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第32話 残念!人を呼ぶことになりました!!

2話目です

「それじゃあ、僕は早速行ってくるね」


「ああ。はい。今日なんですね。お気をつけて」


アイゼルは手を振り、ラルフの前からいなくなった。その背中を見送りながら、ラルフは2人のことを考える。


(上手くいくと良いなぁ。第2王女も性格は良いし、ゲーム通りならアイゼルと仲良くなれそうではあるんだけど。もしこれで上手くいったら、主人公のアイゼルルートは潰しちゃうことになるかな。そうだったらごめんね)


頭の中で謝っておく。その時だった。ぽんっと、肩に手が置かれる。


「……っ!」


ラルフは振り返り、その顔を見てすぐに逃げる体制に入る。が、肩はがっちりとホールドされていて抜け出すことは敵わず、


「さぁ。ラルフ君。訓練しましょうね」


「ギャアアァァァァァァ!!!!????スティラさんの鬼ぃぃぃ!!!!」


「はいはい。優しくしてあげますから、頑張って下さい。……羞恥心でもだえてるラルフ君も可愛いですし」

やはりスティラは鬼だった。もだえるラルフを見て喜ぶとは、かなりのSである。


そんな悪魔なスティラに指導され続け、


《『変装』が(初級)から(中級)に進化しました》

《『演技』が(初級)から(中級)に進化しました》


中級のスキルまで手に入れてしまった。実は最近やっと『剣術』が上級になったというのに、それにもう追いつきそうな勢いである。進化の勢いは、今まで持っていたスキルの中で1番かもしれない。


(凄い微妙な気分だよ。公爵家のこういう分野を教えるレベルが高いんだろうけどさ)


教育のレベルが高いことが原因であって、自分にそっちの才能があるとは思わない。思わないったら思わないのだ。そうして現実逃避しているあるとき、


「ビッティー。コルイフちゃんのところに遊びに行くよ」


「へ?第2王女様のところですの?」


ビッティーの格好をしているとき、アイゼルから遊びに誘われた。どうやら第2王女とは仲良くなれたらしい。コルイフというのは第2王女の名前である。


(仲良くなれたかぁ。アイゼル君良かったねぇ。これで寂しくて夜に泣くなんてことは無いでしょ。いやぁ~。良かった良かった)


ラルフはアイゼルの精神影響を考えて笑みを深めつつ、自分が遊びに参加した場合の損得を考える。


「……行きますわ。いつですの?」


「次回出席を伝えたいから、更にその次かな。来週だね。まだ具体的な日にちは決められてない」


「分かりましたわ。持ち物は何か必要ですの?」


「うぅん。お土産は僕が持って行くし、特に必要ないかな」


準備物なし。ただ会いに行っておしゃべりするだけになりそうだ。ラルフとしても持って行きたいものがあるわけではないので、頷いておいた。


(さぁて。それまでに頑張ってビッティーになりきるぞぉ!)


ラルフのやる気が少し上がった。少しだけスキル取得のペースが上がったのは余談だ。


「流石私ですわぁ~。オホホホホッ!」


「お嬢さま。流石です」


高笑いするラルフを、スティラが無表情で褒める。完璧冷静メイドなスティラちゃんは、褒めるときも叱るときも基本的に無表情な人なのだ。そのため、心の中で彼女が何を思っているかなど、ラルフは知るよしもない。


「あっ。ビッティー。今良いかい?」


「どうかされましたの?お兄様。私は大丈夫ですけど」


練習をしていると、またアイゼルが話しかけてくる。内容を聞いてみると、


「コルイフちゃんはOKだってさ。それと、どうせだからもっと知り合いを呼んで欲しいって言われたんだけど……ビッティーは誰か呼べる子いる?」


「急ですわね」


ラルフは苦笑する。そして考えてみるが、身分の高い知り合いなんてあまりいない。


「身分は気にしなくて良いとは言ってたけど」


「本当ですの?でしたら、……ラルフの方の知り合いを呼べるかもしれませんわ。後で話を通しておきます」


「本当?頼むね」


頼まれてしまった。ただ、いくら友人が少ないといえど一応呼べそうな候補はいるのだ。おそらく大丈夫だとラルフは考えている。


(大丈夫だよね?話を持ちかけてみるだけだし、問題ないとは思うけど)


と言うことで数日後。ラルフは外出をしていた。外出先では、


「久しぶり!」


「久しぶりだな」

「よく来たな。我らの深淵の集いへ」

「お久しぶりですぅ」


勇者パーティーの3人と集まった。お茶会へ呼んでもらったのである。久々に同年代の者と遊ぶと言うことで、ラルフのテンションは少し上がり気味だ。転生者のため、精神年齢は大きく違うはずだというのに。


(いやぁ~。やっとビッティーの演技から抜け出せた!やったよ!)


これまでの訓練でメンタルがボロボロになっていたので、今日で沢山癒そうと考えている。癒やすためには、美幼女達との会話だけでなく、


「はい。これお土産のケーキ」


「「「おぉ!」」」


机の上に置かれた箱に、3人は目を輝かせる。貴族というわけでもないので、メイドに開けさせることもなく3人は自分たちで開けた。


(普通だよね。普通のはずなんだけど、なぜか違和感を感じる!僕、ビッティーとしての生き方に馴染み始めちゃってるような気がするよ!)


身の危険を感じるラルフであった。そんな彼をよそに3人は出てきたケーキを見て、


「わぁ!」

「うむ。素晴らしい!早速切り分けるぞ!」

「お、美味しそうです」

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