはかなりのもの。彼の計画していたチーと計画からずれてしまったのだから。


(大丈夫だよね?今から頑張っても、村が襲われる前には強くなれるよね⁉)


不安になった。この日、訓練の真剣度がいつもにも増してすさまじかったのは言うまでもないだろう。

と、今日の訓練のことはどうでもいい。今はまだこれまでの成果を示す時間だ。ラルフの成果は、気力身体強化だけではない。

それ以外にも『精神統一(上級)』『集中(上級)』『気功弾(初級)』『気功武装(入門)』といったスキルを手に入れていた。後ろの3つは気力身体強化と同じく、何かよく分からないもの(魔力だと思っていたもの)を感じ取って操った結果手に入れたスキルだ。そして4つの内の最初のスキルは


(あぁ~。思い出したくない!若い人の胸を見るとかぁぁ!!!!………落ち着け!落ち着くんだ僕!もうああなることはないんだし、怖がることは何もない。心を落ち着かせよう!スゥ~。ハァ~)


手に入れた理由はお察し頂けただろうか?

そう。母親とは言え、若い女性の胸部を見てしまって心は乱れる。それを授乳のたびに落ち着かせていて手に入れたスキルなのだ。これにとって母親という存在は大きな存在であり、揺らいでほしくない絶対的な存在なのである。それこそ、恋愛や色欲という感情は絶対に向けたくない相手。だからこそこのスキルはある意味1番の努力の結晶であり、1番彼が褒め称えて欲しいと思っているスキルである。


「……ラルフ~。どうしたのぉ?そんなに深呼吸して」


母親のアレを思い出してそれを必死に忘れようと深呼吸していると、後ろから声をかけられた。声は高く、どこか幼さがある。


「え⁉あ、いや。何でもないよ?」


「そう?なんか変だったけど。……あっ!もしかしてぇ、私が可愛すぎてドキドキしちゃってた?」


彼は突然声をかけられたことにキョドりつつも、表情を取り繕って笑顔を浮かべる。その様子を見た少女は少し疑うような視線を向けてきつつも、小悪魔的な笑みを浮かべた。


(おませな女の子って感じだなぁ。こういうときの反応は困るけど、村の男の子よりは女の子の方が精神年齢的にも話しやすいんだよねぇ)


「ふふっ。そうかもしれないよ。ニューニャちゃんは可愛いからね」


「っ⁉……あ、そそそそ、そうでしょ⁉私可愛いでしょ⁉」


顔を真っ赤にしながら叫ぶ彼女はニューニャ。ラルフの幼なじみであり、ゲームではラルフの心に残り続ける少女である。

彼女はゲームの中のラルフにとって初恋の人。そんな彼女は、彼の頭の中でものすごく美化されて心に残り続けるのだ。ある意味最大のライバルキャラだと思ってもいい。


(村が襲われるときに死んじゃうけど、よく回想シーンに出てきたよねぇ。最後には天の声みたいな感じでラルフと主人公の仲を祝福するし、ある意味スゴイ良いキャラだよ。死なないなら僕が転生したかったくらいだね。……いや。嘘ですごめんなさい。流石に転生して性別が変わるのはきついです……)


「あっ。そうだ。それで、ニューニャちゃんは僕に何か用かな?」


「私可愛い。えへへへ。可愛い。えへへへへへ………」


「ん?ニューニャちゃん?おぉ~い」


「えへへ。えへへへへへ」


話題を変えようとしてみたが、彼女は上の空。ラルフの言葉は届いていないようである。


(スゴイ笑ってるけど大丈夫かな?危ない薬とか決めちゃってる?って、それは流石にないか。………ないよね?)


一抹の不安を覚える。だからこそ、その不安を払拭するためにも、


「ニューニャちゃんっ!!」


「っ⁉な、何⁉」


彼の大声に反応し、びくりと身体を震わせるニューニャ。その顔には困惑の表情が浮かんでいる。その反応にラルフはあきれつつも、


「もぉ~。何回も呼びかけたのに気付いてくれないんだから」


「あっ。ご、ごめんね。そ、それで?何か私に訊きたいことでもあるのかな?」


「訊きたいことがあるのはこっちだよ。ニューニャちゃんの用件を聞こうと思ってさ」


「ああ。そういうことね。ヴァーム爺が変なことしてるから一緒に見に行かないかと思って。なんか、長長い木の棒を持ってブンブン振り回してるの」


「へぇ~。そうなんだ。……じゃあ行ってみようか」

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